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序章1
とある森の中で、巨大な滝を眼下に2人の男女が言い争っていた。
「おい!いい加減俺のものになれよ。」
「・・・・・・。」
「だんまりかよ、もういい!分かった。貴様の領地から、我が兵を引き上げる。」
「・・・・・やめて・・くだ・・さい。」
「そうだよな、あの凶暴な親父が病床に伏せってる今、賊から身を守る術がない貴様にはつらいよな。」
「・・・・・お願い・・な・何でも・・する・・それだけは・・やめて・・」
「おっ!やっとかよ。まあどちらにしても、明日には俺のものになっていたが、こういうことは早い方がいいからな。」
男が興奮しながら、女の方に近づいていく。
「ハア、ハア、そんな顔するなよ。ふへへ、悪いようにはしないからよ。」
そしておもむろに、女の服に手を掛けたところ、女が男を全力で押しのける。
「ちょ、まっ、う、うおおおおおおおおおおおおおおおおお」
男は、滝の中に呑まれていった。
そして滝の上では、女が茫然とした様子でその光景を眺めていた。