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佐渡ヶ島大学論理学部の三人組

二十の夏

作者: 川里隼生

 七月三十一日。大きな感慨もなく、二十歳の誕生日を迎えた。俺と同じ佐渡ヶ島出身の水上みなかみ神埼かんざきが、ちょっとしたパーティを開いてくれた。初めて飲んだ酒は半端なく苦かった。


 小学校に入学してから、この二人とはずっと一緒にいた。大きな事故も事件もない生活を送れたことは良いのだが、正直、もう少し刺激のあるほうが俺は好きだ。


 高校に入ったとき、俺の胸は大きく高鳴った。アニメなんかで見る高校生と言えば、軽音楽で武道館を目指したり、邪気眼を持つ女子と恋に落ちたり、宇宙人やら未来人やら異世界人やら超能力者やらと遊んだりしている。きっと俺にもそんな青春が来るんだと思っていた。


 そんなことあるわけがない、と気づいたのは三年後の三月だった。でも、その日に三人で見た桜吹雪はよく覚えている。気温は低いながらも良く晴れて、頭上から舞い降りる桜が映える春らしい景色だった。この夏も夏らしく、夏じみた事をしたいなあ、と思った、二十の夏。

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