表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/10

ついに底辺に落ちる

元々懲役になる様な罪じゃなかったのか俺が真面目に刑期を務めたせいか3か月後には模範囚として出所することになった。

出所した後の俺の生活は激変した。


住んでいたワンルームは家賃滞納で追い出され家財道具一式が無くなっていた。

仕事も当然解雇になっていて、無職に転職していた。

全てを失って愕然とした。


俺が捕まってから6か月で世間は大きく変わり浦島太郎状態であった。

一番大きく変わっていたのが、俺が10年間耐えて務めたあのブラック企業みたいなゲーム会社が上場して話題の企業になってた事。

事件さえ起こさなければ今頃1000万円ぐらいは社内持ち株制度で手にしてたかもしれない。



住むとこが無くなったので仕事を見つけようとするが、住所不定だとどこも雇ってくれるとこは無かった。

ワンルームを借りようとしても、仕事してないのでどこも貸してくれない。

仕事してないのでどこのワンルームも貸してくれない。

まさに負のスパイラル。


気が付くとネットカフェに住み日雇いのバイトだけをして食べてるネカフェ難民になっていた。

その日雇いも土方仕事が素人同然の俺にはほとんど見つからず職安の手当てだけで食べてる感じだった。


朝職安の手当てを貰い、昼はずっと公園のベンチで過ごし夜のフリータイムになってからネットカフェに戻りシャワーを浴びて個室で寝る生活。


本当に生きてるだけの糞をひねり出すだけの機械。


職安の手当はネットカフェで暮らそうとするには十分な額を貰えないのでコンビニのおにぎり一個だけ食べ後はネットカフェの無料のドリンクバーをがぶ飲みし一日を耐え過ごす日も多かった。

最近は浮浪者でもスマホ持って俺の元居た会社のゲームの「ドラパズ」をプレイしながら生活してるのがいるのに、俺との差がどうしてここまで開いてるのか理解できなかった。

出所から半年もするとネットカフェに泊まる金も無くなりほぼ浮浪者と変わらない公園や駅の地下道に泊まる生活をするようになっていた。



そんな浮浪者にジョブチェンジした俺の前に刑務所仲間の江藤が現れた。

さすが出所慣れしてるのか俺みたいな不良者に身をやつす事無く小奇麗な格好をしている。

どうやら話を聞くと詐欺師に復帰してる様だった。


「通帳作って来たら一冊5万円で買い取るよ」

振込め詐欺に使う通帳らしい。

きっと浮浪者でスマホ持ってる奴らはこういう汚い犯罪に手を染めてるんだな。

俺はもう失うものが無かったんで犯罪に手を染めた。

どうせ罪を犯すならちまちまやってても仕方ないと、250冊の通帳を作り200万円を手にした。

「ちょっ、お前いくらなんでも多過ぎるだろ~」とさすがの江藤もビビったのかあまりに冊数が多かったので最初の通帳一冊5万円の約束よりかなり買いたたかれてしまった。


200万円を生活費に充ててもよかったが、それじゃ時が経てば無くなるだけなので全てを株に投資することにした。

投資する会社はもちろん俺の前居た会社。

浮浪者の間でさえプレイしてる奴がいる「ドラパズ」と言うゲームは絶対にブレイクすると踏んでの事。


俺の目論見どうり株を購入してから3か月後には「ドラパズ」が大ブレイクして、世は「ドラパズ」ブームとも言える流れとなり株が急上昇して株の購入を繰り返すことで俺は投資額のなんと450倍の9億円もの金を手にすることになる。

俺は浮浪者から怪しい投資家にジョブチェンジした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ