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3 おっさんは山賊を退治する

昨日1日で日間総合ランクインってことでビックリ。

ありがとうございます。

 俺は馬にまたがり西へと向かった。

 アイテムボックスにはいった大量の金貨。魔王退治の功績とそれまでの実績とで、思った以上の報酬をもらうことができた。

 贅沢しなければ一生暮らしていけるくらいの金だ。


 東は比較的安定してそうでつまらない。行くなら荒れ果てた西だ。散々魔族に蹂躙され今でも残党が跋扈していそうだ。

 まだまだ狩り残した魔獣たちも各地に残されていそうだし、退屈せずに済みそうだからな。

 問題があるとすれば俺の顔が売れてるところくらいか、勇者パーティーでめいっぱいムチャしたからな。

 細かいことを気にするのは俺らしくない。

 勇者パーティーでのことを宣伝する気は毛頭ないが、コソコソと隠し立てするほどのことでもない。

 バレたらバレた時、バレようがバレまいが俺は自由に行動するだけだ。


 旅立って3日目、山沿いの道を進んでいる時、20人ほどの集団に道を塞がれた。


「おいそこのおっさん、命がほしかったら有り金すべておいていくんだな」


「やっと現れたか、気配消すのが下手すぎだぞお前ら。

 それにちゃんと俺の後ろも塞がないと逃げられるぞ」


「余裕じゃねぇかよ、おっさん。

 この人数相手に勝てるつもりか?」


「お前らこそ、俺相手にその人数で戦おうっていうのか?

 今日は機嫌がいいから、今なら見逃してやるぞ」


 まぁそう言ってみたが見逃すつもりとか毛頭ない。俺は馬を降りて剣を抜いた。

 俺をなんとかするつもりなら、遅くとも俺が剣を抜く前になんとかしないとな。

 それでもこの程度の連中に遅れを取る気はまったくしないが。


「どうした?

 来ないのか?

 ならこっちから行くが」


「うるせぇ、お前らやっちまえ。

 大口叩いたことを後悔させてやれ」


 と声がかかるが誰も向かって来ない。雑魚のくせにどうやら俺の力を少しは感じているらしいな。

 だが遅かったな。


 俺が間合いを詰めても反応できたやつは1人もいない。

 長刀を横払いしただけで3人ほど絶命している。そのまま3分ほどで全員を蹴散らした。


「おい」


 あれ、無視か?


「1人だけ生き残ってるって俺が気づいてないとでも思ってるのか?

 すぐ起立しろ、そうしたら命だけは助けてやる」


「はい、わかりました」


 そう言うと、男が1人慌てて立ち上がって直立不動となった。


「さぁ、お前らのねぐらへ案内してもらおうか」


「え?」


「それなりに蓄えはあるんだろ?

 俺がもらっていってやる」


「は、はいわかりました!」


 なかなかいい返事だ。

 約束通り命だけは助けてやるか。


 そのまま男の案内で山賊のアジトへ向かった。

 そこから10分ほど進んだ山中の洞窟をアジトにしているようだ。


「よし、留守番は何人いる?」


「はい、3人ほどです」


「ならお前が行って殺してくるか、外に連れ出してこい」


「え……はい、わかりました」


 男は洞窟へ入っていくと数分して1人で戻ってきた。


「留守番は誰もいませんでした。

 どうやら気づいて逃げ出したようで」


「そうか、じゃしかたないな。

 中を案内しろ」


「はい、わかりました」


 それにしてもこいつ、嘘が下手だな。それに大バカだ。

 せっかく見逃してやるつもりだったのに自分で死刑宣告書にサインするとは。


 洞窟の奥に進むと女が1人縛られ、口には猿ぐつわもされていた。


「この娘は?」


「近くの村からさらってきました」


「そうか、これももらっていくぞ」


 俺が娘の縄をほどこうとしてかがんだ瞬間、天井から山賊が数名降ってきた。


「気配がまるわかりなんだよ」


 俺が長剣を一閃すると男たちの首は胴からはなれることになった。


「お前もつまらない真似をしたな」


 ここまで案内してきた男の首もそのまま落とした。


 俺は娘の縄と猿ぐつわをはずして顔を確認した。

 そこそこ可愛い子だが、残念ながら俺の好みじゃないな。好みならいただいていこうかと思ったが、まぁ村まで送ってやるか。


 山賊たちはそれなりにお宝を貯め込んでいたようだ。

 金目のものを遠慮なくアイテムボックスに放り込む。

 それにしてもこのアイテムボックスは便利だ。

 勇者の生まれながらにしてもってる無限収納のスキルとは比べ物にならないが俺のアイテムボックスも200キログラム収納可能。

 大きさは制限なしという高級品。

 勇者パーティーの全員が旅の途中に宝箱からGETしたものだ。

 まぁ勇者パーティーでないと行けないような高難易度のダンジョンでしか、こんな高級品は入手不可能だろう。


 お宝の中から宝石のついたアクセサリーを数個、娘に投げてやった。


「分け前だ。慰謝料としてもらっておけ」


「ありがとうございます」


 娘は俺が乱暴しようとしないのを見て安心したようだ。

 もうちょっと俺好みなら乱暴してたんだがな。


 娘を馬に乗せ村まで送ってやった。

 村では歓待されたし、懐も豊かになったのでいい一日だった。 

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