レイアル帝国の系図
リナとメルが目覚めるまで話ができないため休憩する面々
アインツェルゲンガーが庭へ行き戻って来ました
「暇だなあ、やっぱり誰か私と戦ってくれませんかー?」
「いい加減にしろバカリーン」
「待ってカナン」
カナンがアイリーンをいつものようにどつこうとします
しかしフェリスが制止します
「どうしたフェリス」
「二人に伝えることがあるから庭へ行きましょう」
「ここじゃダメなのか?」
「ちょっとね」
フェリスはチラリとジャンヌを見ます
ジャンヌはメルの方を見ていたので気づきません
そのまま三人は庭へ出ます
「それで伝えたいこととは?」
「カナン、その前にアイリーンに言わせて」
「私?」
アイリーンに向き合うフェリス
「アイリーン、今後はジャンヌ様への不敬は許しませんよ」
「ええ!? でもジャンヌが構わないって言っているし」
「黙らっしゃい! 呼び捨てではなくて様を付けなさい!」
「うひぃっ!」
フェリスにガチで怒られて怯むアイリーン
カナンも驚いています
「今から伝えることはすでに陛下たちにも伝えてあります
ジャンヌ様へ不敬があれば陛下たちからも罰せられると思って下さい」
「一体なんなんだフェリス」
「そんなに不敬なことはしてないけど」
「ジャンヌ様が寛大だから許されているだけよアイリーン」
一拍置いてフェリスは語る
「ジャンヌ様はレイアル帝国の・・・・・」
ノートンたちへ伝えた衝撃の事実を二人にも話す
カナンは固まり顔を強張らせる
アイリーンは信じられないといった顔をする
「そ、それは事実なのか?」
「事実よカナン、王宮の書庫の奥底にあった系図に記されていたもの
厳重に管理されている王宮の書庫にあったのだから間違いないわ」
「えっと、私、処刑されちゃう?」
「これまでのことは流していただけると思うわ
でも今後は陛下たちから咎められるはずよ」
カナンとアイリーンがうな垂れる
「そういうことだからアイリーン、気をつけてね」
「・・・わかった、がんばる」
三人はトボトボと館の中へ戻りましたとさ
メルたちがレイアル帝国を旅立った後のこと
皇帝ノートンは王宮の書庫へ行きました
騎士団長グランツと神官長ジョナスも同行します
「系図というのはこれか・・・」
フェリスが伝えた衝撃の事実
半信半疑なので確認しに来たのです
そして件の系図を確認します
「「「・・・・・」」」
三人はそれが事実であることを理解しました
「ジャンヌ様には誠心誠意謝罪しよう」
「そうですね、それしかありません」
「もっと早くこの事実に気づけていれば」
三人はトボトボと執務室へ戻りましたとさ
数日後、魔導士団長ピークスの謹慎処分が解けました
ノートンはピークスを執務室へ呼び出します
「陛下、何でございましょう?
グランツとジョナスも一緒ですか?」
全員集合です
「ピークス、お前にもこの事実を伝えておこうと思ってな」
「事実?」
「これを見ろ」
「この書物は?」
その書物の中身は読み物ではなく王国から続く帝国の系図でした
「このページをよく見るがいい」
「はあ、わかりました」
ピークスは示されたページを見ます
何気に見ていましたがだんだん顔が蒼くなっていくピークス
「それは王宮の書庫にあったものだから本物だ」
「私たちもこの事実を知ったときは驚きましたよピークス殿」
「ピークス、お前も私たちと共にジャンヌ様へ謝罪しよう」
「こんな、このような大事こと
なぜ教えて下さらなかったのですか陛下!
知っていれば私とてあのような愚行・・・」
ピークスは自身のしたことの愚かさに震えます
「私も教えられるまで知らなかったのだ、すまぬ」
「教えられた? 誰にですか?」
「お前の娘、フェリスだ」
「はあ?」
ピークスはもう何が何やらと気持ちでいっぱいでしたとさ
「ん・・・」
リナが目を覚ましました
「リナ、大丈夫ですか?」
「ローラ様」
「リナ様、先程は失礼致しました」
「あ、あう」
手の甲にキスされたことを思い出し慌てるリナ
「落ち着きなさいリナ」
「だってローラ様・・・」
「アインツェルゲンガーさんがすべてお話ししてくれます
貴女はそれをしっかり聞きなさい」
「少し恐いです」
「きっと貴女にとって大事なことだと思います
聞いて理解して考えて、どうすればいいのか判断しなさい」
「・・・はい」
リナはあのときの悪魔召喚に関係していることは薄々気づいていました
ただ神の子の末裔だとか悪魔が従者だとか不安要素だらけです
そのため及び腰になっています
緊張しながらリナは椅子に座ります
アインツェルゲンガーも座り直します
「それではリナ様、すべてをお話し致します」




