そして前世を思い出す
遅くてすみません
どうやって進めてくかいっつも悩むんです…
やばいやばいやばいやばい!
「あなたはたしか…」
なんでよりによってこの人に捕まっちゃうかな?!
「ふ、副、会長…」
いや、中庭が副会長の出現ポイントだって知ってたくせにうっかり飛び込んだのは私だけどさ!
それにしてもタイミングよー!!
しかもよりにもよってこの姿の時に!
いや、地味子さんの時に木から落ちるなんてありえないけど!
助けてもらったんだけどさ、こうなるくらいなら怪我の一つや二つした方がずっとマシだよ!
「明良や桃井さんが探していた人ですよね?あなた。」
しっかりバレちゃってるしー!
な、何とかごまかせないのかな?!
「あ、あの、なんのことかわかりません。」
しらばっくれるくらいしかやりようがないよー!
「わからない?それは有り得ませんね。だって、あんなに必死に逃げていたんですから。」
「だから、何の話ですか?私にはサッパリです。」
うぅー!逃げたいよー!
でも、ガッツリ掴まれてるし(実際は抱きとめられてる感じだけど、そんなの知らない!絶対に認めない!)どう頑張っても逃げれる気がしないっ!!
なんなの?!このラスボス感!!
「こんなに髪の長い、しかも小さい生徒なんて、そうなん人もいるはずないでしょう?必死に否定してくれたおかげで、あなたがおわれていることを自覚していたこともよく分かりましたよ。」
あああああぁぁぁ!!
髪の長さって結構重要なんだね!
今更遅いけどね!
散々それでバレまくってるし今から切ったところで地味子さんと切ったタイミング丸かぶりだからバレるし!
あと身長はマジでどうしようもないってー!!
小さいって何回言われたんだろう?!
もうごまかせない…!
こうなったら開き直ってやるさ!
せめて地味子さんと美月が同一人物だとバレないようにするんだ!
「だ、だったらなんだって言うんですか?!あなたたちこそなんで私を追うんですか!!」
「そんなこと僕は知りませんよ。」
「えぇぇ?!」
し、知らないって、え?!
今この人知らないって言った?!
つまりわけも分からず私を追っかけてたの?!
「し、知らないって…」
「そんなこと、僕には関係ないですからね。僕はただ、正体不明の生徒の素性を知るために探してただけですから。」
あ、たしかに!
私って明らかに不審人物なのか!!
「さあ、せっかく逢えたことですし、ゆっくりおきかせ願えますかね?あなたは一体全体何者なのか。」
う、うぅ…。
苦手とかそんなの置いといても、一番捕まっちゃいけない人に捕まっちゃった気がする。
冷たい目が私を見据えてくる。
あ、なんか、やだ。
頭が、痛くなってきた。
割れそう…!!
「い…や……嫌だ!離して!!」
「はいそうですかと離すはずがないでしょう。悪あがきなんて辞めて素直にー」
「やだやだやだやだ!!お願い、もうやめて…!」
怖い、怖い!
お願いだから離して!
なんでそんな目で見るの?私が何したってゆうの?
頭が痛い、私を突き刺す冷たい目。
他の人には笑いかけるのに、なんで私にはそんな目を向けるの?
あの笑顔が嘘だなんてことは知ってたよ。
でも、笑って欲しかった。だって、それをしてくれないのは、私にはその程度の価値もないって思ってるって証拠じゃない。
「…?何か、様子が…。ちょっと、一回落ち着いてください。あなたは一体何にそんなに怯えてー」
「もう、もうやだぁ…ふっ、く、ごめ、なさい、ごめんなさい…う、ひっく、…許して、おね、がい、ごめー」
ごめんなさい、ごめんなさい。
もう嫌だ。
辛いのも苦しいの悲しいのも、みんなみんな嫌いだよ。
お願い、もう痛いのは嫌なの。
許してよ、やだやだやだやだやだやだ!
「落ち着きなさい!」
いつの間にか顔を掴んでいた両手に顔を挙げさせられる。
私を見つめる目は…心配そうに揺らいでいた。
「え、あ…」
「落ち着いてください。怯える必要はどこにもありません。僕は、あなたに、危害を加えることは無い。」
まっすぐ言葉を投げかけられる。
そうだ、この人は、あの人じゃない。
「あ、私…」
「もう、落ち着きましたか?僕はただ、あなたが何かこの学校の生徒に危害を加える存在でないことと、この学校の生徒であることを確認さえできればそれでいいんです。」
そうだ、不審者なんだから、睨まれて当然だ。
それを、私は、こんな人前で泣いて…。
「あ、あぁ…」
「どうやら必要以上に怖がらせてしまったようですから、それは悪かったです。はぁ…あなたは何故あんなに怖がって…ぇ、ちょっ?!」
「ご、ご、ごめんなさい!!」
副会長は突然飛び起きた私に驚いて体制を崩す。
私がさっき取り乱した時に手を離されていたから抜け出せた。
あぁ、私の顔絶対真っ赤だ!!
「あ、あの、私、危害とか、絶対しないので!さっき取り乱したのも、大元は副会長のせいじゃないので!だから、その、ごめんなさい!忘れてください!」
は、恥ずかしい、恥ずかしい!!
素顔で、人前で泣くなんて!!
副会長の目で思い出した前世のことも私のパニックに拍車をかける。
要は、私は、キャパオーバーに陥っていたのだ。
「し、失礼しますっ!!」
くるっと180度回って猛ダッシュする。
前世のあれこれが、今まで漠然と記憶に刻まれていたものが明確になっていく。
あぁ、そうだ、私は…!
「うらむよ…!お兄ちゃん…!!」
ありがとうございました!
あれ?結局前世ちょっとしか出てない?!
つ、次は必ず書きます!
なので、次は、沙夜ちゃんの一人語り?みたいになっちゃうかも知れません…。
お付き合いいただけると嬉しいです。
いつもありがとうございます!
これからも頑張りますので、よろしくお願いします!