絆の試練――終焉を待つ眠者と蒼穹の覇剣との戦い
ヴァンデル砦の最深部。
そこは静寂と闇が支配する複雑な構造の先にあり、ロード達の足音だけが響く漆黒の回廊の先にある。
広大な円形の広間に足を踏み入れたリシア・シルヴァーナは、胸の七つのカルマ
――傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食、色欲――
の痣が激しく脈打つのを感じた。
アルヴィン・シルヴァーナの存在がすぐそこにあるが、二つの相反する気配――重く淀むものと、鋭く威圧的なもの――が一行を包む。
シルフィードの刃には、炎、鎖、砂時計、金貨、牙、薔薇、王冠の七つの紋様が輝き、戦乙女たちの絆がその力を増していた。
リシアは戦乙女たち
――セレナ、ティナ、レイラ、ミリア、エリナ――
とロードたち
――クラウディア、ルーカス、ソフィア、バルクレイド、エリオット――
を見やり、決意を固める。
「エリオット様、ミリアさん、セラフィナを倒してくれてありがとう。
ガルド様とマリカさんがまだ追いついていないけど…アルヴィン様を救うため、次は私たちが戦うわ!」
ソフィア・ゴールドウェルが前に進み、鋭い視線で広間を見据える。
「リシア、この気配…怠惰と傲慢よ。
ガルド様の憤怒が怠惰に強いはずなのに…彼がいない今、私の強欲で戦うしかない。」
ティナが双短剣「グリードイーター・ツインファング」を構え、「ソフィア様、私が援護します!」と応じる。
リシアの胸の痣が共鳴し、シルフィードの砂時計と王冠の紋様が同時に輝く。
「怠惰と傲慢…円環の理では、ガルド様の憤怒が怠惰に強い。
でも、ソフィア様の強欲は憤怒に強いから…何か繋がりがあるはず!」
彼女はこれまでの戦いを思い出し、カルマの相性を推測する。
「ソフィア様、ティナさん、メインで戦って! 私たちはサポートに回るわ!」
広間の空気が重くなり、霧が渦を巻く。
中央に浮かぶ巨大な砂時計から、眠気を誘う波動が広がる。
同時に、天井から青い雷光が降り注ぎ、威圧的な気配が一行を圧迫する。霧の中から二つの姿が現れる。
暗いローブに身を包み、巨大な杖「ドリームシェード」を握る男――その瞳は怠惰の闇に沈み、額に砂時計型の痣が浮かぶ。
「我は怠惰の騎士、終焉を待つ眠者レオニス・スロウヴェイン。すべてが終わるまで、少しだけ眠らせてくれ。」彼の声は低く、意識を奪う響きを帯びる。
その隣には、蒼い甲冑に身を包み、巨大な剣「スカイソヴリン」を握る女騎士――その瞳は傲慢の光に輝き、額に王冠型の痣が浮かぶ。
「私は傲慢の騎士、蒼穹の覇剣アルセリア・ヴァン=アルクトス。私は天に選ばれし者――貴様らはただの塵だ。」彼女の声は鋭く、雷鳴のように響く。
レオニスとアルセリアが同時に動く。
レオニスの杖をかざす。
「時空封殺の惰眠」
空間が歪み一行の動きを鈍らせ、脱力と睡魔が一行を襲う。
そこにすかさず「覇王の雷撃!!」
アルセリアの剣から放たれる雷光の刃となって襲い掛かる。
リシアがシルフィードで「吹き上がる風の守護盾」被雷して防ぐが、眠気が彼女の身体を蝕む。
「この連携…! ガルド様の憤怒がないと、怠惰を抑えるのが難しい!」
ソフィアが叫ぶ。「リシア、私の強欲でレオニスの怠惰を乱すわ! ティナ、援護を!」ティナが双短剣を閃かせ、「グリードスラッシュ」でレオニスのミストを切り裂く。
だが、アルセリアの雷光が二人を押し返す。
「愚かな者ども! 私の傲慢の前で、貴様らの抵抗は無意味だ!」
一行は二人の連携攻撃に追い詰められる。
バルクレイドが鎌を振る。強欲の鎌の技「貪欲なる死神」で雷光を防ぐが、眠気に足を取られる。
クラウディアの鎖がレオニスを狙うが、アルセリアの剣に弾かれる。
エリオットとミリアが色欲のカルマでレオニスのミストを弱めようとするが、アルセリアの雷が容赦なく襲う。
リシアが叫ぶ。
「ソフィア様、ティナさん、円環の理を信じて! 強欲で怠惰を…!」
だが、ソフィアがレオニスの杖に弾かれ、ティナが雷光に吹き飛ばされる。
「ソフィア様!」リシアが駆け寄るが、眠気が彼女の視界を曇らせる。
二人の堕騎士の連携が5人のロード達翻弄する。広間の空気が重くなり、希望が薄れていく。
その時、広間の入口から灼熱の気配が響く。
「ハッ! こんなところでくそくらえの昼寝してる場合か!」ガルド・レッドフォージの声が轟く。
炎を纏った拳を握り、彼が広間に飛び込む。
マリカがその後ろに続き、弓「ブレイドゲイル・アルテミス」を構える。
「リシア、ソフィア様、遅れてすみませんでした! ガルド様の憤怒で、この怠惰を焼き尽くします!」
ソフィアが息を整え、微笑む。
「ガルド様、マリカさん…! 間に合った!」ティナが立ち上がる。
「ソフィア様、ガルド様と一緒にやります!」と双短剣を握る。
ガルドが吼える。
「レオニス、てめえの怠惰、俺の憤怒で叩き起こしてやる!」
彼の拳に炎が宿り、「炎の拳撃」がレオニスのミストを焼き払う。
マリカが矢を放ち、「ゴールドフレア」がレオニスの動きを封じる。
ソフィアが金の光を放ち、「ゴールドウェル・ノヴァ」でレオニスの杖を狙う。
ティナの「グリードイーター・ストライク」が続き、レオニスの痣に亀裂を走らせる。
アルセリアが剣を振り、「サンダークラウン」でガルドを狙う。
「無駄な抵抗だ! 私の傲慢は無敵だ!」だが、リシアがシルフィードを振り、「吹き上がる風の守護盾」で雷光を打ち消す。
「アルセリア、あなたの傲慢はアルヴィン様の絆で超えるわ!」
ガルドが叫ぶ。
「リシア、俺の憤怒でアルセリアもまとめて片付けるぜ!」
彼の拳がアルセリアに炸裂し、マリカの矢がその隙を突く。
リシアがシルフィードに傲慢のカルマを集中し、「嵐の裁き!」を放つ。嵐に飲まれるアルセリアの王冠の痣リシアはシルフィードで貫き、傲慢のカルマが砕ける。
レオニスが膝をつき、杖を落とす。「私の…眠りは…終わるのか…?」アルセリアも剣を落とし、「天に選ばれし私が…敗れる…?」二人の瞳から光が消え、静かな輝きが宿る。
レオニスが呟く。「かつて…民を守るために戦った…ありがとう…。」
アルセリアが続ける。「私の誇り…取り戻した…。」
二人の身体は砂と雷光となり、霧に溶けた。
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ガルドが拳を鳴らし、笑う。
「ハハッ! やっと追いついたぜ! リシア、ソフィア、よく耐えたな!」
マリカが弓を下ろし、「ガルド様の憤怒と皆の絆…これが円環の理を活かしたんです。」
ソフィアがティナに頷く。
「ガルド様の憤怒が怠惰に効き、リシアの傲慢がアルセリアを倒した…円環の理、もっとわかってきたわ。」
リシアがシルフィードを握る。
「ガルド様、マリカさん、ありがとう。あなたの憤怒がなかったら、私たちは…。円環の理、また一つわかった。憤怒が怠惰に、傲慢が色欲に強い…この法則で、ギルバートを倒す!」
バルクレイドが鎌を振り、「リシア、俺の暴食で次の敵を喰らい尽くすぜ!」クラウディアが鎖を握り、「リシア、絆と相性でアルヴィン様を救うわ!」一行は霧を突き進み、ヴァンデル砦の最奥へ向かう。
リシアの心に、アルヴィンの声が響く。(リシア、俺の戦乙女…お前の絆とその法則が、俺を救う)




