002
X月X日
「異世界人よ、そうこそ我が国へ」王冠を着けた人が笑顔で言った。
「救世主様の召喚の儀が無事に終わりました。3人もいらっしゃいますが・・・救世主様はどなたでしょう?」
なんか神官っぽい服を着たヒゲの長い人が言った。
救世主って言ったか?ん~・・・勇者的なやつかな?どう見ても俺は違うよな~。
勇者って戦うだろ?俺は運動は苦手だしぜーーったい無理。
でも自分は違う言ったらどうなるんだろ?剣とか杖とか持ってる人もいるし、なんか怖いな(涙
とか思って冷や汗かいてたら、ヒナが「3人一緒じゃないと協力しない」と言ってくれて。
有り難い!ヒナ様!女神かよ(感涙
おかげで3人とも王宮で生活できることになった。
鑑定士らしき人がやってきて認定してくれたけど、救世主はやっぱりカイだと思う。魔法剣士だったもん。
ヒナは白魔術師。癒やしと浄化の魔法が使えるらしい。魔法が使えるとかカッコイイなぁ!
その後、あの2人は魔王討伐のために騎士団と特訓を頑張っている。
逃げ出さないなんてエライよ。俺にはホント無理・・・(遠い目
俺はというと、鑑定してもらったらモノ作り職人だったらしい。
あまり聞いたことのない職業で謎が多いらしいけど、召喚のオマケなのは間違いなさそうだ。
「モノ作り職人」なら技術を磨けば魔道具師や錬金術師にもなれるのでは?という話になって、錬金塔というところで手伝いをさせてもらうことになった。
ありがたいことに俺もまだ救世主候補のままらしく、衣食住だけは安心して生活できている。
でもさーこの世界のご飯があまり美味しくないんだよ。自分で作ったほうが美味しい気がする。
調理実習で少しは習ってるし、材料さえあればできる気がする。料理も実験とあまり変わらないと思うんだ。
あと、錬金塔。魔法や錬金の基礎を教えてもらえたのは感謝しているが、周りがちょっと・・・
錬金塔で働いているのは貴族の子息が多いらしく、
無駄にプライドが高くて、ちーっとも馴染めなくてスッゲェ疲れた。
ただでもコミュニケーションは苦手だし。メンドクセェ。
いっそ城下町で工房でも構えようかと思い貯金することを決意した。
日本に戻れるかわからない今、この世界で夢を叶えるのも良いかもしれない。
せっかく魔法が使えるんだから、なんか面白い発明でもしてやるぜ。っしゃー!!
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