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到着と再会

修正で巨人族、ハーフリング族、海人族は消してしまうかもしれません。


そう言えば、モトラドの話で思い出したのは最初の話の多数決あたりでしたね。三人鉄道、魔法の話、積み上げる塔の話、歳を取った白髪緑目少女の話、裸の国、時計の国、映画の国です


面白かったのは主人公にボコボコにされて努力した少年の話とか骨の橋?とか、登場人物達を襲おうとしてる少年の山賊を止める年寄りの山賊の話ですね。師匠達の事を思い出した年寄りの山賊が哀れすぎる。

 あれから三日経った。


 一日目の昼に着いた国境の関所も特に問題なく通り抜けられた。夜十時には体を洗って寝て、朝五時になったら起きて走る感じでマラソンをしたのだが三日目の朝には仮設ギルドに着いた。


 関所から二つ街を超えたあたりで道の整備のされ具合がかなり良くなっていったので相当走りやすかった。街を二つ超えるまではホッヘルやペルンの街と同じくらいの道だったので、防衛とかを考えて道の整備をしているのだろうか?


 そしてハイペースで走ったのに大して疲れもせず三日で着いたのは驚きというかもはや前と違いすぎるので何も感じなくはなかったが、走るのが得意な種族の人や銀級の冒険者なら、三日あたりで着いてもおかしくはない。


 金級以上の一部の冒険者あたりならそれ以上の速さで移動できるそうなので自分はまだまだだ。というよりも、本当にこの世界は凄い。前の世界もこれぐらい人の身体能力が高ければと思わずにはいられなかった。


 ここに来るまでに魔力帯を使用しながらずっと走っていたが、魔力帯は人と魔物の区別だけなら結構簡単で、範囲は三百メートルあたりまで広がっているのでもっと鍛えていこう。


 そんなことを振り返りながら今現在仮設野営地を歩いている。仮設野営地は天幕が貼られたり、土の壁で作られていて急遽作られた感じだ。だが、壁の方は厚く作られているのでそう簡単に壊せそうではないのが分かる。


 建物は何かあってもすぐ逃げられるようにか、良く言えば開放的に、悪く言えばおっ広げで作られている。


 そして来る途中で見えていたが、黒い霧のようなものが視線のずっと先で舞っている。これが多分瘴気なのだろう。瘴気が届かない位置で建物を作っているので大丈夫だが、王都の方は黒い霧で覆われていてよく見えない。

 

 あの中を進むのか・・・。


 ちょっと憂鬱な気分になりながら赤い旗の場所に向かっていく。冒険者ギルドの目印だからだ。そこには人が集まっている。


 冒険者の人達は並んでいる訳でもなく、誰か演説していてそれを聞いているという感じではないが何故か集まっている。そして奥から魔力を使っている反応がある。これは、風魔法?


「だから彼女達は俺たちと一緒に行動するんだ!」

「さっさと離せよクソ野郎!」


 声が聞こえてくる。聞いたことがあるようなはっきりした声と勝気のある声だ。・・・、


「いーや、彼女達は俺達の方で守るから心配すんな!」

「ああ、そうさ、俺たちがかわいがっ、とっ、守ってやっからさぁ!」

「へっヘッヘッ!」


 楽しげな別の声が三人分聞こえるがこっちには聞き覚えがない。うーん、どうしよう?


「あのー?」

「うん?」


 最後尾にいた男性の肩を叩いて声をかける。こっちを見たちょっと厳つめの男性が俺の顔を見て固まった。まただよ。仕方ないけどさ。


「すいません、これなんで集まってるんですか?」


 すいませんを強めに言い、男性の意識を質問の方に向けさせる。


「ん、あっああ、ちょっとした揉め事だな。やっかみみてえなもんだが」

「どのような?」

「弱ちっそうな男二人に女が七人もいるパーティーだからな。馬鹿な奴らが粉かけようとしてんだよ。あわよくばって感じでな」

「へー、相手は何人ですか?」

「七人だな」


 女が七人?いや、まさかね?多くない?


「絡まれてる方は黒髪の集団ですか?」

「ああ、よく分かったな。茶髪の男と女の一人は金髪だが大体合ってるぜ!」


 ああ、うん、多分クラスメイトだ。茶髪と金髪もだ。


「だからあんたらに守ってもらう必要はないって言ってるだろ」


 言い争いの中に新しい声が聞こえてきた。高めの声で拒絶の意思が込められている。


 ・・・、・・・、いや、この声って・・・、嘘だろ?


「説明していただきありがとうございます」

「お、おお」

「すいません、通ります」


 男性にお礼を言い、集まっている人達に声をかけて進んで行く。俺を見て全員顔を固まらせるが気にしている余裕がない。


「ひっひっひっそんなこと言うなよ。守ってやっからさぁ」

「そんなヒョロイガキどもじゃなくて俺達とあそぼうぜ!」


 もうすぐ女の子達全員が自分達のものになりそうだという予感からか、楽しげな男達の声が聞こえてくる。


「通ります。通ります」


 人混み半ばで騒動の中心地がまだ見えない。


「あっ、掴むな!離せ!」


 高い声が拒絶を含んだ声を上げる。愉しげな男の笑い声が聞こえた。掴むな?掴むなだと?あいつを掴んだのか?


 感情が噴き出しそうになる。


 中心地を見ていた周りにいる奴らが驚いたように急にこっちを見た。もうなりふり構ってられない。


「通せ」


 そう言うと人が一斉にどいて、さっきまで見えなかった中心地が見えるようになったので急ぎ足で進む。

 外野の騒音が消えて中心の声が聞こえてくる。さっきよりも言い争いが過熱している。


「貴様ら!いい加減にしろ!」

「このクズ野郎が!」


「なんだぁガキども?やんのか?」

「へー、俺らとやろうってのか、俺ら『マッドドック』とよぉ!?」

「おっほ〜、決闘かぁ〜?雑魚そうなガキどもにできるんでちゅうか〜?ギャハハハハ!!」


 こっちの方を向いてるクラスメイト男子ニ名と背中を向けている男達が見える。


 男の一人が嘲りの笑い声を上げ、他の仲間が釣られて笑う姿が目に映った。そして腕を掴まれながら逃れようとしている女子達も、白咲さん達もその中にいた。


 ローブを着たやつが風魔法を使っているのだろう。女子達は喋っている筈なのに声が聞こえてこない。その中にさっきまで喋っていたあいつもいる。


 あいつの泣きそうなような、悲痛そうな顔を見て、









「おい?」

「ギャハハハハハハハ!うん?ヒィッ!?」

「ヘッヘッへッ、ッ!」


 いつもより遥かに低い声で話しかけると、さっきまで愉しそうにしていた悪党面の男達が突如として顔を強張らせた。その顔は化け物にでも遭遇したかの様相だ。


こっちは気分最悪だよクソども


「その子達を離せ」

「えっなっなっ」

「聞こえなかったか?離せ」


 更に語気を強め掴んでいる男達を睨むと、男達が顔を青ざめながらも女子達を離していく。


「失せろ」

「は?は?」


 モヒカンのような髪型の男が意味が分からなかったのか困惑の声を出すが、別の男が声を上げる。


「な、なんだてめ」

「あ"?」

「ヒッ!?」


 言い切る前に怒気を含んだ声で凄むと男が急に白目を剥いて倒れ込んだ。ローブを着てたやつも倒れ込むと、魔力の反応がなくなり、彼女達の方から声が聞こえてきた。


「こっちへ」

「ペスト君!」

「後ろにいて」

 

 白咲さんが声を上げて七人全員がすぐに来てくれたので俺の背後に移動させる。あいつもこっちに来たが今はこのクソどもだ。


「もう一度言う。とっとと失せ・・・」

「あー、ちょっと待ってくれるか?」


 自分の背後から男の声が聞こえたが、男達から目を逸らす訳にはいかないので振り返らずに声を出す。


「誰ですか?」

「ここの責任者だ。あー、さっさと出てこなかったのは悪かったから威圧をやめてくれ。息が詰まる」


 威圧?いや、キレてるだけだけど。

 キレてることを自覚して肩の力を抜き、息を吐き出す。


 周りの人達が一斉に見てきたり、倒れ込むやつがいたので薄々気付いていたが、何らかの形で感情か何かが伝わるようだ。なんか前にも似たようなことが・・・。

 そう言えばペルンのギルドであったなような?確かに威圧と言えば合ってる気がする。あの大男さんには気付かずに悪い事をしてしまったかもしれない。


 少し脇道に逸れる考え事をしてたら気が抜けたようだ。周りの人達もまたザワザワとし始めた。『マッドドック』さんとやらに目を向けるとビクッとしたので、これならまぁ大丈夫かと考え、後ろを見る。

 

「それで貴方はこの場をどう収めるのですか?」


 後ろに立っていた男は自分と同じくらいの背の高さで、目つきが怖いが男前な顔立ちをしている、額の真ん中から左頬にかけて切り傷があり、髪色は真っ赤で獅子の様な印象がある。


 俺の質問に男は、


「おい、この恥さらしどもを連れてけ」

「はい!」


 男が後ろにつけてた冒険者達に声をかけると、『マッドドック』のパーティーは何の抵抗もなく大人しく連行されていった。大人しすぎていてどうにも釈然としないがこれで安全だ。


「緋桐は・・・わっ!?」


 あいつの姿を見ようとしたら、飛び込んできたので抱きとめる。抱きしめた身体が以前よりも細く感じて少し心配に、いや、細く感じるのは俺が背を伸ばしたからか。


「お前だよな!?お前・・・ッ何で!?名前がっ」


 体を離して顔を見てくる。髪を伸ばしているせいか、ますます可愛さに磨きがかかっている。血色も良い。健康そうでよかった。


「出てこない?」

「そう!忘れる筈ないのに!?」

「というか分かるの?」

「分かるよ!この馬鹿!」


 怒られた。まぁ、付き合い長いし怒られるのは普通か。


「背ぇ伸びても顔変わっても俺がお前を見間違える筈ないだろ!?」


 緋桐が泣き叫びながらそう口にする。顔がクシャクシャで大きい目からボロボロだ。抱きしめる。


「悪かった」

「ッ!俺に気付かず寝ちゃうし!訳分かんなくて!」

「寝ちゃってごめん」

「ッ!ッ!」


 しがみつかれて頭をグリグリされる。嗚咽を漏らす緋桐の背中を撫でる。緋桐がいたのは流石に予想外すぎた。気付いていたら寝なかっただろう。


「目ぇ、閉じろ」

「えっ」

「寝てた罰だ!」


 顔を上げてそう言われた。

 えっ殴られんの俺?あー、でも俺はついさっきこっちに来てたのを知ったが、約二ヶ月こいつはどんな気持ちだったのだろうか?


 顔クシャクシャで、泣いてくれてるこいつを見てると本当に悪い事をしてしまったみだいだ。殴られよう。


「はい」


 そして目を閉じると左頬に手を添えられる。

 えっビンタ?ビンタだよねこれ?この状態でグーとかしないよね?これ普通に殴られるより痛いんだよなぁ。


 右頬にも手を添えられて引き寄せられる。

 頭突きですか?マジで・・・


「あっ」


 誰かの声が響いて・・・あっ?


チュッ


 くちび・・・


 唇に感じた柔らかい感触に驚いて目を見開くと、緋桐の開いた目がドアップで見えた。何故か驚いたような感じで大きく開かれている。

 えっ?なに?お前キスするとき目を開くの!?というかキスってマジですか?


 唇が離れて・・・あれっ?

 キョトンとしたような感じでいらっしゃる。まさか事故じゃないよね?事故って言われても事故じゃなくてもショックなんだけ・・・


「ぎ・・・ん・・・り?」


 緋桐がそう言うと同時に急に頭の中に何かが浮かんで来た。それはあの白い空間で忘れた筈の・・・


「銀鱗!」


 俺の名前だった。


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