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顔出しとマラソン

遅くなってしまった。


 ホッヘルのギルドのドアを開く。いた。彼女も気付いたようで少し固まっている。一月は経っていないがその感じが少し懐かしい。冒険者の人達も見てくるが気にせず進む。


「お久しぶりですフーリさん。お元気そうでなによりです」

「ぺ、ペストさん。お久しぶりです。彼女達の言った通り来ましたね」


 最初会ったときよりは赤くなっていないが可愛い。

 ?白咲さん達のことだろうか?


「黒髪の女の子達のことですか?」

「はい。彼女達から伝言があります」

「それは?」

「王都に向かう、とだけ」

「あの依頼を受けたのですか?」

「ええ、危険なので止めたのですが・・・意志が固かったので受領しました」

「いつ出発しましたか?」

「十六日前です」

「馬車で?」

「ええ」


 予想してなかったとは言わないが少し、いや、かなり予想外だ。でも良かった、それなら走れば間に合いそうだ。


「王都について何か新しい情報はありますか?」

「いえ、役に立つ情報は来ていません。瘴気と相手の数で現在も殆ど進んでいないと」

「あの依頼を受けたいのですが?」

「・・・危険ですよ?」

「また戻って来ますよ」


 カードを差し出す。フーリさんが少し固まっていたが受け取ってくれた。


「・・・はい。分かりました。受領書をどうぞ。現地の仮設ギルドに見せれば加われる筈です」

「ありがとうございます」

「馬車は明日の昼に出発・・・」

「いえ、今から走って向かいます」

「えっ?」

「その方が早いので」

「やっぱりペストさんでしたか」

「えっ?」

「二十日以上前に此処に来た冒険者の方達が話していましたよ。ペストさんらしき人がかなりの速さで走っていたと」

「あー」

「此処から馬車で向かって二十日程度の距離ですが大丈夫ですか?」

「十日もかからないと思いますよ」


 本当の事を言えば三日もかからないと思うんだけどね。懐中時計で確認しながら全力疾走でこっちに真っ直ぐ来たら二時間も経ってなかったし。

 

「そうですか。お気をつけて」

「はい」


 背を向けて歩き出す。さて次だ。





カランカラン


「はーい、今行きまーす」


 こっちも懐かしい声と足音が聞こえて来る。金属を叩く音も一切変わってなくて元気そうだ。


「あっ」

「どうもディントさん」

「ペスト君久しぶりだね。ちょっと待ってね。親方ー!ペスト君が来たよー!」

「おっ!戻って来たのか!今行くぞ!」


 音が止まる。ガレスさんが来る前に武器を出していく。


「やっぱり便利だねそれ」

「ええ、本当に助かってます」

「それがあれば商人ですぐ成功できるんじゃない?」

「俺もそう思いますが冒険の方が好きですよ」


「おう!久しぶりだな!」

「お久しぶりですガレスさん」


 やっぱり豪快でかっこいいよなこの人。


 ガレスさんが武器を確認していく。


「武器は・・・大丈夫だな。やっぱ魔黒鋼製だから手入れはまず必要ねぇな。純度も増している。弓も大丈夫だ」

「ありがとうございます」

「何でこっちに戻って来たんだ?」

「アリセ王国の王都に向かうので」

「あー、気を付けて行け。不死者は強いし厄介だぞ」

「ありがとうございます」

「そう言えば黒髪の女の子達も王都に向かうって言ってましたね親方」

「ああ、無事だといいが」


 彼女達に此処を勧めといたから来たのか。武器を収納に仕舞っていく。


「また来ます」

「おう!戻ってこいよ!」

「行ってらっしゃい」

「行ってきます」


 もう一箇所寄ったら出発だ。





ギィィ


「あっペスト君」

「お兄さん!」

「お久しぶりです。リャーナさん。ルーナちゃん」

「久しぶりね。あっちょっと待ってね。バルザスー!ファーナー!」

「お兄さん久しぶり!元気だった?」

「この通り元気だよ。ルーナちゃんも元気そうだね」

「うん!」


「お兄さんお久しぶりです」

「やあファーナ君」

「また泊まりに来てくれたんですか?」

「今回はちょっと違うんだ。ごめんね」

「えー!」

「やっぱり」

「ん?」

「あっ父さんが説明してくれますよ」


 ルーナちゃんが残念そうな声を出すがファーナ君は何故か納得している。


「おう!ペスト。元気そうじゃねぇか!」

「お久しぶりです。バルザスさん」

「あー、二週間ちょっと前に嬢ちゃん達から頼まれて伝言があるぜ。もし来たら伝えてくれってな」

「それは?」


 バルザスさんが一度ルーナちゃんの方に視線を向けてからこっちに向かって言う。


「一度見ておきたいってな」

「・・・そうですか」

「行くんだな?」

「はい」

「弁当作ってやるがどうする?」

「それならお願いします」

「ちょっと待ってな。すぐ作る」


 バルザスさんがキッチンに向かって行く。


「お兄さん今度はどこ行くのー?」


 ルーナちゃんの後ろにいるファーナ君を見ると唇に人差し指を立ててるのでルーナちゃんは知らないのだろう。

 というかそれ可愛いぞファーナ君。


「そうだねー、暫く何処か行ったらその内バメルトに行こうかな?」

「バメルト行くの?いいなー!」

「良いところなの?」

「うん!」

「とても綺麗ですよ」

「ええ、流石王都ね」


 ルーナちゃんがキラキラの笑顔でそう言い切り、ファーナ君もリャーナさんもそう言っている。ルーナちゃんに向けて言う。


「それは楽しみだね」


ーーーーー


 バルザスさんが多めに作ってくれたサンドイッチを受け取りバッグに仕舞う。

 

「じゃあその内また来ますね」

「うん!今度は泊まってね!」

「おう!気を付けてな」

「はい」


 そう言って宿を出た。


 暫く歩いて東の門を出てアリセ王国まで続く道の上を走り出す。さあさあ、マラソンだ。疲れるまで走ってみよう、


昔読んでたマンガは赤ちゃん家庭教師のやつですね。最初のギャグからバトル方面に移るとともに作画が良くなっていったので面白かったですね。


短期間で主人公の仲間達の武器があっさり変わっていくし、インフレが凄かったです。


風紀委員長と瓜二つの容姿の理由とか、校則違反眉毛の人のその後とか、被り物した子どものことをもっと知りたかったですね。ナッポー。

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