邪神シュランゲ
シュランゲはデモニッソスの民たちへ告げる
「私はこの世界を気に入った、私のものにしようと思う
お前たちは私の僕として他の大陸へ攻め込むのだ!」
民たちに兵隊として他の大陸を攻め落とせと命令するシュランゲ
「神シュランゲよ、いくらなんでもそれは承服しかねます」
現在、デモニッソスの民たちをまとめる長たる男が前に出る
その男はアインツェルゲンガー
「これは私、神の命令だ、お前たちに拒否権はない」
「神? 自分勝手に転移させ放置してきた者が我らの神だと?
もう我らとてこの世界の住人として生きている
ゆえにわれらはこの世界の神、ルミナス様を神と崇めている
貴様などすでに我らの神でもなんでもない!」
「貴様・・・」
アインツェルゲンガーを睨みつけるシュランゲ
しかしアインツェルゲンガーは怯まない
「たかが下界の民が神に抗うということがどういうことか教えてやろう」
シュランゲは空高く上がる
右手を真横へ向けて光の球を放つ
その遠く離れた場所で光の球が爆発した
「何をする!?」
「なあに、あそこにあった集落を消しただけだ」
爆発した場所には小さいが集落があった
もちろん民たちが住んでいる
「今一度命令する、我が僕となって行動せよ」
「・・・貴様は」
「まだ何か反抗する気か?」
「貴様は神などではない! 邪神だ!
邪神シュランゲ、我らは貴様を許さない!」
アインツェルゲンガーの言葉に民たちは同意して怒号を上げる
シュランゲは鬱陶しそうに左手を真横に伸ばす
「ならもういくつか集落を潰してやろう」
「させるかあっ!」
アインツェルゲンガーが光の球を固く大きな魔法障壁で防ぐ
「ほう、さすがは我が僕、見事な障壁だ」
「貴様の僕などではない!」
アインツェルゲンガーに続けとばかりに他の民たちも奮起する
邪神シュランゲとデモニッソスの民たちとの戦いが始まった
戦いが始まって十数日が過ぎた
シュランゲは全力を出さず民たちを弄ぶように戦う
民たちは必死で抗う
シュランゲに傷を負わせても神力ですぐに回復される
少しずつ仲間が死して残った者も疲弊していく
「そういえば貴様たち、この世界では悪魔と呼ばれているそうだな」
「ふん、いつの間にかそう呼ばれるようになっていたがな」
魔族のような角を持ち魔力も高いデモニッソスの民たち
あるとき一部の若い民たちが浮かれて暴走したことがあった
この世界の住人たちから恐れられ悪魔と呼ばれるようになりました
「はっはっは、嫌われたものだなあ♪
ならこの世界の者たちに遠慮はいらんだろ?
そろそろ諦めて私の僕となれ」
「くっ、誰が!」
そして戦いは続く
シュランゲが全力を出さないのは兵隊の数を減らしたくないからであった
それでも諦めず抵抗し続ける民たちに苛立ち始める
「・・・ふう、いい加減面倒になってきた」
シュランゲは民たちを兵隊にすることをやめることにした
「もういい、貴様らはここで滅亡するがいい」
神力を解放する、シュランゲの身体をまとうように白い光が広がっていく
もはやこれまでと民たちは覚悟を決める
ズドン! 「ぐわっ! なんだっ!?」
巨大な光の柱がシュランゲの上から落ちてきた
シュランゲをまとっていた白い光は霧散する
「今の光、今の力は、まさか・・・」
シュランゲは天を仰ぐ
民たちも空を見上げる
更なる光の柱が二つ落ちてくる
ドン! ドドン!
先程の光の柱より細い光の柱はシュランゲと民たちの間に落ちる
その柱の光が消えるとそれぞれの場所に何者かが立っていた
「貴様らは何者だ?」
シュランゲは警戒する
二人から神の力を感じたからである
その二人は神ではなく人間だった
だが神の加護を得た者たちであった
「俺の名はヴァリアント、巷では大戦鬼と呼ばれている
この世界を荒らす邪神を討伐に来た者なり!」
筋骨隆々の熊のような巨体の戦士
大剣を構えて名乗りを上げる
「私の名はソレイユ、この世界の女神ルミナスの娘
そして大戦鬼ヴァリアントの娘、父と共に貴様を討ちに来た!」
銀色の髪をたなびかせて双剣を構える
女神と大戦鬼を親に持つ半神の少女
ルミナスはまだ下界へ下りれないため二人を向かわせたのであった
「ルミナスの伴侶と娘か、どうりで神の力を感じるはずだ
ルミナスめ、なんと忌々しい・・・」
「我が妻の世界、これ以上荒らさせはせぬ!」
「母様の世界は私たちが守る!」
ルミナスから加護を得ている二人
邪神シュランゲ討伐が始まる




