表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バトル・メイド・サーヴァント~銀の召喚とカルマのスティグマ  作者: 黒船雷光
第二章:真・ロード大戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/18

絆の試練――終焉を待つ眠者と蒼穹の覇剣との戦い

 ヴァンデル砦の最深部。

 そこは静寂と闇が支配する複雑な構造の先にあり、ロード達の足音だけが響く漆黒の回廊の先にある。


広大な円形の広間に足を踏み入れたリシア・シルヴァーナは、胸の七つのカルマ

――傲慢(スーペルビア)憤怒(イーラ)嫉妬(インヴィディア)怠惰(アケディア)強欲(アヴァリティア)暴食(グラ)色欲(ルクスリア)――

(スティグマ)が激しく脈打つのを感じた。


 アルヴィン・シルヴァーナの存在がすぐそこにあるが、二つの相反する気配――重く淀むものと、鋭く威圧的なもの――が一行を包む。

 シルフィードの刃には、炎、鎖、砂時計、金貨、牙、薔薇、王冠の七つの紋様が輝き、戦乙女たちの絆がその力を増していた。


 リシアは戦乙女たち

――セレナ、ティナ、レイラ、ミリア、エリナ――

とロードたち

――クラウディア、ルーカス、ソフィア、バルクレイド、エリオット――

を見やり、決意を固める。


「エリオット様、ミリアさん、セラフィナを倒してくれてありがとう。

ガルド様とマリカさんがまだ追いついていないけど…アルヴィン様を救うため、次は私たちが戦うわ!」


 ソフィア・ゴールドウェルが前に進み、鋭い視線で広間を見据える。

「リシア、この気配…怠惰(アケディア)傲慢(スーペルビア)よ。

ガルド様の憤怒(イーラ)怠惰(アケディア)に強いはずなのに…彼がいない今、私の強欲(アヴァリティア)で戦うしかない。」

 ティナが双短剣「グリードイーター・ツインファング」を構え、「ソフィア様、私が援護します!」と応じる。


 リシアの胸の痣が共鳴し、シルフィードの砂時計と王冠の紋様が同時に輝く。

怠惰(アケディア)傲慢(スーペルビア)…円環の理では、ガルド様の憤怒(イーラ)怠惰(アケディア)に強い。

 でも、ソフィア様の強欲(アヴァリティア)憤怒(イーラ)に強いから…何か繋がりがあるはず!」

 彼女はこれまでの戦いを思い出し、カルマの相性を推測する。

「ソフィア様、ティナさん、メインで戦って! 私たちはサポートに回るわ!」


 広間の空気が重くなり、霧が渦を巻く。

 中央に浮かぶ巨大な砂時計から、眠気を誘う波動が広がる。

 同時に、天井から青い雷光が降り注ぎ、威圧的な気配が一行を圧迫する。霧の中から二つの姿が現れる。


 暗いローブに身を包み、巨大な杖「ドリームシェード」を握る男――その瞳は怠惰(アケディア)の闇に沈み、額に砂時計型の(スティグマ)が浮かぶ。


「我は怠惰(アケディア)の騎士、終焉(しゅうえん)を待つ眠者レオニス・スロウヴェイン。すべてが終わるまで、少しだけ眠らせてくれ。」彼の声は低く、意識を奪う響きを帯びる。


 その隣には、蒼い甲冑に身を包み、巨大な剣「スカイソヴリン」を握る女騎士――その瞳は傲慢(スーペルビア)の光に輝き、額に王冠型の痣が浮かぶ。

「私は傲慢(スーペルビア)の騎士、蒼穹(そうきゅう)の覇剣アルセリア・ヴァン=アルクトス。私は天に選ばれし者――貴様らはただの(ちり)だ。」彼女の声は鋭く、雷鳴のように響く。


 レオニスとアルセリアが同時に動く。

 レオニスの杖をかざす。

時空封殺(ソムニアル・)の惰眠(クロノシール)

 空間が歪み一行の動きを鈍らせ、脱力と睡魔が一行を襲う。

そこにすかさず「覇王の雷撃(レガリア・ヴォルト)!!」

アルセリアの剣から放たれる雷光の刃となって襲い掛かる。


 リシアがシルフィードで「吹き上がる(イージス・オブ・)風の(アップリフテッド)守護盾(・ゲイル)」被雷して防ぐが、眠気が彼女の身体を蝕む。

「この連携…! ガルド様の憤怒(イーラ)がないと、怠惰(アケディア)を抑えるのが難しい!」


 ソフィアが叫ぶ。「リシア、私の強欲(アヴァリティア)でレオニスの怠惰(アケディア)を乱すわ! ティナ、援護を!」ティナが双短剣を閃かせ、「グリードスラッシュ」でレオニスのミストを切り裂く。

 だが、アルセリアの雷光が二人を押し返す。

「愚かな者ども! 私の傲慢(スーペルビア)の前で、貴様らの抵抗は無意味だ!」


 一行は二人の連携攻撃に追い詰められる。


 バルクレイドが鎌を振る。強欲の鎌の技「貪欲なる死神(グリードリーパー)」で雷光を防ぐが、眠気に足を取られる。

 クラウディアの鎖がレオニスを狙うが、アルセリアの剣に弾かれる。

 エリオットとミリアが色欲のカルマでレオニスのミストを弱めようとするが、アルセリアの雷が容赦なく襲う。


 リシアが叫ぶ。

「ソフィア様、ティナさん、円環の理を信じて! 強欲(アヴァリティア)怠惰(アケディア)を…!」

 だが、ソフィアがレオニスの杖に弾かれ、ティナが雷光に吹き飛ばされる。

「ソフィア様!」リシアが駆け寄るが、眠気が彼女の視界を曇らせる。

 二人の堕騎士の連携が5人のロード達翻弄する。広間の空気が重くなり、希望が薄れていく。


 


 その時、広間の入口から灼熱の気配が響く。

「ハッ! こんなところでくそくらえの昼寝してる場合か!」ガルド・レッドフォージの声が轟く。


 炎を纏った拳を握り、彼が広間に飛び込む。

 マリカがその後ろに続き、弓「ブレイドゲイル・アルテミス」を構える。

「リシア、ソフィア様、遅れてすみませんでした! ガルド様の憤怒(イーラ)で、この怠惰(アケディア)を焼き尽くします!」


 ソフィアが息を整え、微笑む。

「ガルド様、マリカさん…! 間に合った!」ティナが立ち上がる。

「ソフィア様、ガルド様と一緒にやります!」と双短剣を握る。


 ガルドが吼える。

「レオニス、てめえの怠惰(アケディア)、俺の憤怒(イーラ)で叩き起こしてやる!」

彼の拳に炎が宿り、「炎の(ブレイズ・)拳撃(インパクト)」がレオニスのミストを焼き払う。


マリカが矢を放ち、「ゴールドフレア」がレオニスの動きを封じる。

ソフィアが金の光を放ち、「ゴールドウェル・ノヴァ」でレオニスの杖を狙う。

ティナの「グリードイーター・ストライク」が続き、レオニスの痣に亀裂を走らせる。


 アルセリアが剣を振り、「サンダークラウン」でガルドを狙う。

「無駄な抵抗だ! 私の傲慢(スーペルビア)は無敵だ!」だが、リシアがシルフィードを振り、「吹き上がる(イージス・オブ・)風の(アップリフテッド)守護盾(・ゲイル)」で雷光を打ち消す。

「アルセリア、あなたの傲慢(スーペルビア)はアルヴィン様の絆で超えるわ!」


 ガルドが叫ぶ。

「リシア、俺の憤怒(イーラ)でアルセリアもまとめて片付けるぜ!」

 彼の拳がアルセリアに炸裂し、マリカの矢がその隙を突く。

 リシアがシルフィードに傲慢(スーペルビア)のカルマを集中し、「嵐の(ジャッジメント)裁き!(・テンペスト)」を放つ。嵐に飲まれるアルセリアの王冠の痣リシアはシルフィードで貫き、傲慢(スーペルビア)のカルマが砕ける。


 レオニスが膝をつき、杖を落とす。「私の…眠りは…終わるのか…?」アルセリアも剣を落とし、「天に選ばれし私が…敗れる…?」二人の瞳から光が消え、静かな輝きが宿る。


 レオニスが呟く。「かつて…民を守るために戦った…ありがとう…。」

 アルセリアが続ける。「私の誇り…取り戻した…。」


 二人の身体は砂と雷光となり、霧に溶けた。


 ---


 ガルドが拳を鳴らし、笑う。

「ハハッ! やっと追いついたぜ! リシア、ソフィア、よく耐えたな!」

マリカが弓を下ろし、「ガルド様の憤怒(イーラ)と皆の絆…これが円環の理を活かしたんです。」


 ソフィアがティナに頷く。

「ガルド様の憤怒(イーラ)怠惰(アケディア)に効き、リシアの傲慢(スーペルビア)がアルセリアを倒した…円環の理、もっとわかってきたわ。」


 リシアがシルフィードを握る。

「ガルド様、マリカさん、ありがとう。あなたの憤怒(イーラ)がなかったら、私たちは…。円環の理、また一つわかった。憤怒(イーラ)怠惰(アケディア)に、傲慢(スーペルビア)が色欲に強い…この法則で、ギルバートを倒す!」


 バルクレイドが鎌を振り、「リシア、俺の暴食(グラ)で次の敵を喰らい尽くすぜ!」クラウディアが鎖を握り、「リシア、絆と相性でアルヴィン様を救うわ!」一行は霧を突き進み、ヴァンデル砦の最奥へ向かう。


 リシアの心に、アルヴィンの声が響く。(リシア、俺の戦乙女…お前の絆とその法則が、俺を救う)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ