表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/38

019

X月X日


忙しい日々が過ぎ去っていく中、ヒナ達が帰ってくると連絡があった。

出立から約1年半。ようやくだ。


出立後しばらくは通信指輪でヒナと連絡が取れていたのだけれど、離れる距離に比例して多くの魔力も必要になってきたため途中からは連絡が取れなくなってしまった。

東の山を越えて隣国の端っこを抜け、精霊の森の手前から海に向かって西に進んだところまでは聞いている。魔界への入口はその海のどこかにあるそうだ。

まっすぐ南下しなかったのは、いくつかの国が戦争をしているからだと聞いた。

一行が帰国するということは無事に辿り着いて魔王様と交渉できたのだろう。


無事に帰って来られるようで良かった。

ーーーそう思っていたのだけど、カイだけが帰ってこなかった。




帰国した一行は国を上げて出迎えられた。

交渉自体はうまく行ったようだ。

青空の下で凱旋パレードが行われ、国中お祭り騒ぎだ。

深夜になってもあちこちで酔っ払いの賑やかな声が聞こえているが、俺の家の結界の中だけがしんと静まり返っている。

なぜカイが帰ってこないのか。

気になって何も手につかない。


「そろそろ寝たほうが・・・」テオドールが声をかけてきたころ、ドアをノックする音が響いた。

ヒナだった。

「直接話したほうが良いと思って」

隠密ローブを脱ぎながら話すヒナはいつもの元気がない。

「とりあえず、カイは元気だから安心して。」


テオドールが淹れてくれた温かい紅茶を飲んで、深く息を吐いたヒナは魔族領であったことを話してくれた。

簡単にまとめるとこうだ。


**********


魔界とのつながる亀裂が発生してから、南の海上にある小さな島を魔族が占領して今は魔族領となっている。

海上の亀裂が見える海岸に辿り着いた一行は、船に乗り込もうとしていたところを魔族に襲われた。

魔獣も次々と湧いて襲ってくる。

切っても倒しても魔法を放っても襲ってくる。

キリがない・・・と思っていたところに別の魔族集団が現れた。

カイ達は「ここまでか・・・」と腹をくくった。

ところが、新しく現れた魔族集団は魔物たちを倒して加勢してくれた。

最初に襲ってきた魔族はどこかへ消えてしまっていた。


助けられた使者一行は魔族領に招待され、丁重にもてなされた。

魔王からは謝罪のことばもあったそうだ。


魔界では世代交代が行われたばかりで、新しい魔王が若すぎることに反発する者も多く、それを利用して悪さをする者が増えているとのこと。

人間の悪いやつを「悪人」と呼ぶように、魔族の悪い奴らは「悪魔」と呼ばれているらしい。

その悪魔たちが逆賊団を立ち上げ、魔族領の内外で暴れまわっているので警備兵が取り締まっている。

助けてくれた魔族集団は、魔族領を拠点にしている警備兵だった。


魔界から出てくる魔族は制御できているものの、このままでは魔族領の外にも甚大な被害がでてしまう。

ということで魔族の警備兵と協力して逆賊団を抑えることになった。


**********



なるほど。カイは魔族領に協力するために残ったってことかな?

「ううん、それはそうなんだけど、ちょっと違うの」ヒナは首を振った。



『こんな可憐で美しい女性を泣かせるなんてありえない。これからは俺が側で支えましょう。あなたとこの魔族領を守ってみせます』

って片膝をついて言ってたわ。この世界に染まりすぎじゃない!?



テーブルをドン!と叩きながら怒って言った。

握りしめた拳が痛そうだ。


たしかにカイなら剣も使えるし格闘技大好きだし守っていけるんじゃないかな。

でも、そうか~。新しい魔王さんは女性で美人さんだったのか~。そうか~・・・・・

読んでいただき有難うございます!

ブックマーク登録も有り難うございます! とても嬉しいです。

よろしければ感想をお聞かせください! 下の☆評価でも、いいねでも頂けるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ