女神の間と質問
(女神様、質問をいくつかしてもよろしいでしょうか?)
「はい、勿論です」
(元の世界では今頃)
「大騒ぎになっています」
戻れない以上、これ以上詳しく聞いてもあまり意味がなさそうですね。次の質問をしますか。
(これから転移する世界はどういった世界なのでしょう?)
「そうですね、あなた方の世界よりも多い人種が存在しており、魔法と魔物が存在する世界です。時代は中世に近いですかね、武器や魔法で魔物の討伐や護衛をして金銭を稼ぐ冒険者が存在します。身を立てるならこちらがおすすめです」
(ご説明ありがとうございます。クラスメイト達が居ませんが何処に行ったのでしょう?)
「彼らは既に選択を終えて転移待ちをしています。転移は同時に行われますので」
(なるほど、では私が最後の1人ですか?)
寝ていて好都合だったかもしれません。私を除いて三十九人に説明したのでしょうが、普段の彼らなら喚いてまともに話ができなくなりそうですし。ここにきてマイペースすぎる性格が役に立つとは、人生何があるか分かりませんね。
「はい、制限時間はありますが、まだ半日以上はあるので急いで決める必要はありません。転移待ちの状態は寝ている状態と同じなので」
(分かりました。このままではと、先程言っていましたが選択と何か関係があるのですか?)
「はい、このまま皆さまが転移すると...大半の方が短期間で死亡することになってしまう可能性が高いので、今回の事態に対して救済策をご用意させていただきました」
(大半が短期間で死亡って、どれだけヤバイ状態なんだ!?いや、救済策があると言いましたね、聞かせてください)
「一点目は今回の転移魔法に割り込みをかけたので、ある程度転移場所を選ぶことができます。二点目は本来得られる筈だった力の代わりをご用意させていただきました。皆さん一律でお渡しする力と、選択で得る力があります。こちらは今すぐ強い力を得られるものではないので、注意してください。三点目は持ち込み物を異世界の物と交換します。そして四点目は異世界のことや得られる力について、質問していただければ可能な限りお答えします。こちらは過去の転移者の方にもお答えしています」
うん、転移場所を選べるのであれば願ったり叶ったりです。無理やり召喚した国の言いなりや、弱いから捨てられたり、殺されたりするのはごめんです。
(転移場所をある程度選べるというのは?)
「はい、転移魔法を発動させた国から大きく離れることはできませんが、その周辺国の辺りまでなら自由に転移できます」
なるほど、結構早く決められそうですね。転移場所を決めるのは後回しでいいでしょう。
(二点目の詳しい説明をお願いします)
「はい、皆さん一律でお渡しする力は異世界言語と鑑定能力、魔力器官の生成、成長促進の力です。成長促進以外はこれまでの転移者の方も得ていましたが、魔力器官の生成は器官の改造をし、最後の一つは今回の事態に対応する為に増やしました」
「異世界言語は文字通り、異世界のどんな文字でも読めて書けるようになり、どんな言葉でも変換して話せるようになります」
(言葉の壁がなくなるのはありがたいですね。次の説明をお願いします)
「鑑定能力は物品に鑑定を発動すると鑑定対象の名前が分かります」
(えっ、物の名前だけですか?鑑定すれば何でも分かるのではなく?ステータスとかスキルレベルとかないんですか?)
「流石に何でも分かるのは怖いですよ。例えばですが、数値で全て決められて楽しいでしょうか?それに名前を知れるだけでも結構便利ですよ?」
うっ、た確かに、鑑定すればなんでも分かるのは怖いか。人を鑑定出来るなら個人情報漏洩しちゃうし、数値で決めつけられるのは面白くない。当然ですね。
「鑑定能力は採取依頼だけでも生きていけるようにですね」
殺さずに済む・・・か、とてもお優しい。
(次いってください)
「魔力器官の生成ですが」
(魔力を持てるんですね?)
「ええ、これにより魔法を使うことができるようになります」
(おおっ!)
「ですがこちらも減少・人数割の影響で保有できる魔力量が相当少なくなっています」
(oh・・・)
「代わりにですが、魔力を使っても悪影響が出ないように改造させていただきました」
(悪影響とは?)
「本来ならば、保有魔力が半分以下になると倦怠感が出始めます、そこから更に減ると頭痛、吐き気、めまい、気絶と症状が悪化していきます。鍛錬を行うといくらか症状を緩和できますが、魔力を全て使い切ると死に至ります」
(つまり?)
「悪影響がなくなるので使い放題になります。使える魔力もこれでいくらか増えます」
(おおー、それは凄いですね。確かに凄いのですが、その分の力を魔力量を増やすことに使えば良かったのでは?)
「いえ、魔力器官の生成は私自らが行うので、改造も容易でしたが、魔力量上昇はそうもいかず」
(そうですか、仕方ありませんね。)
それより、私たちの体を強化するだけならまだそこまでおかしくなかったのですが、生成とか改造と聞くと余りにも良い予感がしません。この予感は成長促進の力を聞いた後で聞きましょう。
(次いってください)
「はい、成長促進の力ですね。この力の所持者は身体能力、技能、魔力量などあらゆる面で成長を促す力です。魔力量もこの力で増やすことができます」
(凄い力ですね。この力があれば人数割された力も保有魔力の少なさも補えると)
「ええ、ですがあくまで成長を促すだけなので、体や技を鍛えたり、魔力を使わなければ成長できません、つまり本人の努力が必要になります」
(・・・分かりました、頑張ってみます)
成長促進の力の説明は終わったので、聞きたくないですが、聞かずにはいられないので聞きます。
(魔力器官の生成と改造は既に行われたのですよね?)
「はい、そうです。あとは得る力を選択していただきます」
嫌な予感が確信に変わったような気がします。既に私たちの身体が作り変えられている事実に恐怖し、絶叫したいのですが、これだけならまだマシです。私の予感することを上手く言葉にできませんが、恐らくは、
(女神様つまり私たちの身体は)
「はい、一度分解しています。そして現在再構築中です。得る力を選択すれば構築完了です」
う、うわあああああ!!??