021
X月X日
俺は嫌なことがあってもある程度のことはスルーできる。
避けられるならそれに越したことはないが、どうにもならない状況なら諦めるのが一番だ。
我慢することには慣れている。最初から期待しなければいい。
期待しなければ怒ったり落ち込んだりすることもなくなる。
あの家で諦めたときからずっと、そうやってきた。
だから慣れてないんだ。
こんな風に褒められたり、心配されたり。
「ショウがいい」ってなんだよ。
こんなの初めてでよくわかんないよ。
ヒナが大切なことは間違いないから、守りたいと思う。
今なら俺もチート職人だし? 自分とヒナだけならなんとかなる気がする。
カイもきっと俺を信頼して魔王領に残ったんだと思う。
でも、好きかどうか良くわからないのに
こんな形で2人で国を出て良いのだろうか?
それに錬金塔の指導とか制作途中のモノとかも・・・
俺は悶々と考えた。
一晩中考えて、グルグルと考えて。
ふと、ヒナの笑顔が頭に浮かんだ。
それまで考えていたことは全部頭の端っこに追いやって。
俺はヒナを迎えに行くと決めた。
*****
まだ日が昇る前だからテオドールは寝ているだろう。
置き手紙代わりにこの日記を置いていきます。
俺はマジックバックだけ持って行きます。
あとは置いていくから好きにしてくれてかまいません。
この家の結界は強化しておくので100年くらいは持つと思う。
外出するときだけ気をつけてください。
そのへんにある魔道具も売るなり使うなり好きにして良いよ。
今まで有難う。
本当のお兄さんみたいで楽しかったよ。
いつもさり気なく助けてくれる心遣いが嬉しかったです。
通信指輪は持っていてください。
魔力感知で居場所がわかるから。
落ち着いたらそのうち会いに来ます。
ショウより
読んでいただき有難うございます。
ブックマーク登録も有難うございます!
書き始めた頃は20話までには終わる予定だったのですが、越えちゃいましたね。
「サクッと読める」とか書いてたのに・・・ウソツキ〜!と思われた方、申し訳ありません。
日記はショウの手を離れましたが旅先でもモノ作りをしますので
もう少しだけお付き合いくださいませ。




