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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 2

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39/103

悪魔とニコル

「子供たちは生贄として焼かれたりしたのか

 ビリーの奴め、むごいことを」


「奴は何もしておらんだろうよ、召喚が失敗したため焼かれたのだ」


契約条件を満たしていない者はすべて失敗となる

失敗すればペナルティとして焼かれたり切り刻まれたりするのです


「まあ奴が儀式をしたせいではあるからな

 だから奴に責め苦を与えたのだよ」


嫌なオブジェとなっているビリーをチラリと見る一同


「あの」

「何だ少年」


「ここにいないということはリナは飛ばされたということでしょうか」

「そうだ」


「ではリナは条件を満たしていたということなのですか?」

「そうだ」


ニコルは困惑する

リナはこの悪魔と契約できる条件を満たしているということ

おかげで焼かれたりしてはいない


「飛ばされた場合、無事なのでしょうか」

「生きているぞ」


生きていると断言されて少し安堵するニコル


「でもどこに飛ばされたのかわかりませんよね」


飛ばされた先で酷い目にあっていないか不安になります


「飛ばされた方向や距離は大まかだがわかる」

「本当ですか! リナはどこにいるのですか!」

「落ち着け少年、リナとやらは貴様にとってそんなに大事なのか?」

「はい、僕の愛する女性(ひと)です」


きっぱりと言い切るニコル


「ならば貴様の命と引き換えに救い出してやると言ったらどうする」

「僕の命ぐらいくれてやる!」


「駄目よニコル君!」

「悪魔とのやり取りでそれは駄目だ!」

「やはり悪魔は伝承どおり魂を奪うのか」


「ふ、悪魔に命を捧げるほど大事か、面白い」


『アインツェルゲンガーの名において彼の者たちの動きを封じる』


アインツェルゲンガーはニコル以外を金縛り状態にする


「少年、では貴様の命と引き換えにリナを無事に救い出してやろう」

「・・・わかった」


ニコルはアインツェルゲンガーを真剣に見据える

アインツェルゲンガーはニコルに手を伸ばす


『ニコル・スターリン、貴様の魂をいただく』


ニコルは震えも怯えもなく覚悟していた

リナが助かるならばそれでいいと


ビシッ! 「いたあっ!」


額を押さえて困惑するニコル

同時にべスパたちの拘束も解かれる


「え? え? 何したの今」

「阿呆が、簡単に悪魔へ魂を渡そうとするな」


激しくデコピンをされただけである


「大事なものがあるなら抗え、泥をすすってでも生きろ

 逆に悪魔の命を奪うつもりで戦え少年」


「アインツェルゲンガーさん、これはどういうことですか」


ハンナが恐る恐る聞いてみる


「少年の覚悟を試しただけだ、そもそも私は子供を殺すことはしない

 言っただろう、子供を殺す奴は虫唾が走ると」


そのとばっちりで拘束されたことになんとも言えない気分の三人だった


「少年、リナは必ず連れて来てやるから案ずるな」

「・・・はい」


ちょっとだけ納得のいかないニコルでした

でもアインツェルゲンガーはニコルの覚悟を気に入っていました


「さて貴様たち、少し手伝え」

「何をですか?」


「子供たちの遺体を埋葬する」


掘っていた穴は子供たちを埋葬するためのものでした

全員で遺体を穴に丁寧に並べていきます

もちろんニコルも手伝います


(遺体など気持ちいいものではないだろう)


ニコルが遺体を丁寧に運ぶのを見て感心します


「ところでアインツェルゲンガーさん」

「何だべスパとやら」


「家屋を消したのはあなたなのでしょうか」

「そうだ」


アインツェルゲンガーは地下室部分を地盤を盛り上げ地上へ出しました

そして一階部分を(ちり)にして地下室の壁も消滅させたのです


敵と思われていたら自分たちも消されていただろうとべスパは思いました


(伝承と違って悪い存在ではないが恐ろしい存在であることは間違いないな)


すべての遺体を並べ終わります


『大地の精霊よ、(いと)おしき子らを慈しみ

 この大地にて安らかなる眠りを与えよ』


掘り返した土が宙を舞い、穴を優しくゆっくりと埋めていく


『その身は土に(かえ)り、その魂は(そら)(いざな)われる

 アインツェルゲンガーの名において(いと)し子たちよ安らかに眠れ』


埋葬された場所が光り輝き光の粒子が天へと昇っていく


「この場所、荒らされたりしないでしょうか」

「私の力を帯びているから手出しはできん」


少しだけ黙祷する一同


「では私はリナのもとへ向かうとする」

「アインツェルゲンガーさん、僕も連れて行って下さい」

「ニコル君、さすがにそれは駄目よ」


ハンナたちが止める


「やっぱりリナは僕が助けたいんだ」

「少年、いやニコル、貴様を連れては行かぬ」

「お願いします!」

「足手まといだ」


きっぱりと足手まといと断言するアインツェルゲンガー


「貴様はまだ未熟者だ、弱すぎる」


自覚はあるため反論できないニコル


「リナのいるところはここからかなり離れている

 私だけなら早く辿り着けるが貴様がいると時間がかかる

 弱き者を同行させれは歩みが遅くなる、わかるな?」


「・・・はい」


「リナは必ず連れて帰る、待っていろ

 そうだ、リナと合流したら教えてやろう」


アインツェルゲンガーは青い魔石をニコルに渡す


「これは?」


「私から貴様へ念話を送れる魔法がかかっている

 貴様からは無理だぞ、私からしか送れない

 リナを見つけたら連絡してやるから持っていろ」


「見つけたら絶対すぐに教えて下さいね」

「わかっている」


ニコルは付いていきたいのを我慢することにしました


「ではまたなニコル、貴様らも達者でな」


アインツェルゲンガーは飛び去っていきました

べスパたちはニコルをスターリン男爵邸まで送り届けます

そして王城へ帰っていきました


ニコルは父とイルザに話します

イルザが泣くのでなだめます

そして色々と決意するニコルでした


リナが帰ってくるまでに強くなる

もう二度と愛する者を失わないために

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― 新着の感想 ―
ニコルくんにはほんっっとうに頑張ってもらいたい。えぇ子や…。
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