表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/40

昨日の夕食と鍛冶屋

タイトル名ががが・・・

 朝起きた。まだ少し暗い。


 早く寝るようになったとは言え、清々しい目覚めだ。寝ようと思えば寝られるが、起きようと思えば起きられるのだ。天使族か健康の力のお陰だろう。アリステア様に感謝する。


 前はセミの抜け殻のような気分だったからだ。気持ちにも作用しているかもしれない。


 ここに来てから世界に色が付いた気がする。

 ただ・・・昨日は、


 昨日を思い返す。


ーーーーー


 夕食を食べに下に降りたが、彼女達がいた。驚いた。


「やっほー!」

 ツインテだ。元気そうに手を振っている。テーブルで他もこっちを見ている。とりあえずそっちに行く。席に促されたので座る。


「あら?どうして?」

「引き払ってこっちに来たわ」

 ロングがそう言う。えっ?他の二人を見る。


「ここ良い宿だし」

「防犯度高めで雰囲気がいい。それに安い」

 確かにそうだが。


「何でここが・・・」

 察しはつくが聞いてみる。

「噂になってるよ!」

「その顔を見ればね」

「どうやっても目立つぞお前」

「噂はどっかの国の大貴族の御曹司か王族の隠し子」


 ちょっ!?何それ!?最後のやつには目を見開いた。


「あっ驚いてる!」

「その顔を見るとね」

「諦めろ」

「やりすぎた報い。それに・・・」


 後ろ二名が特に笑ってて酷い。それに?

「シャンプー」

 すんげえ真顔。えっそっち?

「まさか、シャンプーのために?」


「「「「・・・」」」」

 全員真顔だ。怖い。息ぴったりですね。

「頂戴!」

「瓶はあるわ」

「すれ違いは避けたいし」

「絶対確保。どんな手を使っても」


 一番大人しそうな眼鏡の言動が一番アグレッシブ!いやまあいいけど。


「資料は?」

「お陰で助かったわ」

「うっ、私頭が・・・」

「本なんて嫌いだ」

「この恩は別の機会」


 役に立ったのなら良かった。料理も運ばれて来た。

「はい、ペストさん」

「ありがとうルーナちゃん」


 ルーナちゃんだ。バルザスさん、リャーナさんの娘だ。まだ十歳だそうだ。リャーナさん譲りの茶髪で目がパッチリしていて明るい。もう一人は、


 後ろを見る。


「やあ、ファーナ君」

「なぜバレたんですか?」

「ルーナちゃんの目線」

「ルーナ・・・」

「えへへ」


 ファーナ君だ。二人の息子で、十一歳。顔つきはリャーナさん似だが、黒い髪と強そうな目はバルザスさん似だ。少しイタズラ好きだ。どっちも可愛い。


 初日に二人に会ってる。夕食のときルーナちゃんが俺の顔見てびっくり、ファーナ君もびっくり、リャーナさんもびっくり。同じような驚き方だった。面白かった。


「配膳は?」

「「あっ!」」

 二人とも配膳しに行く。

「頑張れー」


「・・・懐いているわね」

「良い子で可愛いからつい、ね」


 普段は学び所みたいなところで勉強をしているらしいが、こうしてお手伝いをしているのだ。世界が違うとは言え、偉いと思う。


 周りを見たら席が埋まってた。カウンターもだ。昨日よりいる。客と目が合ったが逸らされた。さいですか・・・俺はパンダですか。予想はついてたけど。


「あー、ここで食べても?」

「いいよ!」

「座らせたの私達よ」

「もちのろん」

「早く晩御飯」


 いいらしい。女子との食事かー。久しぶりだ。

「何か聞きたいことある?」

 聞きたそうだし。


「魔物!」

「できれば聞きたいわ」

「薬草とかな」

「女の敵の情報」


 あー、一番聞きたいよな?

「戦ったか?」

 冒険者で生きて行くならどうあっても必要になる。


「スライムなら」

「魔法で倒したわ」

「他は逃げて此処に来た」

「一難去ってまた一難」


 浮かない顔だ。このままじゃ金銭も無くなるだろうし。そのままだと不味いことも分かっている。比較したいし、いいか。


「・・・殺せるか?」

「うん」

「そうするつもりよ」

「しゃーない」

「生きる為」


 手を借りたくて来たんだし、手を貸そう。


 普通の女子高生が異世界で冒険者か・・・チートがあっても御免だろう。シャンプーがあっても嫌だろう。


ーーーーー


 あれから食べ終わって私達は部屋に戻った。

 四人部屋のいい部屋だ。空いていて良かった。


「引き受けてくれたね」

「本当に感謝しかないわ」


 それでも私は目を向けてしまう。

「・・・オールグリーン」

「全面信用。後がない」

「・・・そうね」


 所持金もまだ大丈夫ではあるが、お金を稼がないとこの先どうなるか・・・手を先に撃たなくちゃ。できる限り安全な方法で。


 私達と同じ状況の彼の手を借りるのは後ろめたかったが、彼は二つ返事で引き受けてくれた。


「手札喋る?白ちゃん」

「亜美、それは・・・」

「右も左もわかんねえ状態だぞウチら」

「信用される必要がある」


 街に着く前にゴブリンを見た。怖かった。

 見つからないように逃げた。


 彼と会うまではリスク込みで男子と行けば良かったかもしれないと後悔した。ただ、あの空間での彼らを見たときは頭になかったが。今は・・・


「そうね」


 彼を信用しよう。ここを選んできた彼を。正体を明かして情報をくれた彼を。二つ返事で私達の頼みを聞いてくれた彼を。


ーーーーー


 朝食だ。着替えて一回に降りた。彼女達もいる。


「おはよう」

「うん!おはよう!」

「おはよう」

「うっす」

「本日は晴天なり」


 外見れば分かるぞ。それ・・・


「ねえ」

「どうしたの?」

「どうして助けてくれるの?」


 ロングが聞いてくる。浮かない顔だ、聞きたいのだろう。


「・・・本気で生きようしてるから」

「・・・ありがとう」


 ・・・、泣きそうな顔だ。


「取り敢えず朝食だよ。話はそれからだ」


ーーーーー


 今日の朝食も美味しく食べれた。

 そして今はギルドの資料室にいる。


「私達の力を話すわ」

「それは・・・」

「決めたから、信頼するって」


 ・・・。

「ペスト・エクスマキナ君」

「下の名前は」

「私の鑑定能力。生き物の名前も分かるわ、解体の力も選んだ」


 鑑定を発展させることもできたか。気付かなかった。

 そして解体も便利だ。魔物がいるから役に立つだろう。


「私は気配察知と簡単な説明がある物の鑑定!」

「ウチは敵意察知と危機察知」

「対象限定で感情がいくらか読める。あと魔法能力」


「役割分担か?」

 全員が頷いた。


 冒険者ギルドでツインテが一番先に気付いたのは気配察知か。ショトカと眼鏡が魔物からも人からも安全を確保する。ロングとツインテがお金を稼ぐ手段を確保と。


「後はみんなで隠れる力と武器の使い方を選んだわ」

「細剣!」

「槍と盾」

「弓」

「私は槌と盾よ」


 本当に分担している。生きる為に選んだ力だ。


「装備は?」

「あるのは私の棍棒と亜美の剣、玲奈の槍よ。昨日みんなで叶ちゃんの剣を買ったわ。お金はまだあるけど防具はまだ。弓は矢がね・・・」

「火の車」


 でも必要になる。現状魔力がそこまで多くないからだ。矢も収納があるからいくらかマシだが嵩張るだろう。


ーーーーー


 彼女達と一旦別れて工業地帯に来ている。彼女達と行動するのは昼からだ。ここの匂いは少し煙っぽい。


 彼女達の瓶にシャンプーと他を分けた。ボトルの穴が瓶より小さいやつだから、俺達以外いない資料室で移すのは容易だった。魔力で出せるので羨ましがられた。


 入るときも出るときもギルドの人達全員がすんごい見てくる。ここまで目立つなら街中では襲われなさそうだ。


 工業地帯だが壁の近くにある。金属が叩かれる音がする。武器を売っているだけなら工業地帯で無くてもいい。作るのは五月蝿いからダメだが。


 一番活気がいいところに行く。五月蝿いとも言える。


 結構大きい工房の重厚そうな扉を開ける。温かい風が流れてくる。


カランカラン


 ベルが鳴った。来客用のようだ。カウンターには誰もいないが足音が近づいてくる。人が出て来た。


「やあ!いらっしゃ・・・」


 人族の若い男性がこっちを見て固まってしまった。


「どうも、武器を見てもらいたいのですが・・・」


 まだ固まっておられる。目の前で手を振った。

 まだ固まっている。


パチン!猫騙し!


「ハッ」

「武器を見てもらいたいのですが」

「武器、武器だね!どんな武器だい?」

 少し焦った口調で聞いてくる。面白い。


「これです」


 ファルシオンと剣鉈、棍棒を取り出してカウンターに置く。男性が机の上で鞘から抜いて確認している。


「うーん、ちょっと待ってね。親方ー!」


 男性が向こうの空いてる扉で叫ぶ。少しするとさっきより大きい足音が近づいてくる。


「おう!何だ!」

「このお客さんが武器を見てもらいたいって!」


 ドワーフの男が出て来る。初めて見た。背は百六十いくらかだと思う。肩幅もがっしりしている。一見肥満体にも見えるが違う。幅が横に広いだけでムキムキだ。


 顔は髪が赤毛で癖毛だ。彫りが深く、目と鼻が近い。編んだ髭を垂らしている。勇ましい感じだ。男性というより男と言う方が合ってる。


 ドワーフ族の種族概要だが、胴が太く背は低いが腕力は強く、身体はとても頑丈で武器の扱いが上手い。魔力は普通より高く、火と土の魔法を使えるものが多い。


 彼らは物作りをしている者が多く、良品をよく作るので、戦士と鍛冶師の種族とも言われる。


 男は若くても髭を伸ばしているので親父に見える。女性に髭は生えないが筋肉質である。


 逸品を作ってもらいたいならまずドワーフに頼るべきとされているが、彼らを絶対に敵に回してはいけない、最悪数百年単位で復讐されるからだ。ドワーフは三百年以上は生きるからだろうか?


 過去にドワーフに喧嘩を売った人族の国は交易が途絶え、わずか十数年で滅んだ。人族・・・


「おう!客はお前か!綺麗な顔だな!」

「はい、ありがとうございます」


 そんな種族の人だが、豪快だ。男前である。かっこいい。

 男がカウンターに置かれた武器を見る。


「手入れが必要か見てほしいです」

「取って見るがいいか?」

「どうぞ」


 ゆっくりと武器を持ち上げ見ていく。鋭い目で武器を見る姿が絵になる。ファルシオン 、剣鉈、棍棒の順に見てたがすぐに終わった。


「お前さん、こいつはどこで」

「秘密です。ですが、初めての武器なので手入れが必要か見て欲しくてここに来ました」

「何を斬った?」

「ゴブリンです。剣はどっちも一回だけ使いました」


 後は投石と棍棒と蹴りだ。


「どれも良い武器だ、手入れは今は必要ねえ」

「今は?」

「ゴブリン程度なら歪まねえし、刃も欠けることはねえだろ。精々鈍くなる程度だ。この剣は斬るより、潰す方を重視している。刃が潰れでも鈍器になる。鉄製だが、良い造りだ。オークや魔獣を斬ったらここに来い。見てやる」


 魔獣は獣型の魔物のことだ。そう呼ぶこともある。


「ありがとうございます。できれば砥石と油が欲しいのですが」


 商売にならなくなりそうだから申し訳なさそうにきく。今はまだ旅をする気がないがその内必要になる。


「あー研ぎ石と油ならあるが、出来んのか?」

「多分大丈夫です」


 武器を選ぶときにアリステア様に聞いた。飽くまで簡単な手入れだが。不安ではある。


「多分か。不安ならまたここに来い。砥石も油もそのときだ。こいつに見させる」

「えっ!?親方?」

「見てやれ」

「はい」


 ちょっとしょんぼりしている。すみません。


「お願いします」

「ああ!うん、分かったよ」


 お願いしたら、元気が戻った。


「俺はペストです。貴方方の名前は?」

「おう!俺はガウスだ!」

「僕はディントだ。親方の弟子をしている」


「それとこれを」

 バックから取り出したように短剣やナイフを出す。ゴブリンの持ち物だ。三本あるがボロく、二本は錆びたりしている。


「ゴブリンのか?」

「はい」

「鋳潰すか。安いぞ」

「はい」


 少しでも金を稼げるならいい。


ーーーーー


 鍛冶屋を出た。ゴブリンの武器は大銅貨二枚だった。


 あれから昼までに一度魔力をギリギリまで使った。まだ三日目だが増えてると思う。収納も少しずつ大きくなっている。


 昼食は屋台のスープとパンで昼食を済ませた。不味かった。あそこはもう止めておこう。


 鐘が鳴ったからギルドの資料室には行ったが、彼女達はいなかった。外に出て壁に寄りかかって待つ。彼女達もすぐに来た。


「お待たせ!」

「少し遅れたわね」

「いや、気にしなくていいよ」

「おー、優しいじゃん」

「王子様対応」


「じゃあ行こう」

「「「「よろしく!(お願いします)」」」」


 ゴブリン狩りだ。


この世界、美的感覚はある程度広いです。


ファーナ君、リャーナちゃんの年齢を二歳下に修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ