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第6話:青髪ヒロイン、テスト勉強で意外な知識、俺の集中力はどこへ

月曜の朝、教室に入ると、納戸瑠璃が窓際の席で本を読んでいた。青髪が朝日でキラキラ光ってる。

いつもの光景。だけど、なんか異世界の住人みたいだ。俺、臼木崚雅、普通の高校二年生、こんなミステリアスなクラスメイトに慣れてない。隣では辛康太が、ラノベの新刊をパラパラめくりながらブツブツ言ってる。


「なあ、崚雅。ラノベならさ、テスト期間って地味だけど急接近イベントの隠れスポットだろ。俺のシナリオ予測だと、納戸さんが何か仕掛けてくるぜ」

康太が眼鏡をクイッと上げて言う。こいつのアニメ脳は月曜からフルスロットルです。


今週は中間テスト。1時間目の国語、担任じゃない山口先生が漢字テストのプリントを配ってくる。納戸さんがスラスラ書いてるの、チラッと見えた。めっちゃ速え。前の学校でも成績良かったのかな。いや、なんで俺、こんなこと気にしてんだ。

昼休み、康太と弁当食ってると、納戸さんが近づいてきた。例のメモ帳を手に持ってる。

「臼木君、辛君、テスト勉強どうしてる?」


「いや、いつもギリギリ。家で教科書眺めるくらい。納戸さんは?」

俺が返すと、彼女はニコッと笑った。

「私、図書室で勉強するよ。前の学校でも、テスト前はよくこもってた」


(前の学校…

康太のいつもの目線がうるせえ)

「図書室か。静かでいいよな。俺も行ってみようかな」

つい口走ってしまった。納戸さんが目を細めて、

「ふーん、臼木君、勉強熱心だね。じゃ、放課後、図書室で一緒にどう?」

「え、一緒?」

「辛君も来る? 賢者ポジ、テストでも発揮?」

納戸さんが康太に振ると、こいつは胸張って答えた。

「俺? ラノベなら、図書室は知識系サブキャラの輝く場所だろ。行くぜ!」

「へえ、期待してるよ、賢者さん」


納戸さんがクスクス笑う。康太、完全に調子に乗ってる。

放課後、図書室に着くと、納戸さんがすでに奥のテーブルで参考書広げてる。青髪が蛍光灯に映えて、なんか浮世離れしてる。俺と康太は適当に席について、英語の単語帳を開いた。けど、ぶっちゃけ集中力ゼロ。納戸さんが参考書に何か書き込んでるのが気になる。あのメモ帳、また出してる。


俺はねえ、納戸さんと言いかけた。


「ただのメモだよ。臼木君、単語覚えた?」

「いや、まだ…。納戸さん、めっちゃ勉強してんな」

「前の学校で、テストで変なことあったから、ちょっと真剣なだけ」

変なこと? 康太が「ほら、来た」と小声で囁いてくる。黙れよ。


俺が聞くと、納戸さんは笑って誤魔化した。

「ん、大したことじゃないよ。ほら、勉強、勉強」

彼女の得意技だな、これ。康太が「ラノベなら、ここで過去のトラウマ回想」とか言い出しそうだったけど、俺の睨みで黙った。

しばらくすると、図書室にクラスの秀才、田中たなか 彩花あやかが入ってきた。メガネで真面目そうなやつ。納戸さんを見て、ちょっと驚いた顔。


「納戸さん、こんなとこで勉強? なんか意外」

「そう? 田中さん…だっけ?いつもここ?」

「まあ、テスト前はね。納戸さん、問題解くのめっちゃ速いよね。しかもさっきの漢字テスト、満点っぽかったし」


「まぐれだよ。田中さんこそ、頭いいよね」

「いやいや、普通だよ。ね、臼木君、辛君」

田中がこっちに振ってくる。俺は「そうかな」と適当に返す。


勉強再開して、ふと納戸さんの参考書に目がいく。ページの端に、メモ帳と同じ模様が走り書きされてる。円形に、星と鳥のマーク。なんだ、あれ。前の学校の「変なこと」と関係ある? いや、まさか。ファンタジー脳は康太だけでいい。

その時、納戸さんが参考書を閉じて、別の本を取り出した。前の古書店で買った『古の封印』だ。表紙のマーク、メモ帳とそっくり。彼女がパラパラめくると、なんか古い紙の匂いが漂ってきた。

「納戸さん、その本、テストに関係あんの?」

俺が聞くと、彼女は一瞬、目を細めた。

「ん、関係ないよ。ただ、好きだから。前の友達に教えてもらったやつ」

康太が「ラノベなら、その本は物語の鍵」とか言いそうだったけど、俺が足踏んで黙らせた。


図書室を出ると、夕陽が校舎を赤く染めてる。納戸さんが「じゃ、また」と手を振って先に帰った。青髪が風に揺れる後ろ姿、なんか映画みたいだ。



家に帰って、夕飯食いながら、納戸さんのことが頭から離れない。メモ帳の模様、古い本、前の学校の「変なこと」。告白の失敗、チャーム、青髪。普通じゃない何かがある。


テスト勉強してても、納戸さんの笑顔がチラつく。彼女の謎、ちょっと知りたいかも。いや、ダメだ。俺の普通な高校生活、こんなことで乱されちゃ困るぞ。






いつもの

・臼木 崚雅

・辛 康太

・納戸 瑠璃

・田中彩花

・高橋先輩(高橋 遼)

・その他先生達

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