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転生天使エノク  作者: 藤咲流
16/23

第16話・変身~???視点~

私は空から落ちてくる死体を


くぐり抜けながら、


大樹へ向けて走っていく。


まるで雨のように


降り注いでくる死体だが、


考えるよりも先に


身体が動いていた。


大樹との距離はすぐに縮まるが、


私の前に獣人間が立ちはだかる。


手に持っていた機関銃の


引き金に指を掛けるのが見えるも、


私の足は止まろうとしなかった。


けたたまし音を立てながら


機関銃の銃口が回転し始める。


銃弾が私に目掛けて


容赦なく向かってくるが、


その銃弾を私は


肉眼で捉えることができていた。


しかし、身体がその速度に


ついていくことができず、


私の体に銃弾がめり込んでいく。


すべての銃弾は当たらなかったが、


それでも機関銃の攻撃を


受ければミンチになっている。


しかし、私の身体はまだ残っており、


太ももからの出血に止まっていた。


よろけているところに、


再び獣人間は照準を


合わせて引き金を指を掛ける。


「それでも、私は!」


どうしても大樹へ行きたいと


願ったとき、私は自分の体が


内側から変化していく感覚を覚えた。


私はその感覚に身を任せると、


ゾワゾワと体毛が


浮かび上がってくるのがわかる。


同時に背中から羽が生え、


私は思い切って空に飛翔する。


銃弾を軽々とかわしながら、


私はツルを伸ばしていた男の元まで向かう。


飛んでいる中でもキメラや


獣人間が攻撃してこようとするが、


前腕と足先に生えた刃物を使って切り裂いていく。


刃物はいとも簡単に怪物たちを切り裂き、


私を止められる生物はいなかった。


しかし、先ほど視認していた


猫のような獣人間だけが私を捉えた。


「なぜおまえがここにいる、エノク!」


エノク、と叫びながら獣人間は


私を地上へ叩きつけようとする。


しかし、翼のある私のほうが空中での


アドバンテージがあり、


すぐに体勢を修正して体位を入れ替える。


二人そろって地面に落ちることになるも、


私は猫の獣人間を下にすることで


なんとかダメージを受けることを免れた。


しかし、獣人間は土煙が立ち込める中でも、


的確に私を狙って飛び掛かってくる。


私は刃物で応戦するも、


彼女もツメで身体の体を


引き裂こうと凶手を伸ばしてくる。


一進一退の攻防を続けるも、


一瞬の隙をついて獣人間を蹴り飛ばす。


猫の獣人間から解放された私は、


一気に空を目掛けて飛翔していく。


流石に空を飛んでいる私に


猫も追いつくことはできず、


私はいとも簡単に大樹の頂点にたどり着いた。


頂上には例のツルを出していた男がおり、


彼は大樹から伸びる大きな枝の上に佇んでいた。


しかし、それよりもてっぺんの木に


人間が埋められている光景に私は目を奪われた。


私はその人間を見た瞬間、


その名を叫んでいた。


「シンゴ!」

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