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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 3

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86/103

永き旅路の始まり

邪神シュランゲは女神ルミナスとその家族によって倒されました

デモニッソスの民たちは女神とその家族への忠誠を誓います


「救いの手が遅くなってしまったため犠牲者が出ましたね」

「仕方がありません」


ルミナスが遅れたことに憂います


「・・・やはりこのままというわけにはいきません」


ルミナスは天へ両手を掲げて祈ります

まばゆい黄金の光が大陸中に広がります


「これは・・・」


光が消えると邪神との戦いで死んだ者たちが生き返りました


「ああ、なんと、ありがとうございますルミナス様・・・」


デモニッソスの民たちは涙して喜びました

ただルミナスの娘ソレイユと伴侶ヴァリアントだけは浮かない顔をします

よいのですよとルミナスは微笑む


そしてルミナスは神界へ帰ります

ソレイユとヴァリアントも故郷へ帰ります

代表としてアインツェルゲンガーが二人に仕えます


残った者たちは自由に生きるようにとアインツェルゲンガーが命じます

それでも民たちは女神とその家族たちへの恩義を忘れません

なにかあれば動くことを心に誓っていました






ソレイユの従者として行動を共にするアインツェルゲンガー

ソレイユは冒険者活動をしていたので冒険者登録もしました

ヴァリアントも含めて三人パーティーで活動します


数年後、パーティーに一人加わります

さらに数年後、その一人とソレイユが結婚します

それから二年後、パーティーは解散することになります

ソレイユに子供ができたため引退することにしたのです


ソレイユの夫とヴァリアントはそれぞれソロで冒険者を続けます

アインツェルゲンガーはソレイユとその子供を守るため屋敷に残ります

ヴァリアントからの頼みでもあっため了承しました

ソレイユと子供を護衛する日々が続きます


また数年後、ヴァリアントが引退します

その一年後、ヴァリアントは息を引き取りました


「アインよ、我が子と孫たちをこれからも頼む」

「任せてくれ、貴方は安心して眠って下さい」


改めて女神の家族を守ることを誓うアインツェルゲンガーでした


その後、数年が経ちソレイユの夫も早目の引退をします

冒険者活動で稼いだお金でお店を出しました

ソレイユと子供たちとともに家族で食堂をやりました

アインツェルゲンガーはその店の用心棒です


アインツェルゲンガーも家族の一員として扱われていました

そんな日々も終わりが来ます


ソレイユの夫が病気で亡くなります

すでに子供たちは巣立っていて他の街や別の大陸に渡っていました

店はソレイユとアインツェルゲンガーだけで細々とやりました

しかしソレイユも老齢となり店をたたみます


長男の屋敷でゆっくりと老後を楽しみます

孫やひ孫と楽しく暮らしていました


そしてソレイユの寿命が尽きるときが来ました


「これまでありがとうアイン」

「私も、私たちの方こそ感謝するソレイユ」


「お願いしてもいいかしら」

「なんなりと」


「神の力は私の子供たちへは受け継がれていないのは知っているわね」

「はい」


「でもいつか神の力を宿す子が現れると思うの」


隔世遺伝や先祖返りなどが起こりうる可能性です


「そんな力があってもきっと困ることがあると思うわ」

「たしかに」


「その子の助けになってくれるかしら?

 もちろんあなただってそこまで生きられないかも知れない

 いつの時代、どんな場所に生まれるかわからない

 難しいお願いなのはわかっているわ」


アインツェルゲンガーはやせ細ったソレイユの手を優しく握る


「それでもお願い、その子を守ってあげてアインツェルゲンガー」


これまで幾度と見せてくれた優しい笑顔で頼むソレイユ


「もとより承知、身命を賭して必ずや守り抜くと誓います」

「ふふ、堅苦しいわアイン」

「そうだな、任せろソレイユ」


アインツェルゲンガーはソレイユのこの願い、約束を心に刻み込む

それからソレイユは数日後に天へ召された


暫くの間は屋敷で暮らしていたアインツェルゲンガー

しかしこの屋敷に住むソレイユの子と孫たちに神の力は宿らなかった


他の街や大陸に渡った子や孫たちも確認しないといけない

アインツェルゲンガーは神の子の力を受け継ぐ者を探す旅に出る

屋敷の当主、ソレイユの長男はこのままいてほしかったようです

小さい時からの付き合いなので兄のように慕っていたからです


それでもソレイユとの約束を果たすため旅立ちます


「女神ルミナス、ヴァリアント、ソレイユ

 貴方達の願いは必ずや果たしてみせましょう」


アインツェルゲンガーの永い旅路の始まりです

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