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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 2

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旅立ち 後編

魔導士団長ピークス・パーカー

ジャンヌ使役(テイム)作戦の立案者でメルを瀕死にさせた男

そしてフェリスの父親です


メルは突然攻撃されたためピークスの顔すら見ていません

これが初顔合わせです


「メル、これからピークスに謝罪させる」

「ノートン様・・・」


メルはいきなりのことで言葉が出ません


「ほらお父様、きちんと謝罪して下さい」

「わかってるから、そうせっつくなフェリス」


ピークスはバツの悪そうな顔でメルを見る


「ああそのなんだ、すまなかったな娘」

「ええと、はい」


「お父様! なんですかそれは!

 もっときちんと謝罪なさって下さい!」


「うう、しかしなフェリス」

「しかしもかかしもありません!」

「うぅ、、、」


娘に叱られる父親、情けない姿であった

それを見てメルはもう許そうかなと思ってしまいました

いたたまれなくなったのです


「この度は多大な迷惑をかけてしまい申し訳ない

 本当にすまなかった、許してほしい」


今度は頭を深く下げて謝るピークス


「まだイマイチだけど許してくれるかしらメル」

「えっと、はい、許します、だけど」


メルは自身への攻撃については許すことにします


「ジャンヌお姉さんにも謝って下さいね

 いつか必ず帝国へ連れて帰ってくるので」


「う、うむ、約束しよう」

「お父様、態度がなっていませんよ?」

「うう、そんなに怒るなフェリス」


(なんかかわいそうになってきた)


「さて、それではけじめをつけなければな」

「ノートン様?」


ノートンが少しニヤリとしている


「ピークス、事前に伝えたようにけじめをつけろ」

「陛下、本当にそれでけじめになるのですか?」


「ノートン様、なんのことですか?」

「メル、ピークスを一発殴れ、平手打ちでも構わんから」

「はあ?」


メルはノートンが何を言っているのか理解できませんでした


「お前は瀕死にされたのだ、一発ぐらい喰らわせてもよかろう?

 それをもってけじめとする、ピークスにも伝えてある」


「えっと、魔導士さんいいんですか?」

「ん? ああ構わんぞ、けじめだからな」


ピークスは小さな少女の一撃など大したことはないと思っています

メルが赤き竜の加護を得ていることを知りません

さらにジェネラスに鍛えられていることも知りません

その一撃がとんでもないことなど思いもよらないのです


「ジョナス、治癒の準備は万端か?」

「はい、仮に死んでもいいように蘇生の準備もしてあります」

「何を言っているんだジョナス?」


不穏な会話にピークスが眉をひそめる


「壁に激突しないように私が受け止めてやるから安心しろ」

「グランツ?」


ピークスの後方の壁に騎士団長グランツがいつでも来いと構えます


「お父様、身体強化と防御障壁は使っていいわよ」


「フェリスまでどうしたのだ?

 そんなことしたらこの娘の手が折れるぞ」


「構わんからフェリスの言うとおり使っておけ」

「陛下、本当にどういうことなのですか?」

「いいからいいから♪」


「これではあの娘がケガをしますよ?」

「気にするな、問題ない」


皇帝ノートンは楽し気に言う

魔導士団長ピークスは少し不安になってきました


(あの娘、もしかして強いのか? いやそんなバカなことは)


とりあえずフェリスの言うとおり身体強化と防御障壁を使います


「えっと、いきますよ?」


「ああ、いつでも来なさい、って遠いな

 そんな離れたところからどうするのだ?」


ピークスとメルは約10メートルほど離れていました


「いきます」

「!?」


メルが一瞬で間合いを詰める


(速いっ!)


バシーーーンッ!!


「ふんごぉぅっ!!?」


右の平手打ちでピークスの左頬を引っ叩くメル

防御障壁を突き破り身体強化もものともしない一撃

顔が歪み、きりもみ回転をしながら宙に飛ばされるピークス

騎士団長グランツが落下地点へ走り地面や壁への激突を防ぐ


「ジョナス殿、早く治癒をっ!」

「承知!」


ピークスは意識を失い身体は痙攣していた

急ぎピークスを治癒する神官長ジョナス

なんとか回復して気絶状態だけとなった


「えっと、死んでいませんよね?」

「すぐに治癒しましたから大丈夫ですよメルさん」


ジョナスがニッコリと伝える

さすがにやり過ぎたからフェリスに嫌われるかもと思うメルでした

目の前で父親をこんな目にあわせたのだから


「あの、フェリス先生」


おずおずとフェリスの顔色をうかがうメル


「メル、お父様の防御障壁を破るなんてやるじゃない

 いい攻撃だったわ♪」


良い笑顔でメルを褒めるフェリス

嫌われてなくて安心するメルでした




翌朝、いよいよ旅立ちのときです


「メル、ジャンヌ様を必ず帝国へ戻してくれ

 私はジャンヌ様に誠心誠意謝罪しないといけないからな」


「はい、え? ジャンヌ、様?」


ノートンはいつもジャンヌを赤き竜と呼んでいました

いきなりジャンヌ様と呼ぶようになっていることに驚きます


「どうかしたか?」

「あ、いえ別に」


(まあ反省しているからかな?)


「私も聖獣様に謝罪をさせていただきたい」


(神官長様まで?)


ジョナスは聖獣や神の使徒などとは認めていなかった

そのジョナスが聖獣様と呼ぶようになりました

一体何がどうしたのか不思議がるメルでした


ノートンたちに見送られてジェネラスの四人は王都から出ます

最初に向かうのはカサネ村


メルの両親に旅立ちの報告です

そして村長に会います


ジャンヌが飛び去った方角を村長に聞きます

まずはその方角へ向かうことにしました


「ジャンヌお姉さんは多分まっすぐ飛んだと思います」

「なら目撃情報を集めつつこの方角をまっすぐ進もう」

「そうね、もしかしたら途中でとどまっているかも知れないしね」

「竜か、会えたら手合わせしたいものだ」

「バカリーン、聖獣にケンカ売るんじゃないよ」


(ジャンヌお姉さん、絶対再会するんだ)


ジャンヌ捜索の旅が始まりました

ジャンヌのいるあの場所へ辿り着くのはいつの日か

メルはジャンヌと必ず会えると信じて歩を進めましたとさ

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