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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 2

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そこに山があるから登るんだ

川遊びを堪能してから数日が経ちました

雨季があるのか雨続きで館にこもっておりました


「こもりっきりでは身体がなまりますわ」

「そうですね」


「雨なら明日にはやむぞ」

「わかるのですか?」


「雲の流れや空気の感じで大まかだけどな」


竜族は天候を感覚的に捉えることができるのです


「雨季が過ぎたら遊びに行こうなローラ♪」

「ええ、楽しみですわ♪」




雨が上がり少し暑い時期に入ります


さっそくローラたちは遊びに出かけます

ジャンヌの背に乗り北東の山の麓までやって来ました


「山で遊ぶのですね」

「麓近くで散歩でしょうか?」


「違うぞ、てっぺんまで登るぞ」


人化して戻ってくるジャンヌ


「それならば麓ではなく飛んで頂上まで行けばよろしかったのに

 ローラ様とリナ殿にはいささか辛いのでは」


「ダメだぞシュナイダー、登ることに意味があるのだ

 強化もあるし、いざとなれば我がおぶってやる」


「ふむ、登ることに拘りがあるのですな」


ジャンヌはニカッと笑って答える


「そこに山があるから登るんだ♪」

「なるほど、感服致しました」




ゆるやかな斜面になっている道を進む

木々からの木漏れ日と涼しい風が頬をなでる


「散歩としても心地良いですわね」

「そうですね、ここのところ暑くなってきましたから」


リナとローラは身体強化をかけてあります

シュナイダーとジャンヌは平気なのでかけていません


のんびりと散歩をするように頂へ向かって進みます


「そろそろ険しくなってくるから足元気をつけろよ」


ゆるやかな道はなくなり斜度が高くなります

そしてもう道ではなくなります

山肌に木や草が生えているだけ


「結構大変ですね」

「でも楽しいですわ♪」


ローラとリナは生えている木をつかんで少しずつ上に上がります

シュナイダーとジャンヌはヒョイヒョイ登ります


少しだけ登ると平地になります

ただ手すりなどはないので端によると斜面を転がり落ちることになります


「ちょっと恐いですね」

「そうですか? 気をつけていれば大したことはありませんわ」


ローラは魔王討伐の旅でこういった場所も経験済みです

リナは登山などしたことはないので不安がります


「ジャンヌさんはドラゴンだからわざわざ登るとは思いませんでした

 頂上へは飛べばすぐに行けるでしょう?」


「そうですな、人間のように登山をする必要がないと私も思いました」

「言っただろう、そこに山があるから登るんだと」

「なんだかドラゴンではなく人間っぽい考えですわね」


「レナードに教えてもらったんだ♪」




レナード・レイアル、レイアル国が帝国になったときの最初の皇帝

レナードは小さい頃からジャンヌと一緒にあちこち遊び回っていました

勉強をサボったり鍛練をサボったりと大人たちを困らせていました


「ジャンヌ、今日は街へ行くぞ!」

「行こうレナード♪」


護衛たちの目を盗み二人で遊びに行く日々

街で知り合った人々から様々なことを教わります

勉強はサボっていますがこれにより知識を得ていました


「ジャンヌ、今日は森で魔獣狩りだ!」

「狩りまくるぞレナード!」


鍛練はサボりますが実戦で鍛えるレナード

ジャンヌと二人で楽しく狩りをして力をつけていきます


「ジャンヌ、今日は山登りだ!」

「今日もだろレナード、最近山が多いぞ」


レナードは山を登るのが好きなのでした


「大体てっぺんなら我が運んでやるぞ、いつも断るがなんでだ?」


レナードはニカッと笑って答えます


「そこに山があるから登るのだ♪」


「なんだそりゃ」

「ついてこいジャンヌ」


二人は山を登ります

ジャンヌは二人で登るのは楽しいから文句は言いませんでした


「ほら、例えばここだ」


三合目近くの木々から見える景色

村や集落が一望できました


「民たちが暮らしている俺たちの国の一部が眺められる」

「まあ悪い景色ではないな」


少し登って崖のわずかな通り道を気をつけながら進む


「このギリギリ感がたまらない♪」

「たしかに面白いな♪」


崖を抜けて少しだけ平坦な場所に出る

また少し進むと斜面のきつい岩壁が立ち塞がります


「ここを登って少し先に行けばてっぺんだ」

「あと少しだな」


二人は岩壁を登り始めます、ロッククライミングです

登りきり少し狭い斜面を進みます


「見ろジャンヌ、ここからの景色が一番だ♪」


雲海にはほど遠いが薄い雲がちらほらと眼下に広がる


「ここからだと帝国が一望できる

 俺の、俺たちの帝国がこの手にすっぽりつかめるほどにな」


「ああ、そうだな、つかめそうだ」


「飛んでてっぺんに着くのは簡単だ、でもそれだとつまらない

 山は色んなことを教えてくれる、危険なことも楽しいことも

 だから俺は登るんだ、自分の力で」


そこに山があるから登る、漠然としていた理由

だけどジャンヌは漠然としながらも納得しました


「我もこれから山は人化して登ることにしよう」

「わかってくれたかジャンヌ」

「ああ、だって」


「「そこに山があるから登るんだ♪」」

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