怒りの聖王女
天使のような笑顔でライトに微笑むローラ
だがその目の奥は笑っていなかった
ローラの聖魔力は感情によって増幅される
現在とてつもなくご立腹、怒っていらっしゃる
そのせいで聖魔力が増幅されて周囲へ爆散されているのです
その影響で地鳴りが起きたということです
「あのとき我が諦めたことを怒ったのだな
その怒りの魔力で我の心臓がキュッとなったのだ」
「ローラ様が森を歩いていても魔物や魔獣に襲われなかった
この強力な聖魔力が近寄らせなかったということなのですね」
ジャンヌとリナがこれまでのことに納得する
「ごめんなさい皆様、少々制御が出来かねます」
笑顔はそのままでライト以外に謝罪するローラ
「私が怒っているのは勇者様にだけですわ♪」 ニッコリ
さらに魔力圧が増します
「ロ、ローラ様? 一体何を怒って・・・」
ライトがローラに近寄れなかったのは気圧されていたからです
今もその魔力圧に気圧されて身動きができなくなっています
「場の空気を読まず告白したことを怒っているのですか?
たしかに身勝手でしたね、申し訳ありません
ですが本心です、国に帰ったら改めて求婚いたします
なので今は怒りをおさめていただけないでしょうか」
≪≪≪ ドドンッ!! ≫≫≫
「うぐっ!」
さらに増幅した魔力圧がライトに直撃する
「勇者様、見損ないましたわ」
「ローラ様?」
「まさか勇者様ともあろうお方がこのような不義理をするとは」
「不義理?」
「不道徳、裏切り行為、不埒とも言えますわね」
「えええっ!?」
なぜそんなことを言うのか、なぜ怒っているのか
まったくわからないライトでした
もちろん他の者たちもわかっていません
告白をしただけなのになぜここまで怒るのか
嫌なら普通に断ればいいだけである
「ローラ様、お願いですから理由を教えて下さい!」
「・・・理由がわからない? どこまでも最低な方なのですね」
「さ、最低って、酷くないですか?」
はあ、とため息をつくローラ
「よろしいですわ、お教え致しましょう」
笑顔はおさまりましたが下衆を見る目でライトを見据えるローラ
(あんなローラ様初めて見た) とリナは思いました
「恋人がいらっしゃるのに私に告白するなど最低でございます」
「え? 恋人?」
(え、ライトに恋人がいたの?) ココは動揺します
「とても仲睦まじく素敵だと思っていましたのに最低ですわ
恋人がいるのに私に告白するなど不義理もいいとこです」
「待ってくれローラ様、俺に恋人なんていませんよ!」
『はあ?』 ≪≪≪ ドバンッ! ≫≫≫
「ぐあっ!」
怒りの波動がライトを貫く
「どこまでも酷いお方ですね勇者様」
「ぐぐ、本当に意味がわかりません」
「恋人の見ている前で告白するのも許せませんが
恋人のいる場でその恋人を否定するとは何事ですかっ!」
「んんっ!???」
恋人が見ている、ということはこの場に恋人がいるということ
ライトはまさかと思った、いや勇者一行全員が思いました
「あの、もしかして・・・」
「わたしのこと?」
ライトとココがローラに恐る恐る確認する
「そうですわよ、ココさんまでなぜ確認するのですか?」
「「ええっ!?」」
(わたし、いつライトの恋人になれてたの? え? えぇ~っ?)
困惑するココ
「ローラ様、俺たち恋人じゃないですよ?」
「まだそんなことを、ってココさん、本当ですの?」
「えっと、うん、違うよ」
静寂、そしてローラ熟考
「あら? 本当に恋人同士ではないのですか?」
「はい」「うん」
ローラは首をかしげる、そしてニッコリ微笑む(魔力圧なし)
「どうやら私の思い違いだったようですわね
皆様、お騒がせしましてごめんなさい♪」
笑ってごまかせることではありませんがスルーする一同
「なぜ俺とココが恋人だと思ったのですか?」
「お二人とも仲睦まじかったでしたしお似合いでしたもの」
(ローラにはそう見えていたんだ) と照れるココ
「幼なじみですし家族同然でしたから仲は良いですけど」
「ですがココさんは勇者様のことを愛していますわよ?」
「ぎゃあーっ!? なにバラしてんのよこのバカ!」
「あらごめんなさい♪」
「ちょ、ココ、不敬だぞ! って本当なのか?」
真っ赤になるココ
ココの気持ちを知って少し照れるライト
「ごめんココ、それでも俺はローラ様を」
「わかってるわよ・・・」
「ローラ様、俺の気持ちは変わりません
改めて求婚いたします、俺の伴侶になって下さい」
ライトは再度跪き右手を差し出す
「お断りしますわ♪」 ニッコリ
満面の笑顔でお断りするローラ
「やっぱりあのときローラ様を守りきれなかったからですか?」
「いいえ、そういうことではなく勇者様は勇者様なのです
私の伴侶の対象外なのでございます」
「それって」
「はい、私にとって勇者様は魔王討伐の仲間であり友人の一人
婚約者候補の対象としては一切見れません」
きっぱりと恋愛対象外であることを突きつけられるライト
「それに大事な親友の想い人ですもの
私はココさんの恋を応援いたしますわ♪」
「だから言うなあっ!」
真っ赤になってローラに叫ぶココ
「あらあらココさんってば照れていますのね♪」
「むきー!」
ローラとココがじゃれあっている横でライトはがっくり膝を折る
周囲の者たちは不憫なライトにちょっぴり同情しましたとさ
あけましておめでとうございます、今年もお読みいただけるよう頑張ります
昨年の今日、元旦に始まった本作も丸一年経ちました、早いものです
怒りのローラ様からスタートとなりました(笑)
まったり感がないお話なのにまったり魔境ライフとはこれいかに
そんな物語ですがお楽しみいただければ感謝感激でございます




