森の中〜紫藤史也side〜
遅くなってすいません。
受験シーズンなもので。
いつもと同じ森の中に入ったら、いつもと違う光景が目に入った。
俺と猫がいつも会う場所に綺麗な女の子がいた。
確か生徒会と最近よく一緒にいる子だ。
クラスの奴らが騒いでいた。
女子は敵意を持って、男子は興味津々な様子で騒いでいた。
俺そうゆうのに興味を持てないから聞くだけだったけど、どうせちょっと見た目のいい女が生徒会にまとわりついてるだけだと思っていた。
だけどそれは間違いだったみたいだ。
少なくとも彼女はちょっと見た目のいいなんてレベルじゃない。
初めて女の子をかわいいと思った。
なんて声をかけようか少し悩んで、気づいていなかった振りをすることにした。
見てたのがバレるのは嫌だった。
「ん?お前、誰だ?」
その子は驚いた顔をして俺を見つめた。
「え、あ、桃井桜っていいます。」
「そうか、俺は紫藤史也。なんで君はこんなところに?」
自然に自己紹介が出来たんじゃないか?
桜か...たしかにどこかで聞いたことがある気がする。
「私、この猫を追いかけてて...。あなたは?」
「俺はいつもここで昼休みは過ごしているから。その猫はいつも俺に餌をねだりにやってくるんだ。」
「そうなんだ!猫、かわいいよね。」
輝くような笑顔。
「うん、かわいい。」
猫はもちろんだけど、彼女もかわいいと思う。
こんなかわいい笑顔ははじめて見た。
その後桜さんはここに残り、猫に名前をつけると言い出した。
その名前がクーちゃんというあんまりにもそのまんまな名前だったからついつっこんでしまった。
すねた顔も可愛くて、ついつい神様って不公平だなーと思ってしまった。
「ま、覚えやすくていいかもな。ほら、こっち来いよクーちゃん。エサだぞー。……ん、よく食うな。」
クーちゃんにエサをやっていると桜さんが笑いだした。
「なんだよ急に。」
妙にニヤニヤとムカつく顔をしている。
「いやぁ、紫藤君、クーちゃんのこと大好きなんだね!今すっごく優しい顔してたもの!」
な、こいつ!
「え、な、そんなこと」
「あるよね?エサあげてるんだし。」
あーもう!
ニヤニヤ顔がマジでムカつく!
「う、うるせぇよ!」
カーッと顔に熱が集まる。
「なんで否定するの?別に悪いことじゃないのに。」
そりゃそうだけどさ!猫好きだけどさ!
「改めて言われると恥ずかしいんだよ!そーゆーことは思ってても黙ってろよな。」
「あはっ、ごめんごめん。」
こいつぜってー悪いと思ってねぇだろ。
笑ってるし。
「あ、もうそろそろ昼休み終わっちゃう。」
「ん?あ、そうだな。」
もうこんな時間か。
「帰るか。」
「うん。ねぇ、また来てもいい?」
俺は立ち上がりながら言う。
「だから、別に俺に聞かなくってもいいってば。」
「そうだったね。」
そう言いながら桜さんも立ち上がった。
「あぁ。」
そして気づく。
身長かわんねぇなぁ。
桜さんが高いんじゃないくて、俺が低いのだ。
あーあ、これで背が低かったら俺の好みピッタリだったかもしれないのに。
そんなやつのが少ないけどな。
俺の小さなコンプレックス。
ん?視界の隅で何かが光った。
あれは…
「紫藤君?」
桜さんが不思議そうな顔で俺を見ていた。
「あ、ごめん。何?」
「帰らないの?」
「いや、帰るよ。けど、先に帰ってろよ。俺ちょっと考えることあるから。」
「そっか、じゃあね!」
桜さんが帰るのを見送ってからさっき光っていたものを探す。
たしかここら辺に…あ、これか?
「カメラ?」
なんでこんな所に?
もしかして桜さん目当ての男か?
「せっかく会えたんだ。邪魔されたくはないなぁ。」
きっと放課後辺りにこれを回収しに来るだろう。
待ち伏せて二度とそんな気が起こらないようにしてやる。
俺はカメラを別の場所に隠してからその場を離れる。
自分でも気がつかないうちに、俺は冷たい笑みを浮かべていた。
教室に戻った俺を見た友人が青ざめながらわざとじゃなかったんだと謝ってきた。
そいつに怒ってたわけじゃないけどきっちり聞き出さなきゃな。
ありがとうございました。
こうして沙夜と紫藤君が出会うフラグがたったのです。
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