第弐話 熱帯夜な部活
負人です。
暑くて最近寝れません。
そんな中書き上げた、
この話。
色々キャラが増えて
しっちゃかめっちゃかです。
能力や人物紹介等は、
この話が一段落ついたら、書きますので、気長にお待ちください。
では、ご覧あれ。
タッ…タッ…タッ…タッ…タッ…
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
夜、人気の無い道で少女が『何か』から逃げ惑い走っていた。
身体中から流れ出る大量の汗も気にせず、只ひたすらその『何か』から逃げていた。
「…ハァッ…ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
少女は、膝に手をつき呼吸を整えていたが、ふと自分の視界が暗くなる感じを覚えた。
恐る恐る顔を上げると…
「…………ヒィィッ!?」
頭上から降り注ぐ街灯の光で細部までは見えないが、そこには人の形をした背中から八本の脚を生やし、黒く大きな瞳を全て少女に向けた『何か』がじっとこちらを見下ろしていた。
「……きゃぁ………」
少女は悲鳴をあげようとしたが突然その場に倒れた。
時同じくして、とあるマンションのとある一室。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
ベットで寝ていた少年が突如目を覚ます。
身体中からビッショリと汗を流し、顔はまるで悪夢でも見たかのように驚愕の色一色に染まっていた。
少年はノロノロとベットから這い出て、部屋から出る。
周囲は暗く、まだ午前2時3時といった所。
少年は急ぎ足で洗面所へと向かう。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…」
洗面所の明かりをつけ、洗面台に手をつき、息も絶え絶えで、鏡を見つめ一言呟く。
「……………あっつ」
季節は夏、それも熱帯夜と呼ばれるもので、寝ていたがムッとする暑さと流れ出る大量の汗が不快で思わず飛び起きてしまったのだ。
服を脱ぎ捨て、シャワーで汗を流し、サッパリした所で、浴室から出て身体を拭き、台所へ向かい冷蔵庫を開け炭酸きつめ、糖分カットのコーラを一本取り出し、蓋を開け喉に流し込む。
「ゴキュッ…ゴキュッ…ゴキュッ………んっハァッ!!あーうま」
やはり炭酸がきついのか三口程で喉に限界が来て、目から涙が溢れ出る。
「なして、炭酸を飲んだら涙が出るんだろうか…世界とは不思議に出来てるんだねぇ〜」
コーラに蓋をして、それを何かを考えるような目付きで眺め、不思議に思ったが世界とは関係性が全く無いような気がする…
「暑いし…寝れないし…よし、徹夜だな」
『ギャハハ!ま〜た徹夜か、しっかり寝ないとま〜た風邪ひくぞぉ〜ギャハハハハ!!』
「風邪引かないように気を付けているから無問題で〜す」
コーラをちゃぶ台の上に置き、胡座をかいて腕を組み少しだけ考え徹夜する事を決めた途端、部屋に笑い声が響き人を小馬鹿にしたような声が響く。
少年は、別段驚きもせず、返事を返す。
「それにしても…」
チラリとある一室に目を向ける。
「この状況下で寝れるとか…腹立つな…」
ジト目で睨み付けた部屋の中には、
「すぅー…すぅー……んふふ…」
水の球体に包まれた水色の髪の幼女が、幸せそーな顔で寝ていた。
「まぁ、そう怒るなあれが彼女の『能力』なんだから」
「そうなんだけどさーなぁんか…納得出来ないんだよな〜」
いつの間にかちゃぶ台の上に腕を組んで立っていた、体がメタルブルーで顔と思われる部分には楕円形の紫色のマスクで覆われているロボットの様な、体長約20?の小人が少年を宥めていた。
『お前の『能力』でパクれねぇのかよ?』
「それは無理だろうな」
『どうしてだよ?コイツの能力はそういう事が出来る能力って考えていたんだが』
またしても何処からか声が響き、提案を持ちかけて来たがロボ小人がそれを否定した。
「俺が人から能力を真似るときは相手の『同意』が必要なんだよ、それをアイツはしてくれねぇんだよ…」
腕を組んだまま後ろに倒れ込み天井を見つつそう答えた。
「なら創ればどうなんだ?熱帯夜を涼しく快適に過ごせる能力を」
ロボ小人がちゃぶ台から飛び降り少年の顔の横で創ればどうだ?と持ちかける。少年はその手があったと言わんばかりの呆けた顔で横にいたロボ小人を見つめる。
「ん〜今日は無理だけど…明日からならいけるな、どんな能力にしようか考えないといけないし…」
起き上がり何かを思案するように顎に手を置き、うーんと唸る。
こうして夜は更けていき、朝になり幼女が起きてきて少年は朝御飯を作り、その間に幼女はシャワーを浴び暑いのか、素っ裸で食器の用意をし、少年に怒られて渋々服を来て、一緒に朝食をいただき、顔を洗って二人揃って出かける。
「ここまで来るのに何で汗をまたかかなくちゃいけないんだ?理不尽だ」
「私は能力で涼しかったから特に言うことなーし」
「お前その内蒸発しちまえ!」
「そんな状況になったら親父が助けてくれるんでしょ?あざーす!!」
海上に浮かぶこれでもかと言うほど広い敷地面積を誇る海上学園都市【海醒領学園】そのなかの1つ『第九地区』に二人はやって来ていた。
『第九地区』別名:その他系部活棟と呼ばれ、普通では無い部活がこの地区ではひしめきあっていた。
普通では無い部活とは、運動系、文化系そのどちらにも属さず学校に提出すれば間違いなく「アホか」と呼ばれる事間違いなしな、活動内容未定、存在意義不明な部活動(同好会、サークル)が集まっている、ある意味『無法地帯』な地区である。
その第九地区の一室に入ってきた少年と幼女は机に荷物を置き扇風機をつけ、椅子に座り愚痴を言い合っていた。
「やっぱりあんたら二人か…珍しいね、こんな朝早くに来るなんて?」
「『蘭』よぉ〜悪いかよ」
「『池家』さん私もたまには早く来るんだよ?」
「おいこら『エリア』俺も入れろや俺も」
「朝から飛ばしてるねぇ…『エリア』ちゃんに『志夕』は…」
突然、扉が開き中にいる二人を見て不思議そうに呟く茶髪にポニーテールで傍らにスポーツバックを提げた女子【池家 蘭】。
池家の意見に反論して【壬 エリア(みずのえりあ)】が自分だって早く来るんだと抗議するが、黒髪で未だ眠たそうな少年【無霊 志夕】がエリアに異論を唱える。
「気に障ったか池家蘭?障ったのなら謝ろう」
「いやいや気にしなくて良いって『エイタ』むしろこれやんないと何か調子狂うし」
『ギャハハ!そーだぜエイタ、この暴力女がそんな繊細な心持ち合わせてる分けねぇって!!ギャハハハハ!!』
「おい馬鹿、止めろ!『がみちゃん』!また惨劇が起きるだろ………はっ、殺気」
ロボ小人【エイタ】が謝ろうとするが池家はちょっと困った笑顔で手を振って別に気にしないでと言った。そしてまた声が響き志夕が自身の左手(親指、中指、薬指を合わせ、人差し指と小指を立てた形つまり狐の形)に向かって焦ったように喋るが、背後からの寒気を覚える程の殺気にギギギッと首を後ろに向けると…
「ほぅ…成る程…だぁれぇが…暴力女だって?だぁれぇが繊細な心を持ち合わせていないって?」
「ぼ、暴力はんた〜ぃ…」
『たくよぉ〜そんなんだから何時までたっても彼氏が出来ないんだよぉ〜少しは落ち着け』
スポーツバックを床に落とし周囲にはゴゴゴゴゴッと言う不吉な擬音が流れて、志夕が宥めようとするが池家の放つ殺気に押されしりすぼみになり。
がみちゃんは何時もと変わらないスタイルでふざけ倒し、池家の怒りを助長している。
「くわばらくわばら」
「触らぬ神に祟り無し」
エリアとエイタはこっそりと抜け出し、部屋の扉を閉め形だけの合掌をして志夕のご冥福を祈った。
無霊志夕、池家蘭がこの春新たに発足した同好会、名を『超常現象特務捜査同好会』略して『超特捜会』。部活の活動内容は超常現象、心霊現象などサブカルチャーと呼ばれるものを調査し纏めて蒐集するもので、八月現在の今でもうすでに六件の依頼をこなしている。
しかしその何れもが、調べていく内にろくでもない物だと解った物が大半で、知ってはいけないことを知ってしまった感じのやっちゃった系の部活である。
「それじゃ超特捜会今日の議題はこれ」
池家がホワイトボードに何かを書き出す。
志夕がそれを読み上げうんざりした顔をする。
「えっと…『怪奇!蜘蛛男!闇より迫り来る少女を狙う魔の手』はぁ…なぁ蘭」
「何よ」
「お願いだからもうちょいマシなネタを持ってきて下さい…」
「この前もこれ系の依頼でえらい目にあったばかりだもんね〜」
「確かに…前の依頼でひどい目にあい、そして今日の議題…」
『池家よ〜この前の依頼でちっとは反省したと思ったんだかな〜まーたネット空間に閉じ込められるぞ〜ヒャッハハ』
志夕、エリア、エイタ、がみちゃんの順に喋るがどれもこれも似たような感じで、つまりこういう事。
『少しは自重しろ』
「うぅ…私だって…私だってぇ!!」
池家が涙と共に崩れ落ちる。
翡翠
「こんな話で本当に大丈夫なのか?」
負人
「正直…不安…」
はやて
「キャラ設定がでるまで読者の皆様は待ってくれはるんやろか?」
負人
「ぐふぅ…」
翡翠
「でさ、今回出てきた海上学園都市って実際どれだけの広さなんだ?」
負人
「言って良いの?」
翡翠
「うん」
負人
「西日本とほぼ同等のデカさ」
はやて
「結構でかいな〜ほんじゃ海醒領学園には第九地区までしか無いん?」
負人
「いや、第十二地区まである」
はやて
「1つ1つの地区が広いんやね最後に1つ何で「海上学園『都市』」なん?都市いらんやろ?誤解されんで?」
負人
「それについては、俺がそれを知るのが設定を作った後って言うので、そんときは見てビックリしたよ…変えた方が良いのかな〜って。もう1つがさっき言った通り広さが西日本とほぼ同等だから、住んでいる奴がいてもおかしくないよな〜って思ったから」
翡翠
「今回はここまで!」
はやて
「次回も見に来てや〜」
負人
「あれぇ?俺言うことねぇ!?」
はやて/翡翠/負人
「「「まったね〜!」」」