勇者一行との再会
館に辿り着き扉を開く勇者ライト
ローラがそこにいたことに心が昂る
「ローラ様!」
「勇者様?」
「無事だったかローラ様」
「ローラ様が無事で良かった」
「ドランさんにバルクさん」
「ご無事でなによりですローラ様」
「賢者様」
「良かった、本当に、無事で良かった、、、」
「ココさん」
ローラの無事に安堵する勇者一行
生きてくれていたと魔法使いココは涙を流す
「お迎えに上がりましたローラ様」
「皆様、私のためにここまで、、、」
シュナイダーたちはローラを探しに来た勇者たちだと察しました
警戒態勢を解き威嚇の圧も消します
ローラは勇者たちのもとへ駆け寄ります
ライトはやっと会えたと両手を広げます
もう絶対に失わないと心に誓って抱きしめようとします
「ローラ様!」
「ココさんっ!」
「え?」
ライトではなくココに抱きつくローラ
恥ずかしそうに広げた両手をそっと下ろすライト
まさか自分に抱きついてくるとは思わなかったココ
「ココさん、皆様、ご無事だったのですね
あの戦いで私だけ離脱したのでとても心配しておりました」
「心配したのは私たちの方ですよローラ様」
苦笑する賢者ロレンス
「そうでしたのね、ごめんなさい」
「あの、ローラ様、なんでわたしに抱きつくの?」
「そんなの決まっていますわ」
ローラは満面の笑みでココに答えます
「大切な親友が無事だったのが嬉しかったのですもの♪」
「親友・・・」
ココはとても気まずい気持ちでいっぱいです
ローラを嫌って嫉妬していた自分を親友と呼んでくれる
なんとも言えない気持ちになりました
「そうですわ、私ココさんに謝らないといけませんわ」
「へ?」
謝罪すべきは自分の方なのになぜとココは思いました
「私を転移させるとき私に怒っていらしたでしょう?
理由はわかりませんが私に不徳があったからなのですよね
知らないうちにココさんを傷つけていたのですね
謝罪致しますわ、ココさん、ごめんなさい」
ココから離れて深く頭を下げるローラ
「ココさん、これからも仲良くして下さいませね♪」
ポカンとする勇者一行
「ローラ様、こいつはわざと飛ばしたんだぜ!
なんでローラ様が謝るんだよ!」
武道家ドランが声を荒げる
「まあドランさん、いきなり大声を出されるとビックリ致しますわ」
「わりぃ、でもなんでだよ」
「わざとなのですか? でもそれは私が怒らせたからでしょう?」
「いくら怒ったからといってもやり過ぎでしょうローラ様」
戦士バルクが呆れる
「それだけ私がココさんを激怒させてしまったからだと思いますわ」
ニッコリ微笑むローラに一行は毒気を抜かれる
「ココ、ローラ様に謝るんだろ」
「うん」
ココはローラに向き合う
「ローラ様、みんなの言うようにわたしはわざと転移させました
だから謝るべきはわたしの方です、ローラ様は悪くありません
無事でいてくれて嬉しいです、本当にごめんなさい」
深く深く頭を下げるココ、その足元に涙が落ちる
「ココさん頭を上げて、きっと行き違いがあったのですわ
わかりました、謝罪を受け入れます」
「ありがとうございます、、、」
それでも頭を上げないココ
「困りましたわね、私は仲直りしたいのですよ」
そう言ってココを再び抱きしめるローラ
「こんなことで親友を失いたくありませんわ
謝るのをやめてくれるまで離しませんわよ♪」
「ローラ様・・・」
ローラがなぜこんな自分を親友と言ってくれるのかわからないココ
これまで嫉妬心にかられて嫌っていた自分を恥ずかしく思うのでした
(これが、聖王女というものなのね)
「わかりました、でもあと一回だけ
本当に申し訳ありませんでしたローラ様」
「はい、これでこのお話しはおしまいですわね♪」
右手を差し出し握手を求めるローラ
ココは少しだけ躊躇しますがその手を取ります
「よかったなココ」
「うん」
ライトがポンと軽く背中を叩く
「ところでココさん、どうして様付けや敬語なのですか?
いつものように遠慮なく話して下さいな」
「そ、それは、だって、、、」
「いつものように? いつも敬語でしたよココは」
口ごもるココ
首をかしげるライト
「ああ、そうでしたわね、ごめんなさい
あの口調は私と二人きりのときだけでしたわ
ふふ、久しぶり過ぎて忘れていましたわ♪」
照れ笑いするローラ
「二人きりのときってどんな口調だったんだ?」
ドランがココを見ます
「えっと、それは、、、」
「私のことはローラと呼び捨てでしたわよ
たまにあんたとかバカとか言われたこともありましたわ
遠慮のない話し方で接して下さっていましたの」
「ココお前、とてつもなく不敬だぞ」
呆れた目でココを見るドラン
いたたまれなく下を向くココ
「私にはそれがとても嬉しいのですドランさん
王宮でも街でも勇者様一行の皆様も私を敬って下さいます
それが聖女であり王女でもある私への接し方だというのも理解していますわ
ですが私とて一人の人間、それが淋しくも思うのです
そんな中、ココさんは私を聖王女ではなく対等に接してくれていました
ですから私にとってココさんは大切な親友なのです」
多くの民や貴族からも慕われている聖王女ローラ
尊敬や憧れの対象として誰もが敬意をもって接します
ココも他の者がいる場面では敬語でした
しかし二人きりのときは平民目線で対等に接していたのです
ローラが遅れて歩いていたら 「さっさと来なさいよノロマ!」
ローラがのほほんと変な歌を歌っていたら 「なにそれ変なの」
ローラが魔法に変な名称をすすめたら 「ぜっったい言わないわよバカ!」
などなど、不敬極まりない態度でしたがローラは嬉しかったのです
ココにとっては恋敵、だからそのような態度だった
けれどローラにとっては一人の人間として対等に扱われていると思ったのです
ココ以外の者は全員一線を引いて接していたため余計にそう思うローラでした
(嫉妬に狂って不躾になっていただけなのに)
これまでの自分を恥じるココでした
こんな自分がローラの親友であっていいものなのか
もちろん良くはないとココは思います
それでもこれからはローラの気持ちに応えようと思いました
「こんなわたしを親友と言って下さりありがとうございます
これからは心を入れ替えてローラ様に尽くします」
右腕を胸の前に掲げ臣下の礼をとるココ
「でも二人きりのときはいつもどおりでお願いしますわよ♪」
「いえ、さすがにそれはもう」
「ダメです! ココさんにまで一線を引かれては悲しいですわ」 シクシク
「うう~・・・」
「ほらほら、いつものように仰って下さいな♪」
「もう! わかったわよ! このわがまま王女っ!」
「うふふ♪」
満面の笑顔で喜ぶローラでしたとさ




