二人の竜と皇帝
マリーとゲールはジャンヌを探す旅をします
そしてレイアル帝国へ辿り着く
ここにジャンヌがいたことを知る二人
しかしジャンヌはいないようです
詳しいことを知るため皇帝に会うことにしました
「こんにちは」
「なんだまた来たのかい」
門兵は昨日と同じ人でした
「皇帝に会いたいので通してもらえるかしら」
「何を言っているんだい君は、ダメに決まっているだろう?」
呆れる門兵
「招かれた証のない者が会えるわけがないだろう
そもそも平民がそのような許可を得られるはずもない」
「では皇帝に竜が二人来たと伝えてくれませんか?」
「いやいや、どこに竜が? 君たちが? 冗談はやめなさい」
「仕方がありませんね、あまり恐がらないで下さいね」
「へ?」
マリーは地を蹴り上空へ跳び上がります
上空で竜の姿に戻ります
「なっ! あ、蒼い竜!?」
「そうだよ、マリーはブルードラゴンだから」
「二人って、まさか君も?」
恐る恐るゲールに確認する門兵
「うん、我はブラックドラゴンだよ」
マリーは人化して地上に下りる
「ただいま」
「おかえり」
あまりのことにポカンとする門兵
そして数人の兵士が集まってきました
「なんだ今のは!」
「蒼い竜だったよな」
「ジャンヌ様とは別の竜か?」
上空に竜が現れたため城内の兵士が慌ててやって来たのです
「おわかりいただけたかしら」
「わかったら我らを皇帝に会わせてくれ」
「しょ、少々お待ち下さい」
「おい、早く陛下へ報せてこい!」
「わかった!」
わたわたと慌てて皇帝ノートンへ伝えに行く兵士
だけどその兵士はすぐに引き返してきます
騎士団長グランツがやって来たので一緒に戻って来たのです
巨大な竜が城のすぐそばに現れたのです
さすがに窓から見えていたのでグランツも気づきます
「私は騎士団長グランツと申します
あなた方はジャンヌ様と同じ竜族の方ですね」
「ええ、理解が早くて助かるわ
我はマリー、ブルードラゴンです」
「我はゲール、ブラックドラゴン♪」
蒼き竜と黒き竜、いきなり二人も竜が来訪しました
グランツも動揺しますがなんとか自身を落ち着かせます
「ようこそいらっしゃいました」
「皇帝には会わせていただけるのかしら?」
「はい、陛下のもとへご案内させていただきます」
グランツは二人をノートンのところへ案内します
執務室ではノートンと神官長ジョナスが焦っていました
「まさかジャンヌ様以外の竜が来るとは」
「陛下、落ち着いて下さい」
「いやお前も落ち着け、ウロウロするな」
竜の姿が見えたからジャンヌが戻って来たのかと思いました
しかし見えたのは蒼き竜、別の竜の来訪にとまどいます
ノックのあとグランツが二人を連れて執務室へ入ります
「初めまして、マリーと申します」
「ゲールだよ♪」
「ようこそいらっしゃいましたマリー様、ゲール様
私はレイアル帝国の皇帝、ノートン・レイアルです」
「私はジョナス・サンドと申します
神官長を務めさせていただいております」
「改めて私は騎士団長のグランツ・グローリーです」
マリーは少し首をかしげます
「意外と丁寧に応対して下さるのですね」
「うんうん、人間ってほとんど竜族を魔獣扱いするよな」
この言葉は耳に痛い三人だった
ジャンヌを魔獣扱いしていましたから
「ジャンヌ様と同族の方々に失礼はできません」
(あの子、なんでこんなに敬意を払われているのかしら?)
「本日はどのようなご用件でございましょうか」
「ジャンヌのことを聞きに来ました」
「ジャンヌ、ここにいるんだよね?」
三人は少しバツの悪い顔をします
「申し訳ありません、ジャンヌ様は出て行かれました」
「いなさそうとは思っていたけど出て行っていたのね」
「なんで出て行ったんだろ」
ノートンたちは平謝りしながら経緯を話します
もしかしたら怒って暴れるかも知れない
そう思いもしたけれど正直に話しました
「なるほど、そりゃ逃げ出すわ」
「あの子らしいわね、まったく」
ノートンたちへ怒るどころかジャンヌに呆れるマリーとゲール
「あ、あの、お怒りではないのでしょうか?」
「なぜ?」
「ジャンヌ様への私たちの仕打ちは竜族への侮辱では」
「ああそういうことね」
マリーとゲールは軽く笑い飛ばします
「あなた達とジャンヌの問題だから竜族は関係ないでしょ
我が侮辱されたわけではないから怒る道理はないわ」
「侮辱されたのはジャンヌだものね
というか泣いて逃げ出すなんてダメねえジャンヌは」
ノートンたちは唖然とします
一人の竜が侮辱されたとしても竜族全体が侮辱されたとは思わないのです
それが竜族なのです
「そ、それでは私たちをお許しいただけるのでしょうか?」
ジョナスが恐る恐るたずねる
「許す許さないはジャンヌが決めることです」
「そうそう、当人同士の問題だから我らには関係ないよ」
「わ、わかりました」
ノートンは竜族の来訪に少々怯えていました
ジャンヌへの仕打ちの報復のために竜族の仲間が来たのかもと
違ったようで少し安心します
「それでジャンヌはどの方向へ飛んで行ったのかしら?」
「最後に会った者の言うにはこの大陸の北へまっすぐ飛んだようです」
「やっぱまっすぐか」
「ジャンヌを追って行った方たちのことを教えていただけるかしら」
「はい」
ジェネラスとメルのことを二人に教えるノートンたち
「それでは我らもジャンヌのところへ向かいますわね」
「次に来るときは三人で来るから美味しいもの用意しててね♪」
「ゲール、食い意地張り過ぎよ」
「てへへ♪」
「あの、ジャンヌ様にお伝え下さいマリー様、ゲール様
私たちは謝罪したいので会ってもらえるように」
「ええ、伝えておくわ」
「じゃあね♪」
マリーとゲールは城をあとにする
王都を出て近くの森で竜に戻ります
「さっさとジャンヌのところへ行きましょうゲール」
「うん、ジャンヌを見つけて遊ぼう♪」
二人の竜はジャンヌを目指して飛び立ちましたとさ




