妖精姫アネラ
「妖精ですと? たしか妖精族は遥か昔に滅んだはずでは」
「わたしも本で読んだことがあります」
遥か昔、妖精族が住む大陸が邪神に襲われて滅ぼされました
すべての妖精が滅んだとされていました
「たしかに妖精族の大陸は邪神により消されました
ですがほんのわずかですが生き残れました
大陸は消滅したので散り散りに逃げました
他の者がどうなったのかはわかりません
大半は邪神が追ってきたため亡くなったことでしょう」
「ひどい・・・」
リナは悲しくなります
「自国がなくなる痛み、わかりますぞ」
シュナイダーは滅ぼされた自国のことと重なります
「私を逃がすためにたくさんの者たちが犠牲になってくれました
ですから私は彼らの分も生きようと足掻きました」
「もしかして貴女は妖精族では上位の存在なのかしら?」
「私は妖精族の王の娘、妖精姫です」
アネラはローラと同じく王女さまでした
「それでなぜアネラ様は柱時計に封印されていたのですか?」
「事情については当面はお話しできません
失礼ながらまだあなた方が信用に値するかわかりかねますので
助けていただいたのに申し訳ありません」
一礼して謝罪するアネラ
「そうですわね、信用できるかどうか見極めませんとね
私たちもアネラ様のことを信用できるかどうかわかりませんから」
「ご理解ありがとうございます」
「じゃ信用できたら話してくれるんだなアネラ」
「はい、もちろんでございますジャンヌ様」
「ですがまったく何の情報もなしというのは困りましたな」
「必要最低限のことはお話いたしますシュナイダー様」
アネラは現状話せることだけを話し始めます
まず柱時計がなぜ現れたのか
この館に誰かが住み始めて100日を経過すると出現する仕組みでした
なお途中で24時間不在になるとリセットされてやり直しです
「100日はとっくに過ぎていますわよ?」
「途中で不在になったためだと思いますローラ様」
「あら、不在なんてあったかしら?」
「ほら周辺の探索で遠出をしたじゃないですか」
「ああ、たしかにあのときは何日か不在にしましたわ」
「そのあとからは不在はないのでそのためでしょう」
次に三階の魔法陣について
「奥の魔法陣については今は言えません
中央の魔法陣は居住者が10人以上になれば使えるようになります
一度利用可能になれば人数が減っても使えます」
「使えるようになったとして何の魔法陣なのでしょう?」
「任意の場所へ転移できます」
これを聞いて一同希望を抱きます
「では他の大陸へ行けるということですな」
「国へ帰ることもできるのですわね♪」
「すごいな♪」
「でも10人以上ですよ? 無理そうです」
リナが諦めた顔をする
事実、ローラたちは四人だけ
新たにここへ誰かが来るなど考えられません
みんなもガックリします
「そうですわ、地下から流れている聖魔力はなんですの?」
ローラが気になっていた地下の聖魔力について聞きます
「この敷地ほどの広さの巨大な聖魔石がこの地中に埋まっています
その聖魔力を利用して館の維持をしています」
「なるほど、地中に埋まっているのなら見つからないはずですね」
リナが納得します
「他にこの館のことで教えていただけることはありますか?」
「この館にはまだ仕掛けがあります
それらも条件が満たされれば解放されていきます」
「できればその条件などを教えていただけないかしら」
「言える範囲であれば」
「それで構いませんわ」
「では一度庭へ出ましょう」
アネラが庭へ向かうので付いていきます
庭へ出ると周辺を見渡してジャンヌをチラリと見るアネラ
「すでに条件を二つも満たしていたようですね」
「あら、どんな条件か私たちは知りませんわよ?」
「なんで我を見たのだ?」
「一つは竜族を仲間にすることだからです」
庭の敷地の端、森に入る手前へアネラは立つ
「もう一つは敷地を覆っていた結界を解除することです」
「ジャンヌさんを館へお招きするのに邪魔でしたから消しましたわ」
「なるほど」
「二つの条件が揃えば何が起こるのですか?」
「いえ、それぞれで違う仕掛けの条件です
二つともすでに開放されているでしょう」
言いながらアネラが館へ入っていくので付いていきます




