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彼女の叫び

いきなり何を言い出すのかと思った。

というか、空耳かと思った。


「は?」


「だから、一緒に向こうに戻ろう?

彼たちもいるし、家族だっているでしょ?」


首をかしげながら少し目尻を下げて聞き直してくる。ほんとに頭おかしいんじゃないのかな。


「あのさ、その顔にはもう騙されませんし。

嫌悪感しかないからやめていただけませんか?ロキア様。まず第一、王族が庶民に頭下げるっていうのもどうなのでしょうか。」


そう、いきなり変なことを言い出すとんちんかんはロキアだった。


「そんな、敬語を使わないで。昔のように話してよ。」


「私に悪女が王族になんという口を利く、ってお叱りになられたのは あなたの家臣ではありませんでしたか?」


だから、私は敬語を使う。それまでのこと。それに、


「昔のようにアホみたいに戯れたいとは思いません。あのときの私がバカだっただけです。引き合いに出さないでいただきたいです。」


はっきりとした私の拒絶の意思。


「アホみたいにって!君は一緒にいてくれた友人じゃないか!」


かれは焦ったかのように必死にいう。


「では、その友人を不敬罪として扱ったのは誰でしょう。私はあくまで ロキア様に敬意を表している。ただ、それだけのことです。」


ほんとに泣きそうな顔だ。さすがにかわいそうかな。けど、まだ言い足りなくて これ以上彼を傷つけてしまいそうだから私はそっぽを向く。


「その節は本当にごめん!本当に!謝っても足りないことぐらいは分かってる!」


はぁ!?なんのために私がそっぽを向いたのか…

怒りがまた込み上げる。

ごめんって!?ごめんっていった?

何にたいして?謝られてどうしろって!?

口に出したくないけど我慢ができなかった!


「ふざけないで!!謝られたくない!謝られたくないわ!というか、何に謝ってるっていうの!?私を不敬罪にしたこと!?それとも、処刑しようとしたこと!?なに?私のいうことを信じてくれなかったこと!?

何に謝ってるっていうのよ!?

あんたの方が傷ついてるみたいな顔しないでよ!?

ふざけないで!!」


ばんっ!とつ机を叩いて立ち上がって

ボロボロと涙を流しながらいう。

怖かった。怖かった。

着々と進められていく裁判。誰も私のことを信じてくれなくて。

いつも一緒にいた4人も信じてくれなくて!!家族も信じてくれなくて!

処刑の日を待つ牢獄。

明かりもなくて寒くて寒くて、真っ暗で!!

誰も来てくれなくて!!

確実に私のそばに近づいてくる処刑具が怖くて!

あれの先についてる刃物で私が食べられるかと思うと耐えられなかった!


「うわぁぁぁあああああああああぁぁぁああ!」


心が耐えきれなくなり、あのときのことが思い出されて足が震える。胸が張り裂けそうになる。頭がいたい!痛い!心が痛い!


視界が ぐらぐらと揺れ始めた。


「なんなのょ、もぅ…」


そのまま、私は意識を失った



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