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かじしょくにんリナ

とある大陸の西部にある国の領土の一つ

村より少しだけ大きい街があるだけの小さな領土

領主様の爵位は男爵で貧乏貴族


民と一緒に畑仕事をしたり酒場でバカ騒ぎをする

そんな領主様だけど民や家族には愛されていました

領主様自身も家族と民を愛しています


領主様は慈善活動も積極的に行っていました

貧乏なのはそれらにお金をかけているのも理由の一つ


この街には孤児院があって教育にも力を入れている

孤児院から出たあとでも生活に困らないようにするためです


また、5歳を迎えた子には教会で洗礼を受けさせていた

洗礼で子供によっては称号やスキルを得る可能性がある

得られない場合もあるのでやってみないとわからない


称号やスキルによっては仕事も見つけやすくなる

孤児院を出たあとに役立つので一応洗礼をさせています


そして今日、一人の少女が5歳になった

領主様はその少女を連れて王都の教会へ行く


その少女の名前はリナ

黒髪黒目で少し達観している性格の少女

孤児院ではお手伝いも積極的にする働き者


「それではこちらで祈りを捧げて下さい」

「はい」


神父様に言われて女神像の前で跪き祈るリナ


『あなたに相応しい称号とスキルを授けましょう』


優しい声がリナの頭に直接聞こえてくる


(・・・これがわたしに与えられた称号とスキル)


祈りが終わり領主様のもとへ戻る


「何かいただけたかいリナ」

「はい、 かじしょくにん という称号をいただきました」


「鍛冶職人? 女性の鍛冶師もいるけれど珍しいな

 それじゃあどこかの鍛冶師に弟子入りしないといけないね

 信頼できるところを探しておくから安心しなさい」


「領主様、違います」

「違う? 何がだい?」


「掃除洗濯などの家事です、家事職人です」

「は? 家事? 家事職人? なにそれ」


領主様がポカンとしています


「家事に関する能力が高くなるそうです

 それと家事に役立つスキルが使えるそうです」


「なるほど、だから家事職人、うん、わからない」


「わたしも最初はわかりませんでした

 でもスキルの内容などを確認して理解しました

 名前のとおり本当に家事のためだけにある称号とスキルです」


「まだよくわからないが使用人向けなのかな?」

「ああ、そうかも知れません」


リナはスキルの内容を大まかに話します

スキルの内容などは本来なら秘密にするべき

悪い人に利用されたり騙されたりするからです

しかしリナは領主様を信用しているので話しました

領主様は良い人なのでリナを悪いようにはしません


「とりあえず帰ろうか」

「はい」




数日後、リナは領主邸へ呼ばれます

孤児院の院長先生も一緒に行きます


「よく来てくれたねリナ、院長もすまないね」


「いえ領主様の呼び出しですので

 それでご用件は何でしょうか?」


「リナの称号は聞いているよね院長」


「はい、リナが話してくれましたから

 それにしても家事に特化した能力とは不思議なものです」


「色々と考えたのだがやはり使用人向けだと思うのだ

 リナの将来のためにも使用人をやらせてはどうだろう

 メイド、いやまだ5歳だからメイド見習いからだな

 能力を活かすためにも今のうちからの方が良いだろう」


「たしかにそうですがどこへ奉公させれば

 リナが孤児だからといじめられては可哀想ですし」


「私の屋敷で雇うに決まっているだろう

 事情を知らないところへ任せるわけがない」


「それならば問題ありませんね、あとはリナの気持ち次第です」


領主様と院長がリナを見る


「もちろんリナが嫌だったら断ってもいいんだよ

 希望があるならそれに見合ったところを紹介するよ」


リナは少し考える、そして決める


「領主様、よろしくお願いします」


ペコリと頭を下げるリナ

こうしてリナは領主邸でメイド見習いをやることになりました


領主邸には使用人部屋があるので孤児院から引っ越しします

と言っても荷物は極少量の着替えのみ


引っ越し翌日からお仕事です

メイド長から屋敷のこと仕事のことを教えられます

まだ5歳で見習いなので簡単な仕事だけ任されます


庭掃除をはじめとした掃除三昧です

ひたすら掃除します


領主様の子供と歳が近いので遊び相手もします

懐かれます


見習いだけどお給金も出ます

貯金します


シェフがいるので料理はさせてもらえません

だけど皮むきとかのちょっとした手伝いは任されます


領主様の計らいで子供たちと一緒に勉強をします

礼儀作法などなぜか淑女教育まで受けさせてもらえます

より良いお屋敷で働けるようにするためだそうです




10歳で見習いから正式なメイドになったリナ

14歳を過ぎたころには副メイド長になっていました

大出世です


メイドだけれど厨房で一部の料理も任されています

スピーディーに美味しく仕上げるのでシェフに認められました


領主邸でみんなと仲良く暮らすリナ


(このままこのお屋敷で頑張ろう)


優しい人たちに囲まれた穏やかな日々

リナは今日も元気にお仕事です

違う作品のように見えますが「聖王女のまったり魔境ライフ」です

今回は穏やかな話ですがこのあとちょっとダークになります

リナ先輩の運命や如何に

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