君と私と兎
何もない世界で少女が出逢ったのは、どうやら兎の様だ。
何もない世界で少女が出逢ったのは、どうやら兎の妖だ
私は君に殺された。なんでかな。
なんでかな。君は私を殺したんだ。
「彼はコロシガミに魅入られているのさー!
あははははははははは!」
目の前で踊る兎は言った
「コロシガミ…?」
「死神の逆さ!コロシガミが彼を生かした!
君は死んだけどね!あははははははははは!」
うるさい兎だと、私は思った
……でも
「……良かった…私、嫌われてないんだ…」
君が私を嫌いになってしまったのかと思ってた。でも、違った。
それだけで、十分私は幸せ…
「あははははははははは!あははははははははは!
良かったね!良かったね!
あははははははははは!あははははははははは!」
でも……それでも…
コイツが居ると不快だ。
不快な兎は馬鹿みたいに笑う…
「あははははははははは!あははははははははは!
どうしたの君黙っちゃって!」
五月蝿い…
「うるさい……」
不快…
「え~?ボクが?」
煩くて、そして不快。
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!
黙れッ!今すぐ黙れ!
笑うな塵兎ィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイィッ!」
うるさい兎がうるさいから、私は。
「やめ、てよ…ボク……そんな…」
私は…
「黙れ!黙れ!黙れ!」
私は兎を…
殴った。
蹴った。
また殴った。
そして蹴った。
殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。
殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。
殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。殴った。蹴った。
兎は動かなくなった。
私はコイツを殺してしまったようだ。
それでも、私の苛立ちは治まらなかった。
だからまた兎を殴って蹴った。
私はコイツを殺してしまったようだ。
君は私を殺した。
「殺した同士、おそろいだね」
私は、一人呟いた。
何もない世界に私は一人………
おわりだよ。
読んでくれてありがとうございます。