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ひとさらい

「リナ、僕のお嫁さんになってくれ!」

「お断りします」


領主の息子ニコル、12歳長男

リナが5歳で見習いメイドになったときには2歳幼児

現在リナは15歳、この国では成人である


ニコルと妹のイルザは幼少期からリナが遊び相手でした

貴族の子と使用人の立場ではあるけれど三人は幼馴染みの関係です


「僕をリナのお婿さんにしてくれ!」

「お断りします」


ニコルは6歳の頃にリナへの恋心を自覚しました

それ以来、アプローチを続けています

そしてすべてお断りされています


それでもニコルはめげない諦めない

その情熱をお勉強にも向けて欲しいと領主様は思っていました

領主様、イルザ、他の使用人たちからは呆れられています


「リナ、イルザのお義姉さんになってあげてくれないか!」

「お断りします」


スパーン! イルザに後頭部を叩かれるニコル


「いたっ! 何すんだよイルザ!」


「わたしを告白のネタに使わないで下さいお兄様

 断られたらわたしがリナに嫌われているみたいじゃないですか!」


「イルザ様を嫌っていませんよ、ニコル様は少し鬱陶しいですけど」

「それならよかったわ、お兄様はたしかに鬱陶しいですわね」

「二人ともヒドい!」


領主の娘イルザ、10歳長女

立場はあるけれどリナはイルザを妹のように思っています

イルザも姉のように慕っています


「お兄様の戯言は放っておいて今度の休日の話をしましょうリナ」

「そうですねイルザ様」

「もう少し僕に優しくしてくれ」


使用人たちの休暇は交代制

もしくは領主様の許可をもらってお休みします


イルザとニコルは学校に通っています

二人は次の休日に合わせてリナの休暇を確保しました

三人でお出かけです


イルザとリナが楽しそうに休日の計画を立てます

ニコルも口を出しますがイルザに却下されます




「ニコル、リナのことが好きなのはわかるがしつこいぞ」

「父様だって母様をしつこく口説いたと聞いています」


「誰だバラした奴は!?」

「母様から聞きました」


妻本人にバラされたことがショックの領主様


「僕はリナを絶対にお嫁さんにしてみせます!」

「なんなら私が口添えしてやろうか?」


リナは領主様へは恩義を感じている

その領主様の口添えならワンチャンはあるでしょう


「結構です! 己の力で口説き落としてみせます!

 親の、他者の力などで結婚できてもリナの愛は勝ち取れません!」


(どっちにしても勝ち取れないような気がするのだが)


領主様は呆れつつ息子の成長を見守ることにしました




「ねえリナ、鬱陶しいけどお兄様は悪い人ではないわよ?

 少しは考えてあげてもいいのではないかしら」


イルザもリナがお義姉さんになってくれたら嬉しいのです

だからほんのちょーーーっとだけフォローを入れます


「わたしはただの孤児です、貴族の方とは身分が違い過ぎます

 ニコル様はきちんと貴族のご令嬢と結婚するべきなのです」


「うちは貧乏男爵家だから身分がどうとかあまり関係ないわよ」

「貧乏でも貴族は貴族でございますよイルザ様」

「貧乏は否定してくれないのね」

「すみません、事実ですから」


身分違いは気にするくせに歯に衣着せぬリナだった


「身分とかは置いておいて異性としてはどう思っているの?」


「・・・ニコル様とは2歳の頃からの付き合いです

 異性というより弟のようにしか思っておりません」


(うん、これお兄様に聞かせられないや)


イルザは不憫な兄にちょーーーっとだけ同情した




そして休日、三人でお出かけです

こっそり護衛が隠れて見守っています


隣の街へ遊びに行きます

領主様の街より大きく王都に近いので色んなものがあります


見たことのない服、見たことのない料理

珍しいものがいっぱいで三人はとても楽しんでいました

あっちこっちにうろちょろするので護衛たちは大変です


「キミたち、子供だけかい? 大人は一緒じゃないのかい?」


見回りをしている警備兵に声をかけられます


「わたしが15歳で大人です」


リナは身分証を見せる

リナの見た目ではイルザと同じぐらいに見えます

身分証がないと信じてもらえません


「そうか、でも気をつけるんだよ

 最近子供ばかり狙っている奴がいるから」


「教えて下さりありがとうございます、気をつけます」


ペコリと一礼してまた三人は遊び歩く

リナは人の多いところを選んで動くようにしました

ついでにリナは護衛に気づいています


だから安心していました

それは逆に言えば油断でした


次のお店に行こうと歩いていたら路地から手が伸びます

イルザが路地に引っ張られました


一番後ろにいたためリナとニコルは気づきません

護衛たちは気づいたのですぐに追います

護衛たちが動いたことでリナも気づきます

リナとニコルも追いかけます


護衛たちが即座に動いたためすぐに犯人を追い詰めていました


しかし犯人は魔獣を召喚します

黒いしなやかな体格の大型犬の魔獣が三体


護衛たちは三人、一人一体を相手にします

その隙に犯人はリナを捕まえようとします


「リナに触るな! イルザを返せ!」


ニコルが短剣で犯人に立ち向かいます


「男のガキには用はない、失せろ」


風の魔法でニコルを壁へ飛ばしてぶつけます

護衛たちは魔獣を倒し終わってニコルたちのところへ向かう

犯人は地面から土の槍を出して邪魔をします

そしてリナを捕まえる


リナはイルザを捕まえている犯人の腕に噛みつきます

痛みでイルザを離す犯人


「いたた! この小娘! やめろ!」


護衛の一人はニコルを守る、犯人から離れたイルザを一人が支える

残りの一人は土の槍を避けて犯人に向かっていく


「くそっ、仕方がない、お前だけ連れていく!」


転移魔法でリナと共に消える犯人

残された兄妹と護衛たち


「リナ、、、」


強くぶつけられて意識が朦朧としているニコル

そのまま気を失った

大型犬の魔獣のイメージはドーベルマンです

ニコル頑張ったけどまだまだ弱いです

リナ先輩ピンチです、次回はもっとダークです

ほのぼの要素どこいった?

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