その扉の先に
「さて、これで一通りのお話しは片付きましたわね
あとはこれからのことについてですわね」
リナを守るために来たアインツェルゲンガー
主従契約は解除しましたが親しき友として守ることにしました
ジャンヌを探していたメルたち
再会できて喜んだジャンヌとメル
ジャンヌへの謝罪を済ませたフェリスたち
「私はリナを元の国へ連れ帰らなければならない
ニコルと約束しているからな」
「ニコル様と会ったのですか?」
「ああ、リナを探していた
命懸けでリナを助けようと覚悟をしていた」
「ニコル様・・・」
自分を探してくれていたことを嬉しく思うリナ
領主様とイルザにも無事てあることを伝えたいと思いました
「わたしはジャンヌお姉さんと帰りたいよ」
「メル」
メルはジャンヌの裾を軽く引っ張ります
「私たちも陛下のもとへお連れするように命を受けています」
「陛下たちも謝罪したいので是非来ていただきたい」
フェリスとカナンもジャンヌに帰って欲しいとお願いします
「リナ、待っている方がいるのなら帰りなさい」
「ローラ様、でも・・・」
帰りたい気持ちとローラを残していけない気持ちで葛藤するリナ
「我はまだレイアルに必要なのか?」
「もちろんです」
レイアルには王国時代から1200年暮らしていました
最初の友達のいた国、愛した者のいた国、帰りたくないわけがありません
(どうしましょう・・・)
リナとジャンヌ、それぞれを探してここまで来た者たち
その者たちの想いは理解しています
それぞれの大切な場所へ帰してあげたい
しかし魔王セラフィムの封印を解くために残って欲しい
アネラはとても迷います
「ときにアイン様」
「なんだシュナイダー」
「この気配、気づいておられますかな」
「もちろんだ」
「それなら我も気づいてるぞ」
アインとシュナイダー、そしてジャンヌ
三人は館へ近づいている者の気配を感じ取っていました
「ああ、たしかに何者かの気配はかすかに感じますね」
「そうだね、でもアインたちよりは強くないね」
カナンとアイリーンも気づいていました
「出迎えるとするか」
アインたちは談話室からエントランスホールへ出ます
「来たようだ」
アインがそういうと館の扉が開きます
数時間前、シェアルド大陸北東の海岸に一艘の船が着きました
「なんか街も村もなさそうな大陸だな」
「山と森林ばかりだしな」
周辺を見渡す武道家ドランと戦士バルク
「ローラ様はこんなところに飛ばされたのか」
王女が一人で過ごすには厳しそうな環境
勇者ライトは不安になります
「とりあえずあの山の頂上へ行きましょう」
高い所から見渡すことを提案する賢者ロレンス
どこかに人が過ごせそうな場所があるかも知れません
全体を見渡して探すポイントを絞り込むためです
(ローラ様、こんなところで無事なのかな)
魔法使いココは自身のしたことに後悔と絶望感を覚えます
嫉妬心からこんな場所へ飛ばしてしまったこと
無事ではないかも知れないと心が痛みます
それでも無事であってほしいと願いました
「私も行っていいかい、実家の位置を確認したい」
「構いませんよ、もしかしたらその家にいるかも知れませんし」
船に乗せてくれたビアンカも同行します
(こんな場所で王女のローラ様が無事なわけがない)
ビアンカはライトたちに見えないようにほくそ笑む
ビアンカ、その正体は隠密ルージュ
ルーラ国第一王女パール・ルーラの隠密です
(あとはローラ様を探すのに集中しているこいつらを殺すだけだ)
それぞれの思いを胸に山を登ります
頂上へ着いて大陸を見渡します
大陸全土は無理ですが中央までは確認できました
「あそこに建物があるぞ」
バルクが指差します
中央あたりにポツンと館が小さく見えました
「わかりづらいがたしかにあるな」
ドランが目を細めて確認します
(ちっ、住める場所があったのか)
ローラが生きている可能性が出てきました
生死がわかるまでは一行を始末することを保留にしました
「ビアンカさん、実家ってあれですか?」
「大陸の真ん中あたりとは聞いていたからね、おそらくそうだよ」
話を合わせるルージュ
「すぐにあの館へ向かおう!」
ライトは早くローラの無事を確認したくて気が急いています
「落ち着いて下さいライトくん」
「すみませんつい」
ライトを落ち着かせるロレンス
もちろんロレンスたちも早くローラの無事を確認したいのです
それでも館までは距離があります
魔物や魔獣もいるでしょう
未開の地で焦りは禁物です
慎重かつ迅速に館へ向かうことにします
戦闘をなるべく避けるように進みます
そしてようやく館の手前の森に入りました
館が近づくにつれて一行はその気配に気づきます
「なあ、なんかヤバい気配がするんだが」
ドランが不安気に言います
「わかっているが行くしかないだろう」
バルクも館からする気配に気づいていました
(なんだこの気配は、何がいるのだあの館には)
ルージュもその気配に恐れを感じました
「少し確認してみます」
館の庭が見えるところまで来ました
ロレンスが<探知>で館を探ります
「館の中に10人います」
「ローラ様は?」
「さすがに特定はできませんよライトくん」
「やべえ、こんだけ近かったらわかるぜ」
「ああ、とんでもなく強い力を持った奴が数人いる」
ドランとバルクが冷や汗をかく
「魔力量が高い人が多いです」
ココも自身より遥かに高い魔力量に圧倒されています
「そうだココ、聖魔力の高い人がいるかわかるか?」
「ライト? あ、そうか!」
ココは集中して聖魔力を感じ取ろうとします
「・・・いた、いるわ!」
ココはその高い聖魔力に喜びます
「きっと、ううん、絶対にローラ様よ!」
ココの言葉に一行は笑顔を取り戻します
圧倒的な強い力の気配への怯えは吹き飛びました
館の扉の前まで来ました
「どうやら出迎えてくれるようだ」
中の者たちがエントランスホールに集まっていることを感じ取ります
強い気配がこちらを警戒していることにも気づきます
それでも行くしかありません
「開けます」
(この扉の先にローラ様が・・・)
ライトは慎重に扉を開ける
もしかしたら悪い奴らのアジトかも知れない
そしてローラが捕まっているのかも知れない
気は急くが冷静に動こうとします
冒険者のような三人の女たち
双剣を帯剣している執事と法衣のような服を着た長身の男
大きいメイドと小さいメイドと軽装備の平民の少女
一番奥に黒衣の少女と白いドレスの少女
その白いドレスの少女を見て一行は安堵する
「ローラ様!」




