和解
少女たちがドラゴンに捕まっていると勘違いするシュナイダー
助けるために全身全霊でジャンヌに立ち向かいます
ジャンヌは困惑しながら攻撃を回避していきます
左手に持つ剣ドゥンケルハイトに魔力を流す
黒い魔力の靄が螺旋を描いて切っ先から放たれる
「ドゥンケルハイトビンデン!」
放たれた靄はロープのようになり十数本に分散します
そしてジャンヌを捕縛しました
「うわわ」 ドシン!
縛られたジャンヌは落下します
(今なら一太刀は入れられる!)
すぐ近くの木を蹴り上がりジャンヌの首へ向かって飛び下りる
右手に持つ剣フェルンリヒトが光り輝く
「リヒトブリック!」
フェルンリヒトがジャンヌの首を一閃する
フェルンリヒトが当たる寸前、ジャンヌが消える
「消えたっ!?」
巨体が消えたその跡に着地するシュナイダー
捕縛していた靄のロープも霧散する
「どこに消えた?」
瞬間、背後にジャンヌが立つ
気づくのが遅れたシュナイダー
「えい!」 バズン!
「ぐわっ!」
潰さない力でシュナイダーを右手で抑えつける
「お前、悪い奴か?」
「お前こそ人間を襲う悪い竜ではないのか!」
「ああもう、先に我の質問に答えろ人間」
さすがにドラゴンの力で抑えつけられていては動けない
シュナイダーは自身の命を諦めました
「私は構わないがあの子たちは見逃してやってくれ」
「なんで質問に答えないのだお前」
少し呆れるジャンヌ
「あの、よろしいでしょうか」
戦闘に巻き込まれないようにローラとリナは離れていました
戦闘が止まったので二人は近寄ります
「君たち、来てはいけない!」
「落ち着きなさい」
ローラがシュナイダーの近くに寄ります
(もしかしてこの子は王族か?)
ローラの立ち振る舞いから王族と判断します
「初めまして、私はローラ・ルーラ、ルーラ国第二王女です
こちらの彼女はリナ、私のメイドです」
「やはり王族でしたか、ならば早くお逃げ下さい」
ローラは首を横に振ります
「このドラゴン、ジャンヌさんも私のメイドです」
「は? ドラゴンがメイド?」
「はい、ですから私たちはさらわれたわけではありません
三人で貴方を探しに来ただけです」
「ですがドラゴンは人間を襲うのでは・・・」
「でしたら今頃私とリナは死んでいますわよ
それに貴方との戦いでも攻撃していませんでしたでしょ
ブレスも使っていませんし」
「・・・・・」
シュナイダーはこれまでを思い返す
ジャンヌはシュナイダーの攻撃を躱していただけ
ローラとリナを丁重に扱って素直に解放した
そもそも今も潰さないように抑え込んでいるだけである
「・・・私の早合点のようでございますね」
「そうですわよ」
「なあ、手を離すけど攻撃するなよ?」
「承知した、もう攻撃はしない」
ジャンヌは手を離してシュナイダーを解放する
「まずはドラゴン殿へ謝罪する、申し訳ない」
「許すぞ人間、我の名はジャンヌだ」
「私の名はシュナイダーと申します」
シュナイダーはジャンヌに一礼する
そしてローラとリナにも名乗り一礼をする
「ジャンヌ殿、貴殿は瞬間移動が使えるのか?
先程の一閃のとき消えましたよね」
「あれは一度人化して背後に回って戻っただけだぞ」
「なるほど、竜族が人化できることを失念しておりました」
シュナイダーは三人から少しだけ離れます
「改めまして、私はシュナイダーと申します
この度は勝手な思い違いでご迷惑をお掛け致しました
謝罪いたします」
姿勢良く一礼するシュナイダー
「謝罪お受け致します」
「同じくお受け致します」
「許すぞシュナイダー」
シュナイダーが隠れ家にしている洞穴に行きます
「ジャンヌさん、人化して下さい」
「わかったぞ」
洞穴に入るために人化します
「女性だったのですね」
「そうだぞ」
ドラゴンの性別など見た目ではわかりません
ちなみに人化した瞬間に衣類は着ていました
正確にはリナに一瞬で着せられたのです
家事職人のお世話スキルの一つ<着付け>
衣類の着脱を瞬時に行うスキルです
「リナ殿、今の動きは見えませんでした
もしや名のある冒険者なのですか?」
「ただのメイドです」
「あの動きができてそんなはずは・・・」
「そのあたりのことは後ほど説明致しますわ」
「承知致しました」
四人は洞穴に入る
ローラがレジャーシートとちゃぶ台を出します
ちゃぶ台を四人が囲みます
「ローラ様は空間収納が使えるのですね」
ちゃぶ台に関してはスルーするシュナイダー
「まずはシュナイダーさんのことをお聞かせ下さいますか?」
「承知致しました」
シュナイダーは英雄時代のことを語らず説明します
とある大陸のとある街で執事をしていたこと
引退後に気ままな一人旅を始めたこと
船旅中に大嵐で海へ投げ出されてこの大陸へ流れ着いたこと
簡単な説明だけします
「執事ですのに戦闘能力が高いですわね」
「執事の前はSランク冒険者でしたので」
「なるほど、それなら納得ですわ」
「それでローラ様の国はここから近いのですか?」
「この大陸に国はないぞ」
「私たちも他の大陸からこちらへ来ています」
「そうだったのですね」
四人とも別の大陸から来たことに驚くシュナイダー
ローラたちもこの大陸へ来た経緯を話し始めます




