騎士団長団長補佐に説明中
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「お引き受けしましょう。」
かなり強そうなメイドがいたから勝負を挑んだらこう言って引き受けてくれた。
条件の縛りが少し強すぎるが。
人族と獣人を比べると獣人の方が身体スペックは圧倒的に勝ってるので
自分の方が有利すぎるから少し不満だが受けてくれたのでまあいいことにしておこう。
おお、そうだサクラに審判を頼みに行こう。
挨拶だけだってんで俺だけで言ったけどサクラは団長補佐だ。
うちの騎士団はなかなかに面倒で団長補佐と副団長といる。
位的には副団長の方が上だけどがほとんどのことをサクラに任せてるから団長補佐の方が偉いみたいに思われてしまってる。
特に困ってはいないしサクラと副団長は知り合いみたいだから大丈夫だけど次代はどうなるかはわからんからどうにかしないと、と思うんだけどそうなると俺が仕事をしなきゃいかんからなあ。
正直事務とかは苦手だ。
部下の訓練や自分を鍛えるのは得意なんだがなあ。
「というわけで審判頼む。」
「何がというわけですか、説明しなさい。
そもそもあなたは公爵夫人に挨拶に行ったはずですが
それでなんで試合などという訳の分からないことをする事になったのかというところを特に。」
サクラは女だ。
ただ名前だけ聞くと女か男かわかりにくい。
ここら辺にはサクラという名前はないから判断しかねるのだ。
なんでも母親が遥か東方からこちらに来たらしくこんな変わった名前になってる。
その東方の言葉でピンクの花が咲く木の事らしい。
それでうちの騎士団は獣人ばかり、というか獣人連合の騎士なので獣人だけで当たり前なののだがサクラはそれに当てはまらない。
完全に人間の姿だ。
人間と獣人のハーフらしいが人間の特徴の方が強く出たというより人間の特徴しかないのでうちの騎士団では当初はぶられていた。
ハーフ自体嫌われてる上にサクラは人間にしか見えなかったからなあ。
けどそれでも努力して努力して努力して力を認めさせて団長補佐にまで至ると。
そして俺に仕事を押し付けられて苦労してると。
・・・・・なんか罪悪感が。
「迷惑かけるな。いつもありがとう。」
そう言って頭を撫でた。
「なっなっ、急になんですか。私の質問に答えなさい。
それに迷惑をかけてることが分かってるなら少しはかけないように努力してください。」
「へーい。」
サクラは撫でられることに耐性がついてないのか頭をなでるとすぐに顔が真っ赤になる。
いつもつっぱってるのに撫でると照れるのがかわいらしくついつい頭を撫でてしまう。
「っー、ゴホン、でなんで試合なんてすることになったんですか?」
「いや、強そうなのがいたから。」
それだけだ。
サクラが頭が痛そうにこめかみに手を当てている。
いつも迷惑かけるなあ。そう思いながら俺は耳をふさいだ。
「あなたはなんでいつもそうなんですかっ!!
ちょっとでも強そうなのを見たらすぐに試合を挑んで、
少しぐらい団長としての自覚を持ってください!!」
ほら、叫んだ。
「いやだって先代だって、団長たる者常に強くなろうと心がけよ、って。」
言い訳してみた。
「はあ、もういいです。
審判は受けますからもう自分の部屋に帰ってください。私は仕事で忙しいので。」
「はっはーい。」
俺は部屋から逃げ出した。
サクラの背後に鬼が見えた。
たまに俺よりサクラの方が強いんじゃないの?と思う時がある。