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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 2

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38/103

悪魔アインツェルゲンガー

なぜ悪魔がこんなところで穴を掘っているのかわかりません

それでもベスパたちは邪魔をしないことにします

怒らせて戦闘になればベスパたちは瞬殺でしょう

それに敵対の意思がないようなので放置が一番です


「家の中を確認しましょう」


ロナウドがそっと扉を開けて中に入ります

廃屋のはずなのにあまり汚れていませんでした


「恐らくビリーが使っていたのでしょうね」


ハンナの言うとおり犯人のビリーが使っていました

ここを拠点にしていたのです


「ビリーはいないのか?」

「地下からあの悪魔と同じ魔力を感じます」


地下への入り口はすぐに見つかりました

地下ヘの扉が開けっぱなしだったのです

ベスパたちは用心しながら地下へ下ります


「何だこれは・・・」

「ビリーですね」

「これもしかしてあの悪魔がやったのかしら」


犯人のビリーが燃やされ骨が折られ続けていました

しかし身体は超速再生するためビリーであることを認識できます

叫んでいるが結界により外部へ叫び声は聞こえません


「ご丁寧に結界に閉じ込めていますね」


妙に感心してしまうロナウド


「それよりも酷いなこれは」

「ええ、酷すぎるわ」


ベスパとハンナは険しい顔をする

壁側に無造作に置かれている大量の子供の遺体


「まさかリナも・・・ 間に合わなかったのか・・・」


青ざめるニコル


「諦めるのは早いわよニコル君」

「でもハンナさん、この状況は」


「この大量の遺体はかなり時間が経っているわ

 さらわれてからの時間から考えてこの中にはいない

 だからリナちゃんはまだどこかにいるはずよ」


ハンナの言葉に少し落ち着きを取り戻すニコル


「どこに隠されているのでしょうか」

「そこまではわからないわ」

「この地下室以外の部屋にもいないようだし」


「あの悪魔が何か知っているも知れない

 穴掘りが終わったらもう一度話しかけてみよう」


ベスパの意見にうなずく一同

そのとき地下室が揺れる


「何だ!?」


揺れがおさまると次は天井がなくなる

天井というか上の家屋自体が消えたのです

星空が見えます


「一体何が起こったのだ?」

「え? 壁が・・・」


地下室の壁も消え去ります


穴を開け終わった悪魔の姿が見えます

悪魔はベスパたちの方を向いていました


「まだいたのか貴様ら、ヒマなのか?」


もちろんヒマではありません


「あの、お話をうかがってもよろしいでしょうか?」


ベスパはわけのわからない状況で動揺しています

それでもなんとか悪魔に話しかけました


「まだやることはあるがいいだろう、言ってみろ

 だがくだらない話なら遠くへ飛ばすぞ」


下手なことは言えなくなりました


「私は王国騎士団第三分隊隊長ベスパ・シュルツと申します」

「私は第六分隊隊長ロナウド・オルフェウスです」

「私は宮廷魔導士のハンナ・シュトラウスと言います」

「僕はニコル・スターリンと言います」


「悪魔相手に名乗りを上げられるだけの礼節は持っているようだな

 よかろう、礼儀のなっている人間は嫌いではない

 私はアインツェルゲンガー、見てのとおり悪魔だ」


「アインツェルゲンガー!?」


ハンナが驚く


「ハンナとやら、私のことを知っているのか?」


「悪魔のことが書かれた書物で知った名前だったので

 すみません、失礼でしたよね」


アインツェルゲンガーという名前

悪魔の伝承などをまとめた書物に載っていた名前でした


「人間に私の名前が伝わっているのだな」

「ですがその書物は三千年以上前の写しです」


「もしやその作者はレイリック・アルフォンスではないか?」

「はい、その書物の作者です・・・」


「私はレイリックと少しの間だけ旅をしていた

 あやつめ、勝手に私のことを書物に書いたのか

 まあ悪魔の私を恐がりもせず楽天的な奴だったからな」


アインツェルゲンガーは懐かしむように呆れたように話す


「では本物のアインツェルゲンガーさんなのですね」

「信じなくても構わんが本人だ」


三千年以上も前から存在する悪魔

アインツェルゲンガーご本人を前にして言葉に詰まる一同であった


しかし今は動揺している場合ではありません

ベスパは気を取り直して話し始めます


「聞きたいことはたくさんありますが・・・」


ベスパたちがここへ来た経緯を話します

子供たちをさらう犯人ビリーを追ってここに辿り着いたこと

つい数時間前にさらわれた少女リナのこと


「それでビリーがあのような状態になっていて驚いています

 あれはあなたがやったのでしょうか」


「ああ、奴はたくさんの子供たちを殺したからな

 私はそういう輩は虫唾が走る」


一同は悪魔なのに? と思いましたが口をつぐみます


「なぜあなたはここに来たのですか?」

「悪魔召喚の儀式で呼ばれたのだ」

「ではビリーと契約したのですか?」

「するわけなかろう」

「たしかに」


契約しているのならビリーがあんな状態になっているわけがありません

だからべスパたちは納得します


「そもそもあの魔法陣は契約者が陣の中央にいないといかんのだ

 そして中央に立った契約者自身が詠唱しないといかん

 外部の者が詠唱してもよいがその場合は中央の者は転移で飛ばされる

 それに奴は最大の勘違いをしていた」


「勘違い?」


「私と契約できるのはある条件を満たしている者だけだ

 条件を満たしていないと私に召喚の声は届かない

 すなわち召喚失敗となる」


「条件とは?」

「そこまで話す気はない」


睨まれたので条件に関しては聞かないことにします

怒らせては元も子もありません

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