004
X月X日
俺達3人は異世界召喚されたときに約束をした秘密がある。
それは、フルネームは隠しておこうというものだ。
だってさ、魔法とか怖いじゃん。
ラノベやマンガとかでも契約魔法とか洗脳魔法とか、名前で縛ってた物語があったし。
そんなワケで俺達は略称呼び。小学校のときからの愛称名だから自然だしね。
有り難いことに、鑑定でも愛称名で表示されていたようだから助かった。
もしかして本名で呼んだら鑑定に表示されてる「名前」が上書きされちゃうんだろうか?気をつけよう。
そして工房の話だ。俺はこの頃には簡単な魔道具を作れるようになっていた。
錬金塔では魔法の基礎を学んだ後は、主に雑用係をさせられていたけれど、もうほんと、雑用の雑用というか。掃除とか、荷物運びとか、いわゆるアシスタント的な。下っ端だから仕方ないんだけど、どうにかしてモノ作り技術のスキルアップできないものかと悩んだよ。
だがしかーし!俺には日本での知識がある!錬金塔ではまわりの人達のやり方を見てたし!
むかしから雑学が好きだし、モノ作り大好きだし、拙い技術でも作れるものはきっとあ~る!
そう考えて思いつくものを自分の中でリストアップした。
とりあえず、最初に作ったものはベルトである。
この世界の服って動きにくそうだから、ベルトを作ってふたりにプレゼントしようと考えた。
討伐遠征から無事に帰ってきてほしいし、いろいろ気を回してくれているから感謝を込めて。
異世界で始めてのモノ作り。ワクワクしたな~
簡単な物しか作れなくて申し訳なかったけど、その時は俺にはそのくらいしか出来なかったんだ。
少し幅広の皮ベルトを用意して、カイ達からもらった魔石をいくつかの縫い込んだ。
魔石は種類によって込められている魔力が違うと聞いたから、いざという時のためにもいろんな種類があったほうが良いかと思って並べていった。
炎、水、雷、土、風・・・魔石収納ベルトといったかんじだ。
アニメを思い出しながら飾りステッチとかも入れてみた。
結果、2人にはチラ見えする魔石とステッチがカラフルでおしゃれだと喜んでもらえた。
その後、王宮や騎士団で真似する人が続出したらしい。
救世主様のふたりが身につけているものを自分も・・・ってね。
憧れの対象のマネをするのはどこの世界でも一緒なんだな。
そして知らないうちに一部の冒険者にも広まっていたらしい。
魔石を常備できて便利だと人気が出たそうだ。
王都内にある雑貨屋に商品を置いてもらえることになり、俺でも小遣い稼ぎする方法ができた。ラッキー!
読んでくださり有難うございます!
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