表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/65

休日にイケメン様はいらない1~沙夜side~

紫藤君に振り回された次の日、今日は金森先輩との約束の日である。

めっちゃ行きたくない。

でも行かないとあとが怖い。

うわぁーん!神月さん疲れたよぅ!


「うぅぅぅ、モブなのに何故か人生ハードモードに設定されてる気がするぅ…。」


あーもー!

準備めんどくさいよー!

地味子でも美月でもいけない。

うーんと、とりあえず眼鏡はいつもの丸いのじゃなくて、普通の度が入ってないのにして、髪はまとめあげて帽子に入れよう。

前髪はとめずに目を隠したまんまで、あとはー


「…化粧するかぁ。」


手っ取り早く顔変えるのには最適だからねー。

普段してないしあんま好きじゃないけど、これから先の面倒を回避するためだもんね!


「んーと」


可愛くする必要は無いし、目元と顔の印象をちょっと変えるだけでいいよね。

ちょちょーいと塗ったり線引いてー。


「ん、こんなんでいっか。」


地味子さんよりは元気そうに。

美月より大人しそうで真面目そうな感じでできたかなぁ。

ちょっと冷たい感じになってしまったけど、かえっていいかもな。

要は金森先輩にいいよってる人と違うタイプの女の子に見えればいんだもんね。


「うん、良しってことにしよう!」


服装もスカートとかは絶対なし。

オシャレする気とか一切ないから帽子が浮かないようにするばそれでいいや。

テーシャツに綿のズボン、ジージャンを上に着てなんとなーくまとまった感じになったかな。

よしっ、朝ごはん食べていこう。




「えーっと、金森先輩まだかな?」

5分前行動が身に染み付いてしまっていてちょっと早くついてしまった。

楽しみにしてたみたいでちょっと悔しい。

金森先輩が少しでも遅れたら文句言ってやろっと。

休日をひとつ潰された腹いせも込めてやる!

それまでは本でも読んで待ってよーっと。


「…ん?」


金森先輩から電話だ。

気づいたらもう10分も過ぎてるし。


「はい、どうしたんですか?ちょっと遅くないですか?」


『あ?お前こそどこだよ。待ち合わせ場所にいるんじゃねーのかよ。』


「いますけど?」


『は?どこだよ、なんか本読んでるやつしかいねーぞ。』


え、それは…


「それが私だと思いますよ。先輩どこですか?」


顔を上げて目立つ金髪を探す。

あ、いた!


「先輩、私のこと忘れてたんですか?こんな事頼んどいて。」


「は?お前、神月?」


「はい。」


「お、お前、化粧すんなって言ったろーが!」


「え、あ…。」


そーいえばそーだった。

紫藤君云々ですっかり忘れてたわ。


「あー、すみません。でも顔変えるのにはちょうど良かったし、別に薄ーくしてるだけですし、可愛くしてる訳でもないですし、許してくださいよ。」


忘れてたのはこっちが悪いからばつが悪いなぁ。

でも、先輩の無茶なお願いのためだし!別にいいじゃん!


「は?その化粧薄いのか?」


「え、そうですよ?顔は変わるようにしましたけど。」


何?

もしかしてもっとブスだと思われてたの?

失礼にも程がある!


「あー、マジかよ…。いや、でも、タイプは違うからいいのか?てゆーか、もうこいつ連れていくしかねぇし…。」


「何ブツブツ言ってるんですか?わざわざ休日潰して来てるんですよ!さっさと会って終わらせたいのですけど。」


「あ、あぁ。」


いったい何を悩んでるのか知らないけど、こっちは付き合わされてる身なんだから!


「あ、そうだ、神月。」


「なんですか?」


「仮にも彼女ってことなんだから、敬語はやめろよ。」


あ、それはそうだよなー。

なら私も。


「先輩なんだしいいと思うけど、相手のこと知らないし、従ったげる。でも、私のこと神月って呼ぶのはやめてよね。バレちゃうじゃん。」


「あ、そうだな。ならなんて呼べばいいんだ?」


うーん、私は一体いくつ偽名ができるんだろうか。


「苗字はいらないですし、私の名前から取ってサヤカにします。間違えてもごまかしやすいですし。」


「わかった。敬語、気をつけろよ。」


ぬ、もう癖の域に達しているからなぁ。


「わかってる。金森先輩…って、これも変えた方がいいかな?」


「そうだな。勇って呼んでくれ。」


「…一応先輩だから、勇先輩でいい?」


「…っ!あ、あぁ。」


なんか変な反応しなかった?

まぁいっか。


「よし、行くぞ…!」


「え、は、はい。」


え、何、これ。

先輩の顔がまるで戦場にでも行くような顔でとてつもなく心配になった。


ありがとうございました。

ブックマーク、評価、嬉しいです!

ご意見、感想もお待ちしております。

これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ