022
X月X日
こんにちは、テオドールです。
ショウのやつ「偉人になったら後世に伝記を残さないとね~」とか言ってたくせに、なんっだ、この中途半端な日記は。
文章も雑だし。こんなもの、伝記として世俗に出せるかっ!
まったく世話の焼ける弟分だ。
せっかく日記を受け取ったので、私が続きを書いてあげることにします。
あの2人はこっそり国を出たつもりのようですが・・・なんと映像が残っております。
ショウが作った、映像を録画できる水晶球「記録球」がありまして、ヒナを監視するために王宮の数か所に設置されていたのです。
もちろん私が速やかに回収しておきました。感謝してください。
あんなセリフを皆さんに聞かれたらショウは恥ずかしさのあまり悲鳴を上げることでしょう。
慌てるショウを想像するだけで面白・・・コホン。可愛いらしいので、ここに記載しておきたいと思います。
*****
夜空が白むころ、ショウはヒナのいる客室を訪れました。
ヒナは眠れなかったのか窓辺に座って外をぼんやり見ている様子。
隠密ローブを脱いで姿を表したショウにびっくりして立ち上がりましたが、かろうじて声は出さないようにこらえました。
両手で覆った口から「ショウ」と小さな声が漏れます。
防音魔法を展開したショウは恥ずかしそうに笑顔で話しかけました。
「迎えにきたよ」
ヒナは感極まったのか目に涙を浮かべたまま動きません。
ショウはマジックバッグから1枚の絨毯を取り出すと、首をかしげて言いました。
「小学生のとき、ヒナ、好きだったよね。」
そして、右手を差し出し、
「お姫様、ぼくと一緒に空の旅に行きませんか?」
差し出された手のひらに、自分の手を重ねたヒナは満面の笑みで頷きました。
頬を伝う涙に朝日が反射してとても綺麗です。
目を合わせて、照れまくるショウとヒナ。
「けどごめん。この絨毯、一応飛べるんだけどまだコントロールが上手く出来なくて。魔法で補助するから許して。」
クスクス笑いながら2人は絨毯に乗り、バルコニーから空へ飛び立ちました。
魔法をまとった絨毯はまるで虹色の羽が生えているように光が反射しています。
太陽が完全に登ったころ、羽ばたく絨毯は2人の笑顔とともに南の空に消えて行ったのでした。
読んでいただき有難うございます。
2000PVも有難うございます! とっても嬉しいです!!
次回はテオドールが旅先から届いたショウのお手紙を紹介してくれます。
よろしくお願いいたします。




