暮れてもこの道
【短歌十首】
暮れかかる野道にほんのり
揺れ咲く待宵草の黄色がともる
枝葉ら
目の高さに伸び茂り
遠くまで小窓からの眺めかな
そよぐ風に波うつみどりの水そうの中を
泳いでゆくあなたと
チガヤの綿毛、
シロツメクサ達の白い羽毛が心を撫でる
深みどりに灯る街灯
そらはまだ青白く明るい優しいビー玉
明日会えなくなるかもしれないきみに
伝えたい言葉さがすだけ
誰かの天国が誰かの天国と限らず
地獄かもしれない
水晶玉から見た逆さに写る世界
見えない根っこ浮かばせる
自分だけが知っている自分
だから悔いなく納得させるこの道だ
聞こえずとも
草花は実は叫んでいると
チコちゃんは知っていたよ