018
X月X日
久しぶりに日記を書きます。
けっきょく馬車馬のように働かされた。
監禁はされなかったけどブラックだった。
・・・風呂、入ってゆっくり寝たい。
毎日モノ作りして、他の人も作れるように改良して、教えて、指示を出して。
作ったものは献上したり、納品の手配したり。
なんだかんだ忙しくてなかなか帰れず城に泊まったり、帰れてもそのまま寝ちゃったり。
テオドールが家の管理をしてくれてるからすっごい助かる。
掃除洗濯はもちろん、結界の補強や食料の調達まで。
食事をとる暇がなくて深夜まで作業していたとき、そっと差し入れを持ってきてくれたのは惚れるかと思ったよ。
この人ホントなんでも出来るな。行動がスマートで尊敬するよ。テオド~ル~!ありがとぉ~!!
国王様からは「国の発展のために力を貸してほしい」と言われたけれど作るものは厳選した。
戦争の武器になるようなものは作りたくないとお断りし、生活水準が上がるようなものを提案した。
だってチートが作った武器とかヤバイじゃん。この国だけ一人勝ちじゃん。
世界のバランスはとらないとね。
まずはマジックバックの作り方を広めるために錬金塔に連れていかれたんだけど、よく覚えていない人に
「よぉ久しぶり。おまえって笑えたんだな。大人しいから暗いヤツなのかと思ってたよ。」とか言われた。
大人しいから暗いだなんて、誰が決めた?
面白かったら笑うし、会話したい相手とならちゃんと話すよ。
マジックバックは空間魔法を付与して作られる。
未知の魔法を習得するのに時間がかかる上に、付与魔法をできる人が限られるので量産は難しそうだ。
俺と同じように作れる人はいないけれど、ここにいる人達は魔法の研究に熱心だからそのうち自分たちでどうにかするだろう。
あと、洞窟で見つけた魔獣化していた蜘蛛の糸。お持ち帰りして実験したやつ。この糸がすごいんだ!
この糸を編み込んだ布がめっっちゃ丈夫で加工が大変なくらい。
編み込むときに魔力も一緒に練り込んでいくと効果がアップして鉄壁の防御を発揮する。
これを金属にも応用したら絶対防御も可能じゃないかな!?
金属×魔法の応用は錬金塔の得意なところだと思うから、あとはお任せしちゃおうと思う。
俺にできたとしても他の人が出来なかったら意味がないからね。
なんせ俺の魔力量は尋常じゃないらしい。
知らなかったよ。そんなの聞いてないんですけど。
誰かもっと早く教えてくれよ~!
町工房の職人さん達と話すのは楽しい。
お互いに知らないことを教え合ったり、作り方を相談し合ったり、作ることに対する情熱がすごくて自分も頑張ろうって思えるんだ。
職人さんとは、魔力がなくても使える三輪自転車やトロッコ、糸車機なんかを一緒に開発した。
自転車やトロッコのおかげで移動や運搬がラクになり、山から町、町から町へと物流が盛んになった。
おかげで新鮮な食材も届きやすくなって嬉しい。
糸車機のおかげで布を量産することが可能になったので、織り機も作った。
麻や綿などの生地がそろってきたところで縫製工場が稼働した。
・・・あれ?
もしかして、いろいろスッ飛ばして産業革命きちゃったかも!?
読んでいただき有難うございます!
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