侮るなかれ
「みなさん、お騒がせいたしましたわ
こちらの方々が勇者様一行でございます
私もお供させていただいておりました」
再会後、ココの謝罪や勇者の告白からのあれこれがありました
そのため互いに自己紹介がまだだったのでローラが紹介を始めます
「えっと、勇者のライトです・・・」
先程の一件により気まずそうに名乗るライト
「魔法使いのココです・・・」
同じくココも気まずそうに名乗ります
「ローラ、離れてくれない?」
「イヤですわ、やっと再会できたのですもの」
ココの腕に腕を絡ませ横に引っ付いているローラ
「俺は戦士のバルクだ、よろしく」
「俺は武道家のドラン」
「私は賢者のロレンスと言います」
「私はローラ・ルーラですわ♪」
「あんたは紹介必要ないでしょ!」
この場の全員が知っていますよという顔をする
「ではこちらの方々の紹介ですわね」
(やっと離れた)
ココから離れて館メンバーのところへ戻るローラ
「こちらはSランクパーティー・ジェネラスの方々ですわ」
「私は闘士のカナン」
「私は剣士のアイリーンだ」
「私は魔導士のフェリスと言います」
「えっと、わたしはメルです」
「こんな小さい子がメンバーなのか?」
勇者一行は驚きます
「メルは少し特殊でね、気にしないでくれ」
「カナンさん、それでも子供を危険な冒険に連れて行くのはどうかと」
ロレンスが心配します
「わたしが頼んで連れて来てもらったんです賢者様」
「ああ、護衛なのですねジェネラスの方々は」
「違うぞ賢者、メルちゃんは立派にメンバーの一人だ」
少しムッときたアイリーンが反論する
「そうは言ってもその子に力なんてないだろ」
ドランが呆れながら言い返す
「ちょっとドランさん、ケンカ腰はいけませんよ」
「でもよおロレンスさん」
「ようし、なら実力を見せてやれメルちゃん」
「ちょっとアイリーンさんも落ち着いてよ」
メルはアイリーンを止めようと焦ります
「あら、いいのではないですか?
その方がお互い納得できると思いますわ」
「お姫様まで!?」
メルはわたわたしながらジャンヌの方を見ます
「やっちゃえ♪」
「ジャンヌお姉さーーーん!」
笑顔で親指を立てるジャンヌでした
「じゃ武道家のあんた、メルちゃんが真っ直ぐ殴るから受け止めろよ
それでどのぐらい強いかぐらいわかるでしょ武道家なんだから」
(この剣士の女、生意気だな!)
「わかった、ほらいつでもこい」
受け止める構えをとるドラン
ロレンスはもう止めるのを諦めました
(まあ私も強いとは思えませんから)
「えっと、やらなきゃダメなの?」
「そうだな、私も仲間の実力を軽く見られることは気に入らない
ましてや私たちが鍛え上げたんだ、私たちの実力も侮られたことにもなる」
「そうね、アイリーンの無茶振りは問題あるけど私も少し悔しいわ」
カナンとフェリスも気持ちはアイリーンと同じでした
仲間を侮られること、メルもそれはイヤだなと思いました
「うん、やります」
メルはドランから少しだけ距離を取ります
「なんだ? 助走つけて少しでも威力を上げようってことか」
(やっぱ子供だな)
「行きます!」 ドンッ!
床を蹴り一瞬で間合いを詰める
そのまままっすぐ全力の拳を撃ち込むメル
(瞬歩だとっ!)
ズドバンッ!
両手を前に出しメルの拳を受け止めるドラン
腰を落とし両足をしっかりと踏ん張ります
「うおおっ!?」
バァンッ!
両手が弾き飛ばされドランの身体がそのままの体勢で館の扉まで押し込まれる
背中が扉に当たって止まり、ずるずると身体が落ちて座り込む
(なんだこの威力、手が痺れて感覚がねぇ・・・)
「残念、私は庭まで飛んでいくと思ってたんだけどな」 とアイリーン
「あの程度で済むとはさすが勇者メンバーだけはあるな」 とカナン
瞬歩を見た瞬間に本気で受け止める体勢に切り替えたドラン
できていなければ庭どころか森まで飛ばされていたことでしょう
その瞬間の判断ができるからこその勇者メンバーなのです
「あ、あの、大丈夫ですか、ごめんなさい」
メルが心配そうにドランに謝る
「これぐらい大丈夫だ、心配すんな」
ぴょんっと飛び起きるドラン
手を少し振って痺れをとる
「やるじゃねぇか、悪かったな侮って」
「は、はい」
わしゃわしゃとメルの頭をなでるドラン
「あー! ずるいぞ! メルちゃんの頭なでなでは有料だー!」
「バカリーン、黙ってろ!」
ボカリとゲンコツをくらうアイリーンでした
「子供なのになんでそんなに強いんだ嬢ちゃん」
「えっと、それは・・・」
竜の血の加護のことを言っていいのか迷うメル
「メルちゃんはな、赤き竜の血の加護があるからさ!」
ドヤ顔でバラすアイリーン
もはや殴ることすら諦めて頭を抱えるカナン
「竜の血? 竜って実在したのか?」
「してるぞ」
ジャンヌが答えます
(ジャンヌ様がバラすなら仕方がないわね)
フェリスも諦め顔になります
「へえ、すげえな嬢ちゃん」
「えっと、嬢ちゃんじゃなくてメルって呼んでください」
「おう、そうだなわりぃメル」
「メルちゃん、私とは態度違うぅ~・・・」
ドランに取られたような気分になり悔しがるアイリーンでしたとさ




