沖田と斎藤
アクセス有難う御座います。
皆さんご存知の通り、この作品は
オリジナルとなっています!
今回は沖田と斎藤の
短編にしてみました。
さて、今回の短編はというと
いつも通りの沖田と斎藤なのですが
今回はいつも真面目な斎藤が…
宜しければ感想お待ちしております。
秋空も澄み渡った青空。
空が高く思える秋の空。
その空の下では労咳が完治した
沖田さんと斎藤さんが
二人恒例の手合わせが始まっていた。
キイィィィンッ!
『やっぱり一君との
手合わせは響くものがあるよねぇ?』
『お前は相変わらず無邪気な刀を
俺に向けるよ』
キイィィィンッ!
『ふふ、そんな事言ってさ
本当はこれが無くて寂しかったくせにぃ
あっはは!』
『本当にお前と言う奴は!ふんっ!』
キイィィィンッ!
ヒュンッ!
『それで、向こうでの生活は…正直者どうだった?』
『土方さん関連の人が結構居てさ…よっと、
治療も良くしてくれたよ。そうだ、智香ちゃんの食事療法も褒めてたよっと!』
『あの料理か、毎回同じ様な食材で
よく違う物が出せると感心した…』
キイィィィンッ!
『ふぅ、少し休憩しない?』
『そうだな』
『ねぇ、一君』
『なんだ?』
竹筒に入った水を手に取りながら
斎藤は沖田へ聞き返した。
『僕達が居ない間、
新選組は何も無かった?』
『小さい事なら沢山あったが
これと言って大きな事は無かった。
ただ、お前等が此処を出た後
十数名やって来た。何、道場破りの様な
奴等だったが多数で来なければ
俺達を倒せないのかと
近藤さんは笑っていたな』
『あの日、早速あったの…?』
斎藤は馬鹿馬鹿しいと
沖田のとなりでボヤいた。
『平助は心ここにあらずだったな』
『あいつ、智香ちゃんにお熱だからね?』
『知っていたのか?』
『当たり前でしょ?僕を誰だと
思ってるの?それにさ、
皆知ってるでしょう?』
『そうだな』
『向こうにさ、江戸に着いてしばらくして
氷川さんていう老夫妻と知り合ったんだ。
その夫妻が絵に描いたような二人でさ
歳をとったらこんな夫妻になれたらなぁって
…そう思える二人。
でさ、氷川さんの旦那さんが雨の日
外で人斬りに合っちゃって
借家の勝手口で倒れちゃっててね
それに気付いた智香ちゃんが
僕に知らせて外を見回りに行ってる間
彼女は応急処置して…
あの娘、医者を呼びに行ったんだけど
帰り、雨の中なのに帰り雨傘も
ささずにびしょ濡れで帰ってきたんだよ?
なんだか不安になったみたいでさ
一先ず二人を保護して
土方さんに相談したら何かあった時
責任持てないってことになっちゃって…
ほら、僕労咳だったじゃない?』
『なる程』
『だから一晩だけ家に泊まって
翌日は土方さんと智香ちゃんの提案で
江戸の茶屋へ行ったんだ。一君も
行ってるところだよ?
そこで彼女達からのサプライズで
奥さん凄く喜んでね、梅の花を彼に手渡して
それを奥さんへ贈ったんだ。けど、…
その二週間後に奥さんは旅立ってしまった…
彼はいい思い出が出来たって喜んでたけど
やっぱり老衰で亡くなっても
悲しいよね?
沢山人を斬ってきたぼくが謂うの可笑しい
かも知れないけど』
『いや、それは違うだろう?
俺達が斬る者は悪人だ。善意の輩は
斬るまい…』
『まぁね…あ、オニヤンマ…』
大きなオニヤンマは
二人の目の前を真っ直ぐ飛んでいった。
『秋なのにまだいるんだね』
『ああ。蝉もまだ鳴いているしな』
『虫といえばさ一君
百足大の苦手だよね?』
『あれは虫ではない。妖怪だ』
『ようかい?ぷっ!あっははははっ!
まさか一君からそんな
言葉が出るなんて…ククク…あっははははっ!』
沖田は本気で腹を抱えながら
笑う。
笑い過ぎだと斎藤が止めようとも
凝られられずどうも笑ってしまう。
『だって、だって真面目な
一君が…ククク…』
カチャ…
『ご、ごめっ‥ぷっ!』
斎藤は立ち上がる否や
沖田へ刀を向けようとする、その一瞬
沖田は全力疾走で斎藤から逃げ出した。
腹が立っていたのだらう
斎藤もまた、沖田を本気で追いかける。
二人は真っ直ぐ屯所へ向っていた。
沖田の笑い声と
斎藤の怒鳴り声が門の前を掃き掃除する
土方と智香の耳へ届いていた。
『斎藤さんの怒鳴り声?ですか?』
『みてぇだなぁ…あいつ、あんな声
出せるんだな?初めて訊いたぞ?』
二人は目を合わせた。
二人を余所に沖田と斎藤は土方と智香の居る
門の中へ入って行った。
『なんなんだ…あいつ等…』
『さ、さぁ…』
如何でしたでしょうか?
今回はこんな感じに
仕上げてみました、
戦闘シーンは
暫く無いかもです…。
すみません…(・・;)