悪魔とリナ
シェアルド大陸へ上陸したメルたち
「この大陸、国どころか村すらなさそうですね」
「たしかにないが館はあるぞ」
なぜ館だけあるのか首をかしげるメルたちでした
「ここは私の盟友の私有地だ」
「そうだったんですね」
「私の探し人は今その館にいるはずだ
お前たちの探し人も来ているかも知れない」
ジャンヌはいないかもと思うメルたちだった
ジャンヌは人の多いところを目指すはずだからです
ジャンヌは友達を作るのが大好きです
人のいなさそうな場所へは行かないと思っています
「いないにしても休息のために館へ来い」
「うん」
アインツェルゲンガーに従い館へ向かいます
アインツェルゲンガーのあとに付いていくメルたち
勝手知ったる私有地なのでサクサク進んで行きます
「あ、ほんとに館がある」
遠目に館の屋根が見えたのでアイリーンが指差します
「む?」
「どうしましたアインツェルゲンガーさん」
なにかを感じ取り立ち止まるアインツェルゲンガー
「先に行く」
「え、ちょっと!?」
アインツェルゲンガーは四人を置いて館へ向かいました
残された四人は仕方なく周囲を警戒しながら進みます
「ふむ、敷地の結界が消えている」
(まさか何者かの襲撃を受けたのか?)
アインツェルゲンガーは考えます
襲撃を受けたためセラフィムと連絡が取れなくなったのでは
アネラの結界を破れるほどの強い者ならば有り得ると
「一体何者がここを襲ったのだ?
館の中の気配は、五つ
アネラがいる、だがセラフィムの気配がない
ならば残りの四つが襲撃者か?
しかし、強弱がバラけ過ぎている」
(考えていても仕方がない、入るとしよう)
アインツェルゲンガーは魔力と闘気を解放します
そして扉を開ける
「セラフィム、無事か!」
双剣を手にして構えるシュナイダーが立ち塞がります
その右後ろにジャンヌが立っています
ローラはアネラの前に立ってリナはアネラの左横に立つ
「貴様は何者だ?」
シュナイダーは目を離さず問う
「貴様こそ何者だ、襲撃者か?」
アインツェルゲンガーはチラリとアネラの方を見る
「お待ち下さいお二方」
「アネラ殿?」
「アネラ」
アネラが一触即発の二人を制止します
「アインツェルゲンガー様、お久しぶりでございます」
「うむ、無事のようだなアネラ」
「アインツェルゲンガー?
と言いますとこの方があの悪魔なのでございますか」
「はい、こちらがアインツェルゲンガー様でございます
アインツェルゲンガー様、こちらの方はシュナイダー様と申します
こちらの方々はジャンヌ様、ローラ様、リナ様でございます
私はこちらの方々に助けていただきました、敵ではございません」
「そうだったのか、すまなかったな」
アインツェルゲンガーは魔力と闘気を引っ込める
「アインツェルゲンガー殿、私も剣に手をかけ申し訳ない」
「悪魔って本当に存在したのですねローラ様」
「そうですわね、さすがに私も驚きましたわ」
「婆ちゃんに叱られているときのような圧があったぞ」
アインツェルゲンガーは四人を見渡してアネラに問う
「助けられたということはやはり襲撃にあったのか?」
「事情をお話し致します」
アネラはアインツェルゲンガーに事の経緯を話します
トライゾンの反逆から100年経ってこの四人によって救われたこと
「なるほど、セラフィムは封印されていたのか
だから連絡が取れなかったのだな」
「はい、私も完全回復ではないため連絡ができませんでした」
「だがお前だけでも無事で良かった」
アインツェルゲンガーは四人の方を向いて一礼する
「貴君らには礼を言う、アネラを救ってくれて感謝する」
敵ではないとわかったのでそれぞれ名乗り合いました
「アインツェルゲンガー様はセラフィム様に何かご用事なのでしょうか?」
「セラフィムに聞きたかったのだがもう必要はなくなった」
アインツェルゲンガーはリナの前まで行き跪く
「え?」
いきなり伝説の悪魔に跪かれて困惑するリナ
「リナ様、よくぞご無事で」
「様付け!? え、あの、はい?」
「悪魔を代表して貴女の祖先に感謝致します
そして古の約束、誓いを果たすために参りました
今この刻より私は貴女の従者でございます
貴女の命尽きるまで生涯お供致します」
アインツェルゲンガーの言葉に固まるリナ
(なに? 祖先? 誓い? 従者? 誰が? 悪魔が? 誰に? 私?)
「ど、どどど、どういうことでございますかーーー!?」
リナ大混乱
「すごいなリナ先輩、悪魔を従えるとは」
「さすがリナ殿、脱帽でございます」
「あらあら、リナはもしかして悪魔の女王か何かかしら」
「ちちち、違いますーーーっ!」
(この悪魔さん、なにを言っているの?)
混乱、困惑するリナ
アインツェルゲンガーはリナの手を取り甲にキスをする
「ひぃやぁっ!?」
そしてリナの意識が飛んだ




