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魔物?

12/13一部加筆、話の内容に変わりはありません

(副長がうさぎ系の獣人である描写を追加)

「結論からいうと団長に何も異常はありません。

 一応呪いや精神攻撃、後発動型の魔法なども調べてみましたが問題ありませんでした。」

魔眼を心配し副長に見てもらった結果がこれだ。

ちなみに副長の頭にはウサギの耳が生えている。

ぴょんと立ったのではなくロップイヤー、つまりたれ耳だが。


「ほっ」

「よかったですね、団長。これでもし魔眼にかかっていたとしたら恥さらしでしたから。」

団長がほっとし、サクラが毒づく。


「恥さらしってどういう事だよ。」

恥さらしとまで言われた団長は不満そうにサクラに聞く。

サクラはそれを予想していたようですらすらと答える。


「あの場でのことは「許す」という言質を取られてるのでもうあのメイドに言及することはできません。

 その上で団長が魔眼などにかかっていたとしたら、

 完全にあのメイドにはめられたってことになるじゃないですか。」

「・・・・まあ、そうだな。」

団長は反論ができぬようだ。


「それでいて団長はあのメイドに負けています。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな。」

試合はメイドの負け。

そうだとしても最後、団長は首を狙った攻撃にどうすることもできなかった。

もちろん団長は身体強化していなかったので本気とは言えない。

しかしあの場でのことに限ればメイドは団長を殺しうる存在だった。


「はあ、団長はある意味獣人の代表なのですからしっかりしてください。

 今回の事は象徴的にみられてもおかしくないのですから。」

「象徴的に?」


「ええ、人間に負ける獣人。それから発展して、人間に劣る獣人、という風に。」

「すまん。」

団長は反省しているようだった。

いや、言われなくても分かっていただろう。

たいていの仕事を団長補佐であるサクラに任せているとはいえ彼も団長なのだ。

そこら辺のことを考えることのできる頭を持っている。


もう全く反論のできないといった団長に副長がフォローを入れる。

「サクラ、人間じゃないっていう可能性もあるんだし。その程度でいいんじゃない。」


「ん?どういう事ですか?」

サクラは団長のフォローだとわかっていながら話に乗る。

団長は反省してるだろうし、というのとは別に副長の言っていたことにも興味があったから。

まあ、それが副長の策なのだろうが。


「いやね、最後に目が赤く光ったって団長が言ってたでしょう。」

「ええ、それで魔眼じゃないかと思いあなたに見てもらおうっていう事になりましたから。」

「でも魔眼じゃなかった。」

「ええ、そうですね。けどそれがどうしたんですか?」


「魔眼じゃないのならなんで赤く光ったのかなあって考えてみたんだけどね。

 そのメイドが魔物だっていう可能性はないかなあって思って。」


「魔物!?なんでそういう事になるんですか。突拍子がなさすぎますよ。」

「まあまあ、順を追って説明するから。」

いぶかしるサクラを副長はなだめて言う。


「ここら辺の魔物に魔狼っているじゃない。」

「居ますね。確か六時間の悪夢がどうたらこうたらと団長は言ってましたが。」

サクラは思い出しながら言う。


「ああ、それを知ってるなら話は早いわ。その時に襲ってきた魔狼たちは紅く光る眼をしてたそうよ。」

「・・・それがどうしたんですか?」

サクラは副長の言いたいことが分からなかったようだ。

それをしょうがない生徒だ、とでもいうような目で見てからわかりやすく説明する


「だから、私はそれが魔狼の変異種か魔人だって疑っているのよ。」

「さすがにそれはないでしょう。公爵家ですよ。雇う人材の身元ぐらいはちゃんと調べてるでしょう。

 それに獣人だっていう可能性もありますよ。赤い目の獣人はそこそこいるじゃないですか。

 先祖返りで目だけ赤くなったっていう可能性も。」

「まあ、そうなんだけどね。だから可能性は限りなく低いわ。

 ところで団長のことを追わなくていいの?」

「へっ?」

副長に言われサクラがきょろきょろと見回すと団長がいない。


「団長はどこに行きました?・・・・いえ、いつの間に出て行ったんですか?」

「わたしがメイドは人じゃないかもって言い出した辺りから。」



「・・・・・・・・・・・・・・団長逃げましたね!」

鬼の形相でサクラは団長を追って行った。

後に残った副長はつぶやく。



「獣人の眼は赤いけど光ったりはしないんだけどねえ。夜に光を反射して光ったりはするけど。

 夕方時だからそう見えただけっていう可能性もあるけど・・・・・・。

 明日一応確認に行きましょうか。」

そう言って団長をサクラの訪問で止まっていた書類の処理を再開した。


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