美月ピンチ!
遅くなりました。
すいません。
ふぅ、やっと会えるんだ、愛しいあの子に。
艶やかな黒毛にクリっとしたまん丸い目。
ちょっとお転婆で甘えん坊なところが愛らしい。
「クーちゃん…!」
最っ高に可愛い!!
金森先輩のことなんて忘れちゃう!
私の天使!私の癒し!
来てよかったー!
「あーもうほんとに可愛い!でもちょっと待っててね、カメラとか回収しなきゃいけないから。」
クーちゃんに夢中になって忘れたら困るもん。
カメラ用に持ってきたカバンを片手に茂みに入る。
確かここら辺に…
「あれっ?おかしいなぁ、ここら辺だったはずなんだけど。」
カメラが見つからない。
そんな変な場所には置いてないはずなんだけど。
「あ、盗聴器みっけ。ならここら辺に絶対カメラもあるはず―」
「へぇ、盗聴器まで付けてたんだ。」
え?!
後ろから大好きなイケボが聞こえてきた。
「まさか女子が来るとは思はなかったなぁ。誰かに頼まれて来たの?」
「な、なんのことでしょう。」
「この状況でしらばっくれるのは無理でしょ。」
わぁー!
まずいまずい、紫藤君に見つかった!
しかもカメラまでバレてる!
「もう諦めてこっち向きなよ。ってゆうか、クーちゃんのこと知ってるってことは、昼もここにいたのかな?」
どんどん追い詰められてるぅ!
だ、大丈夫!
ちゃんと美月のカッコしてるし、バレるはずない!
「ど、どうも。」
ゆっくりと振り返る。
そこにはやっぱり紫藤君がいた。
こうなったら紫藤君の横をすり抜けて逃げるしかない。
「…ぇ」
なぜか私の顔を見てポカンとする紫藤君。
これはチャンスだ!
片膝をついて座っていた体勢から一気に立ち上がって前のめりに走る。
逃げれた?
「ぅあっ!」
やったかと思った瞬間腕をつかまれた。
だいぶ勢いよく走ったものだからスピードを殺しきれず紫藤君と一緒にすっ転んだ。
「いってー。お前どんな勢いだよ。」
そんな紫藤君の声がすぐ耳元で…って、えぇ?!
紫藤君がうつぶせで倒れている私の上にいた。
きゃー!
そんな至近距離で聞くのはやばい!
「あ、あの、のいて、ください。」
「え、あ、ごめん!」
た、助かったぁ。
私今絶対顔真っ赤だ。
そっとうつむいて顔を隠す。
「で、もう逃げれないし、諦めて俺の質問に答えてよ。」
どどどうしよう。
ここは、嘘をつくしかない!
「わ、私、猫が好きで、猫撮りたくて…!」
「じゃあなんで昼は触りに来なかったの?」
「せ、先客がいたから出にくかったんです。」
「あー、なるほどね。たしかに知らない人いたら出にくいか。」
こ、これはごまかせた?
「でも、盗聴器は何?」
あ
「俺も盗聴器は気づかなかったけど、さっき君自身が回収してたよね?」
やばいー!
「え、えと、あれは」
なんて言えばいいの?
どうしたらごまかせる?
逃げたいけど腕掴まれてるし、座っちゃってるし、
どうしたらいいの?
「答えられなくなったね。さっきの、嘘なんでしょ?」
にゃー!
無理ー!
これ無理ー!
何が無理って何気に顔近づけながら低い声で喋ってくるもんだから耳が限界!
耐えらんない!
「ねえ、答えられないの?ならゆっくり話聞かせてもらうためについてきてもらおうかな?」
そう言って私の手を引っ張って立たせてくる紫藤君。
これ以上一緒にとか、話するとか、絶対無理!
「あ、あの!」
何とか言い訳をー
「ちっちゃ、お前。」
「へ?」
今なんて?
ちっちゃいだと?
いきなり失礼だな!
「あなただって別に高くないじゃない!人が地味に気にしてる事いわないでよ!」
「あ、や、ごめん。」
私が急に怒ったのに驚いたのか紫藤君の私をつかむ力が緩んだ。
もうここしかない!
「えいっ!」
「あ!」
思いっきり振り払って逃げる。
力じゃさすがに勝てないけど速さじゃ負けないんだから!
フー、助かったぁー!
もう二度と危険なことはしないようにしなくては。
あー!
ドキドキした!
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