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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 2

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41/103

皇帝ノートン・レイアル

『貴様らは死ね』


ジャンヌの怒りの咆哮により帝国軍は倒される

薄れゆく意識の中、騎士団長グランツは見た

メルを抱えて山の方へ飛ぶジャンヌの姿を




数時間後、グランツは目を覚ます

まわりを見ると同じように目覚めた者たちがいた

みな同様に呆然としていた


(どうやら殺されはしなかったようだ)


ジャンヌの慈悲に感謝するグランツ

同時にこの国はもうジャンヌの庇護を受けられないだろうと悟った


「グランツ殿、大丈夫ですか」

「ジョナス様もご無事で」


神官長ジョナスがふらつきながらグランツを案じます


「くそっ、忌々しいトカゲめ!」


魔導士団長ピークスが悔しがる

グランツとジョナスはピークスの前に立つ


「ピークス殿、貴殿を見損ないましたぞ」

「ピークス、貴様を拘束する」


「はあ? 何を言っているんだグランツ

 私を拘束だと? 私を罪人扱いするのか!」


「当たり前だ、貴様は大事な民を傷つけた

 安心しろ、きちんと裁判にかけてやるから」


「ふざけるな! ドラゴンを使役(テイム)するためなんだぞ!

 あの小娘も帝国のためになるのだから本望だろうが!」


「話になりませんね」


憤るピークスと呆れるジョナス

ピークスは抵抗虚しく拘束される


帝国軍は王城へと帰っていきました




皇帝ノートンへ報告するため謁見の間に集まります


「それはどういう状況なのだ?」


グランツ、ピークス、ジョナスが陛下の前に跪いています

ただしピークスは後ろ手に拘束されていました

グランツとジョナスがピークスの両隣で捕まえています


「ピークスは罪人なのでこのまま報告をさせて下さい陛下」

「よくわからんがいいだろう、報告を聞かせろ」


ジャンヌをかばった村娘をピークスが攻撃して殺そうとした

それにより怒ったジャンヌに倒される帝国軍

しかし誰一人として殺されなかったことなどを話します


「・・・・・」


ノートンは両手で顔を覆いうなだれる


「ピークス、なぜその村娘を殺そうとした」

「陛下、ドラゴンを使役(テイム)するためには多少の犠牲はやむを得ません」


「たしかに強いドラゴンを捕らえるのだ、ある程度の犠牲は付き物だろう」

「そうでしょう、私は間違っておりません、私の判断は正しかったのです」


ノートンの同意を得たとばかりにグランツたちにドヤ顔をするピークス

ノートンは小さくため息をついて


「馬鹿者ぉっ! 誰が民を傷つけて捕らえろと言った!」

「ええっ!? 陛下も犠牲は付き物と今おっしゃりましたよね?」


「私はお前たち帝国軍の犠牲はある程度仕方がないと言ったのだ!

 兵士でもない一般の民を犠牲にしていいわけなかろう!

 我らは民を国を守るために存在するのだぞ!」


「へ、陛下・・・」


ガックリとうなだれるピークス


「それでその村娘はどうなったのだ、生きているのか?」

「目覚めたらその場にはジャンヌ様と村娘の姿はなかったのでわかりません」


「赤き竜と村娘がどこへ去ったのかわからぬか?」

「恐らくあの場所から見える東の山だと思われます」


グランツは意識が途切れる寸前にジャンヌが飛び去るのを見ていました

そのためおおよその行き先を把握できていたのです


「そうか、ならば手分けをして赤き竜と村娘を探せ」

「探してどうするのです陛下、まさかまだ使役(テイム)するおつもりですか」


「するわけなかろう、そんなことよりも村娘の安否を確かめねばならぬ

 生きているのならばジョナスに治療をさせて私も謝罪する

 死んでいるのならば家族へ詫びねばならぬ」


ノートンは立ち上がる


「赤き竜ジャンヌには許してもらえるまで私は謝罪する

 彼女は民を救ってくれた、帝国の恩人だ」


ノートンはこれまでジャンヌを認めていなかった

しかし今回の件で考えを改めました


「だが神の使徒などとはやはり思えない

 それでも彼女を国の守護獣として私は敬意を払う

 だから彼女に許してもらえるまで謝罪をする」


ノートンはグランツたちに命じます


「赤き竜ジャンヌと村娘を探せ!

 そして丁重に城へお連れしろ

 断られても無理強いはせず一旦退いて私へ報告せよ

 その場合は私自らその場へ赴く」


「「御意!」」


グランツとジョナスが臣下の礼をとる

それに続くように控えていた兵士たちも跪き頭を下げる


ピークスは事が済むまで牢に入れられました




グランツたちはあの場所へ行きます


「ここから近い村は六村ほどですね」

「行方不明になっている子供がいないか聞き込みをしましょう」


ジョナスとグランツは村娘がどこの村の子か調べることにします


「聞き込みは下級兵に任せましょうジョナス様」

「そうですね、私たちはジャンヌ様を探しましょう」


グランツたち精鋭部隊はこの場所から見える東の山へ向かいます

そこへジャンヌが飛んで行ったのをグランツは見ていました


グランツたちは東の山を登ってジャンヌを探します

それなりに大きく広いので時間と労力がかかりました


麓から頂上まで探していきます

洞穴なども確認します


どこを探してもジャンヌは見つかりませんでした

報告を聞いたノートンは自身の愚かさを呪いました


「父上にあれだけ言われていたのに私は駄目な皇帝だ」


ノートンの父、前皇帝トーマスは何度も言っていました

赤き竜を崇めることを忘れるなと


「せめて村娘の安否ぐらいは確認しないといかん」


しかし子供が行方不明になった村はありませんでした

それもそのはず、メルは当日のうちに村へ帰っていたのですから


ジャンヌとメルの捜索は難航します

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