釣りをしよう
川で釣りを始める四人
リナは初めてなのでローラが教えます
「我はもう少し下流で獲ってくるぞ」
ジャンヌはジャブジャブ川を下っていきます
もはや釣りではなく漁獲である
「そうですな、固まっていると邪魔し合うかも知れません
私は対岸へ移動しましょう」
シュナイダーは少し後ろへ下がり助走をつけて川べりから跳躍
身体を横回転させながらフェルンリヒトを右手に持ちます
「リヒトヴェレン!」
切っ先から光の波動を放ち対岸まで身体を飛ばす
対岸に着地して横向きに一回転して止まります
「私はこちら側で釣りますぞー」
対岸のローラとリナへ伝えます
「では私たちも始めましょうリナ」
「はい、ローラ様」
ローラは小さい筒を出します
「なんですかそれは?」
「この中に釣り餌が入っていますわ」
フタを開けるとミミズが入っていました
「・・・・・」
「これを針に刺して準備完了ですわ」
ローラはミミズを一匹つまんで針に刺します
「ほらリナもやってごらんなさい、リナ?」
いつの間にかローラから10メートルほど離れていました
「無理です」
リナはミミズやそれに似たものが苦手です
「畑にもいますわよ?」
「直接触らず道具で掴んで排除しています」
「困ったわね」
「わたしは釣るのやめておきます」
ローラは仕方がないと小さな木箱を出します
「なんですか、また虫ですか?」
「違うわよ」
箱を開けると小魚の形をした物が入っていました
いわゆるルアーです
「これを釣り糸に付ければ疑似餌になりますわ
これならリナでも釣りができるでしょう」
「まあそれなら」
「みんなで楽しみたいからリナも釣りましょう」
「わかりました」
リナはルアーを釣り糸に付けます
「では始めましょう」
ローラは軽く竿を振り釣り糸を飛ばします
10メートルほどのところまで飛びました
「上手ですね」
「賢者様に教わりましたの」
ローラは賢者ロレンスにキャスティングを教わりました
「リナも飛ばしなさいな」
「やってみます」
見様見真似で投げるリナ
1メートルしか飛びませんでした
「・・・・・」
糸を引き上げます、それから何度も投げます
ちょっと悔しかったようでムキになるリナでした
ようやく5メートルほどまで飛ばせるようになりました
「なかなか難しいですね」
「お疲れ様」
ローラは小さな折りたたみ椅子を二脚出します
「すぐに食いつかないでしょうから座って待ちましょう」
「そうですね」
ローラとリナはのんびりと食いつくのを待ちます
下流へ行ったジャンヌ
「わはは、腰まで浸かってしまった♪」
水深も深くなってきました
川岸へ戻り川べりの深くないところで魚を獲ります
「そりゃ」 バシャン ピチピチ
見た目17歳の少女だが獲り方は熊である
獲って獲って食べて、獲って獲って食べて
獲って食べて大の字で腹休めしてまた食べて
これを繰り返すジャンヌでした
「小さいのばかりだから飽きたな、大物でも探すか」
岸をさらに下流へ向かって歩きます
「ここはさらに深そうだ、きっと大物がいるぞ♪」
岸にある石を川へ投げ込みます
どんどん、どんどん、投げまくります
すると川の中央の水面が盛り上がります
ドバーン!
「うひゃ、でけえ♪」
牛三頭分ほどの大きさの巨大魚が跳び上がります
普通の魚ではなく魚型の魔物です
その名はサモーン、はい、鮭です、サーモンです
でも魔物です、でかいです
「すぐに水中に戻るから捕まえにくいな」
竜族は泳げるし潜れますが水中では動きが制限されます
魚のホームなので竜族にはアウェイなのです
「これはシュナイダーたちに応援を頼むか」
ジャンヌはローラたちのところへ向かいます
「・・・なかなか釣れませんわね」
「そうですね」
1時間ほど経過しましたがまったく食いつきません
ローラは不満気です
「ならば釣れるようにするまでですわ」
「どうするのですか?」
ローラは糸を引き上げます
釣り針に刺さったミミズに手をかざします
『おいしくなあれ、おいしくなあれ♪
まるまるふとってしょくよくそそる♪
おさかなさんがまっしぐらー♪』
「ローラ様・・・」
ミミズが少しだけ大きく太ります
ピチピチと元気になります
(気持ち悪いです・・・)
リナはまたローラから距離を取ります
「これでばっちりですわー♪」
再び10メートルほどのところまで飛ばします
「一体ミミズに何をしたのですか?」
「肥え太らせて活発にしましたわ
元気な餌の方がお魚さんも寄ってきますからね
それからお魚さんを引き寄せる効果も付与しました」
(そんな魔法あるの?)
ローラの投げた場所がバシャバシャと水しぶきが上がります
魚がたくさん寄ってきて餌の取り合いです
「効果抜群ですわ♪」
「ありえない」
満足気なローラと困惑するリナ
「さあ釣りあげますわよ♪」
糸を引き上げるローラ
「あら一匹だけですの? あんなに食いついていらしたのに」
「そりゃ針は一つですからね」
「盲点でしたわ」
盲点もなにも当然のことである
意味がないので普通に釣ることに戻したローラでしたとさ




