無地の果てに
このアカウントでは初投稿になります。
なんとなく書いていたら、よくわからないものができました。
読めばわかりますがこの小説には一箇所おかしいとこがあります。それはどこでしょう?そしてその意味は?
そんなふうに考えながら読んでいただければすこし面白く読めるかもしれません。
評価、感想等お待ちしております。
「死ね」
その声で彼はハッと目を開けた。
目の前には二人の少女。一人は真紅のリボンが胸元についてる白いワンピースの少女。もう一人は縮れたリボンが胸元についてる、継ぎ接ぎだらけの灰色に薄汚れたワンピース。
二人は向かい合って立っている。白い少女はもう一人の灰色の少女を睨み、灰色の少女は泣きそうな目でもう一人の白い少女を見つめている。
「死ねよ」
白い少女が言う。
「あなたは邪魔なの。生きてちゃいけないの。だから死んでよ」
白い少女の言葉が灰色の少女に刺さる。
「……死にたくない」
灰色の少女は言った。
「今は邪魔だけど、邪魔じゃなくなるようにもう少し頑張りたい。だから死にたくない」
再び白い少女が口を開いた。
「頑張る? あなたはたくさんの罪を犯した。たくさんの人を裏切り、たくさんの人を傷つけた。今更頑張るだなんて、できると思ってるの?」
「……無理ダ、無理ダ……」
白い少女の後ろに骸骨が現れ、ぶつぶつと呟く。
「嫌だよ……死にたくないよ……」
灰色の少女が頭を抱え蹲り、泣き始める。
「死にたくなくても、死ななくちゃ。罪人には罰を」
「罪人ニハ死ヲ……罪人ニハ死ヲ……」
「嫌だ、嫌だよぉ……」
灰色の少女が嗚咽を漏らす。
「ねえ、あなたはどう思う?」
突然白い少女が彼に呼びかけた。
「あなたも彼女は死ぬべきだと思うでしょう? あなたは何度も裏切られたものね。さあ、その手に握っている物を使って、彼女に罰を与えて」
ふと彼は自分の手元を見ると、その手には大きな斧。
「お、俺は……」
「さあ、彼女に罰を」
「罰ヲ、罰ヲ……罪人ニハ罰ヲ……」
その声に操られるかのように勝手に足が動く。むせび泣く、彼女の元に。
「嫌だ……死にたくない……」
涙でぐしょぐしょになった顔で俺を見上げる少女。
「殺さないで……助けて……」
「助ける必要なんてないわ。さっさと殺しなさい」
「ワタシトアナタヲ傷ツケタ罪人を……」
白い少女は指から滴る真っ赤な自分の血を舐める。
「嫌だ、嫌だ、死にたくない……」
「さっさと殺しなさい!!」
「殺セ、殺セ!!」
「殺しテ、オ願い、コロシテ」
「俺は…………」