009
X月X日
あの襲撃事件以来、周りはすっかり大人しくなったので俺は自由に羽を伸ばすことができた。
テオドールが一緒にいてくれるから安心して王都の外にもに出かけることができる。
我が家から歩いて10分の王都の東門。
そこから15分ほど進むと草むらが広がっている。
さらに40分ほど歩くと森があるので、最近ではその森の入口付近で素材収集することが多い。
薬草、きのこ、木の実、時々テオドールが魔獣を狩ってくれるので魔石や素材も手に入る。
あと、モノ作りに欠かせない木材。初めて木を伐採したときは面白かったな~!
魔法の練習のため、手頃な木にウインドカッターを放つ。
倒した木の枝を落としたいけど風魔法だと細かいコントロールが難しくて、切りたい位置の調整ができなかったから水魔法を試してみた。
ウォーターカッターをイメージしながら、指先の一点から水を勢いよく出して切りたい場所に向ける。まだ加減が分からなくて断面がいびつになってしまったけど、切れないことはない。
魔力を多めに込めればレーザービームみたいで楽しい(笑
見ていたテオドールはびっくりしてたけどね。
「え?何今の?どうやったの??」って目をまんまるにしてて面白かった~
水を勢いよく出すと刃物のように切れるんだよって教えてあげたら感心してたっけ。
テオドールも水魔法で試していたけど、俺のようにはうまくいかなかった。
ま、俺はモノ作り職人だからね。モノ作り作業に補正が効くのかもしれない。
火、水、風、土、雷、いろんな魔法を使い分けてモノ作りにあけくれる日々。
木箱を作って氷魔法と浄化魔法を付与、冷蔵庫を作った。試して問題なければ売り出すつもりだ。
そして我が家には1階の一角を改造して冷蔵保管庫を設置。(婆ちゃん家の床下収納がこんなかんじだった・・・はず。)
テオドールが大喜びで肉と酒を入れていたっけ。
森で採取した植物は瓶詰めにしたり、フリーズドライにしたり。料理も楽しくなってきた。
最重要事項は調味料の調達!やはり調味料があると味がぜんぜん違うよね!塩はもちろん、コショウやトウガラシもあって良かった~!!
出汁のとり方は日本式。少し懐かしい味に涙が出そうになったよ。
テオドールなんか感動の涙を流していたし(笑
そしてしばらくしてから気がついたんだ。
いつのまにか「スキル/鑑定」を習得していたことに。
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