空気をめざせ!
イケメン先生に意図せず接触してしまったため、今の私は針のむしろである。
「地味子のくせに生意気じゃない?」
「いい子ぶって先生に取り入るなんてねー、キモい。」
「なにがですかぁ?...とか、老人は大切にしなきゃいけないんですぅ...とか、ねぇ、似てない?」
「似てるー!キモいところが!」
似てないし、馬鹿かよ。
中学の時も似たようなことあったけど、その比じゃないな。
イケメンの力はこんなところでも私に影響を与えるんだな。
でも、確かに私は地味だし、いい子ぶってもいる。
本性を隠してるのは事実だ。似てないけど。
それに、ずっと言われ続けたことだもの、慣れたよ。
またしばらく空気のようにしてれば終わるだろうしね。
「おい地味子、なんとか言えよ。」
「それとも、私はか弱いから何も言えませーん。ってか?地味-」
「やめなよ!」
この声は、桜ちゃん?!
「その子、何も悪くないじゃない!いじめとか最低だよ!」
わー!
桜ちゃんいい子だし、主人公持ち前の正義感がしっかり働いちゃってる!
このままじゃあ桜ちゃんの立場が危ういよ!
「な、何言ってんの?かんけーねーじゃん。うざっ」
「はぁ?うざいって何よ!だいたい-」
「桃井さん!」
桜ちゃん、やめてー!
「あの、ありがとうございます。でも、私は大丈夫です。もうやめてください。」
騒いでいた子たちにも声をかける。
仕方がないなー。
「えっと、その、ごめんなさい。」
「えっ!あなた悪くないじゃない!悪いのは、」
「良いんです。私はあなたに守られなきゃいけないほど、弱くない。」
ごめんねー!桜ちゃん。
本当は嬉しいんだけどね、味方してもらえて。
「...そっか。」
あー!
落ち込まないでほしいなー。
少し言い方きつかったかな?だけど、仕方ないよね?
「ちっ、なんだよ。」
「もう行こー。」
周りの子たちも少し罰が悪そうにバラバラになっていった。
ふー、疲れた。
もう、目立っちゃったじゃないか。
どうしてこんなことになったんだろ。
...あいつのせいだな。空気の読めない教師め!
ぐぬぬぬぬ...
私の目下の目標は空気になって忘れられることと、この恨みをはらすことだな!
めざせ空気!頑張るぞ!
ありがとうございました。
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